アメリカンショートヘア(American Shorthair)特徴、性格、飼い方、かかりやすい病気について

アメリカンショートヘア(American Shorthair)特徴、性格、飼い方、かかりやすい病気について
アメリカンショートヘア(American Shorthair)特徴、性格、飼い方、かかりやすい病気について

アメリカンショートヘアの誕生・起源

イギリスからアメリカへ

アメリカンショートヘア(American Shorthair)の祖先は、イギリスからアメリカ大陸に渡ってきた移民たちがメイフラワー号に乗って連れてきた猫とされています。アメリカンショートヘアの始祖となる猫は、アメリカではなくイギリスのブリティッシュショートヘアが直系の祖先です。

16世紀から17世紀にかけて船乗りたちによって輸送され、ペットとしてではなく船上にあらわれるネズミやヘビなどの害獣を駆除するために連れて来られました。アメリカンショートヘアたちは優れた狩猟能力を持ち、害獣駆除に貢献しました。

アメリカ大陸に到着したアメリカンショートヘアは、自然環境の中で適応しながら進化しました。広大な土地で自由に生活することで丈夫な体と厚い被毛を持つようになり、寒暖差の激しい気候にも耐えられる体質を獲得しました。また、自然選択の過程で病気に強い体質も培われました。

1906年に品種として確立

19世紀になると、アメリカの愛猫団体CFAは創設時に5猫種の一つとして登録しましたが、当時は「ショートヘア」とされ、他の短毛種の猫たちと一括りにされていました。しかし、アメリカ国内で猫の品種改良や選抜に関心が高まり、ヨーロッパから輸入された猫種が増える中で在来の短毛猫の優れた特徴を維持しようという動きが起こりました。

その後、愛好家によって選択交配による改良が続けられ、1966年に「アメリカンショートヘア」という名称に改められて独立した猫種としての地位を確立しました。

ペットとしてアメリカンショートヘアの人気が出てきてからは、短毛種で飼いやすいこともあり、人気&定番の猫種になりました。

日本での愛称はアメショ

アメリカンショートヘアが日本にやってきた時期は明確に記録されていませんが、1970年代以降に本格的に日本で紹介され、飼育が始まったとされています。アメリカンショートヘアの美しい模様と穏やかな性格が、日本の家庭猫としても適していると考えられました。

また、1970年代から1980年代にかけて日本でペット文化が広まり、純血種の猫に対する関心が高まったこともアメリカンショートヘアが日本で広まる要因の一つです。

現在では家庭猫として非常に人気があり、「アメショ」と省略して呼ばれることも多くなりました。

アメリカンショートヘアの性格

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フレンドリーで社交的

アメリカンショートヘアは穏やかでフレンドリーな性格が特徴の猫種です。

社交的で他のペットや家族との相性が良く、多頭飼いや子供がいる家庭にも適しています。初対面の人や他のペットにも比較的すぐに慣れるため、来客が多い家庭でも安心です。

穏やかで適応力が高い

アメリカンショートヘアは大きな音や新しい環境でも落ち着いており、適応力が高い猫種、ストレスを感じにくい猫種といわれています。

遊び好き・活発

アメリカンショートヘアは落ち着いた性格でありながら、ネズミやヘビなどの害獣を退治のために連れてこられた背景にもあるように、狩りや遊びが大好きな活発な性格も持ちます。特におもちゃを使った狩猟本能を刺激するような遊びを好みます。新しいおもちゃにも積極的に興味を示す傾向にあります。

自立心・独立心が強い

アメリカンショートヘアは自立心や独立心が強く、飼い主さんや他のペットに過度に依存しない性格を持っています。そのため留守番も比較的得意で、飼い主さんが家を空ける時間が長くても大きなストレスを感じにくいとされています。

アメリカンショートヘアの毛色・模様

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毛色や模様は80種類以上!

アメリカンショートヘアは多様な毛色と模様が魅力の一つで、公式には80種類以上のバリエーションが認められています。

中でも最も有名なのは「シルバータビー」と呼ばれる模様で、シルバーやグレーの被毛に、ブラックやブルー系のシマ模様が入ったデザインです。「アメリカンショートヘアといえばこの色!」というイメージが強いほど、象徴的なパターンとして広まっています。

タビーにも種類があり、

  • ブルータビー
  • 赤系のブラウンタビー
  • レッドタビー
  • ブラウンタビー

などが確認されています。

その他にもブルー(灰色)、クリーム、ブラック、ホワイト、キャリコ(三毛)、バイカラー(二色)、パッチドタビー(斑模様)など、あらゆる毛色や模様が存在します。特徴的なシマ模様がなくてもアメリカンショートヘアと認められ、それぞれの猫が個性的な外見を持っています。

被毛は密度が高くなめらか

名前の通り短毛種で、被毛は短く密度が高いため、模様がはっきりと際立ち、手触りがなめらかです。この特徴的な被毛は、寒暖差のある環境でも猫を守る役割を果たします。

アメリカンショートヘアを選ぶ楽しさの一つ

色の組み合わせや模様の形は個体によって微妙に異なるため、同じ毛色や模様の猫でも全く同じ外見になることはありません。この多様性と個性的な見た目が、アメリカンショートヘアを選ぶ楽しさの一つともなっています。

アメリカンショートヘアの顔・体型

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アメリカンショートヘアは丸みを帯びた頭部に広い額、ピンと立った中くらいの耳、そして大きくて丸い目が特徴です。目の色は毛色によって異なり、金色や緑、青、ヘーゼルなどがみられます。

体型は小さすぎず大きすぎずな中型で、筋肉質でがっしりとしています。全体的にバランスが取れたプロポーションで、力強さと柔軟さを兼ね備えています。狩りや遊びが好きなので運動能力の高い大きくしなやかな筋肉を持っており、ジャンプや素早い動きも得意です。

アメリカンショートヘアの飼い方

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生活環境

アメリカンショートヘアは初心者からベテランの愛猫家まで幅広い層に愛されています。

アメリカンショートヘアは適応力が高く、室内飼いに向いています。運動量を確保するためにキャットタワーや爪とぎ、動き回れるスペースを用意しましょう。短毛種のため極端な寒暖差には注意が必要です。

食事管理

筋肉質な体型を維持するため、高品質でバランスの取れたキャットフードを選びましょう。また肥満になりやすい猫種なので食べすぎによる肥満に注意し、定期的に体重をチェックすることが重要です。

ブラッシング

短毛種なので、週に1~2回のブラッシングで十分です。抜け毛が少なく日常の手入れが簡単なので、忙しい飼い主さんにも向いています

遊びと運動

狩猟本能を刺激するおもちゃを使った遊びを取り入れると喜びます。毎日適度に遊ばせてストレス発散と運動不足の解消を心掛けましょう。

アメリカンショートヘアのかかりやすい病気

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病気にかかりにくい

アメリカンショートヘアの平均寿命は15~20年とされています。

アメリカンショートヘアはもともと愛玩目的の純血種として交配されていなかったため、さまざまな猫との交雑により、遺伝疾患の少ない強固な体を得ることができたと考えられています。そのため、遺伝性疾患のリスクは低いといわれています。

また、がっしりとした体形を持っていることから外部の衝撃やストレスに対して強い免疫力を持っていますその強さもまた人気がある理由の一つでしょう。

病気にかかりにくいとはいえ、下記に挙げる病気には注意が必要です。

かかりやすい病気:肥大型心筋症

アメリカンショートヘアは一般的に健康な猫種ですが、肥大型心筋症(HCM)には注意が必要です。

肥大型心筋症とは心筋が異常に厚くなる病気で、進行すると心不全や血栓症を引き起こす可能性があります。初期症状は目立たないことが多いですが、呼吸困難や疲れやすさなどがみられる場合があります。

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2018年11月30日

かかりやすい病気:肥満が原因の病気

アメリカンショートヘアは筋肉質な体型を持つため、運動不足になると肥満になりやすい傾向があります

特に肥満が原因で発症する糖尿病や腎臓病、心臓病などの病気にかかりやすくなります。そのため日頃から体重管理や運動不足にならないよう工夫が必要となります。

アメリカンショートヘアの価格

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アメリカンショートヘアの価格は、子猫で6~50万円、成猫で10~20万円程度です。

シルバータビーやブラウンタビーなどの一般的な毛色は6万円~20万円程度ですが、タビーにホワイトのポイントが入るなど、希少な毛色や模様の個体は30万円~40万円と高額になる傾向があります。

また子猫は人気なので高い価格が付きます。

アメリカンショートヘアは価格帯が幅広いため、予算や希望に合わせて選ぶことが重要です。また、購入後の飼育費用や健康管理にも十分な準備と考慮が必要です。

まとめ

  • アメリカンショートヘアの祖先猫はイギリスのブリティッシュショートヘア
  • フレンドリーで適応力が高く、遊び好き
  • 毛色や模様は80種類以上で、選ぶ楽しみの一つでもある
  • 基本的に健康だが肥満になりやすく、併発の病気に注意が必要