猫にとってもいつもと違う雰囲気を感じ取って楽しむ子も多いのではないでしょうか。
しかしお正月関連の食べ物は猫にとって中毒となったり、松飾りや置物はおもちゃとして認識してしまうことも…。
今回は猫が注意すべきお正月の食べ物や飾り、誤飲・誤食しやすいものをご紹介します。
猫が注意すべきお正月の食べ物は?
おせち料理
◆おせち料理は塩分量が多い
おせち料理は保存性を高めるために塩分が多く含まれています。猫は塩分の処理能力が低いため、塩分過多により高血圧や腎臓への負担が増大し、最悪の場合は塩中毒を引き起こすことがあります。
とくに、塩漬けされてナトリウム含量が多い数の子や、加工食品で添加物が含まれているかまぼこは注意が必要です。
◆黒豆や栗きんとんは調味料が多い
黒豆や栗きんとん、伊達巻きなどの甘い料理には大量の砂糖が含まれており、猫にとっては肥満や糖尿病のリスクを高めます。
とくに栗きんとんには甘味付けに使われるみりんやしょうゆが含まれる場合があり、これらは猫の腎臓や消化器に負担をかけます。さらに、一部の加工黒豆には保存料や添加物が含まれている可能性があり、猫にとって有害です。
生魚や魚介類
◆生魚
お正月の食卓には刺身や焼き魚、寿司などの魚介類がよく登場します。猫は魚が好きなイメージがありますが、生魚には「チアミナーゼ」という酵素が含まれており、ビタミンB1(チアミン)を分解してしまいます。チアミナーゼはとくにサバやイワシ、鮭に含まれ、ビタミンB1が不足すると食欲不振や嘔吐、痙攣などを引き起こす可能性があります。
また生魚にはアニサキスなどの寄生虫が付着している可能性があります。寄生虫は猫の胃や腸に寄生し、腹痛や嘔吐を引き起こします。
◆骨の危険性
焼き魚の骨は細く鋭いため、喉や食道、消化管に刺さるリスクがあります。また消化不良を引き起こす可能性もあります。
とくに人間用に調味された焼き魚には塩分や調味料が含まれており、猫の腎臓に負担をかけたり、中毒症状を引き起こすことがあります。
お餅や和菓子
◆お餅
餅は粘り気が強く、喉に詰まるリスクが高いため、猫が窒息を引き起こす可能性があります。また餅は消化が悪く、猫の消化器官に負担をかけるため、嘔吐や下痢を誘発することがあります。
お正月だからと、少量でも猫に餅を与えるのはおすすめできません。
◆和菓子
飲み物
◆アルコール
アルコールは猫にとって毒性が強く、舐めたのが少量であっても神経症状や肝臓へのダメージを与える可能性があります。とくに日本酒や甘酒は香りが強く猫が興味を持ちやすいので注意が必要です。
◆カフェインを含む飲み物
お茶やコーヒー、紅茶に含まれるカフェインは猫の心拍数を上げ、興奮や痙攣を引き起こす危険性があります。
猫にとって有毒な食べ物
◆ネギ類
お正月料理でよく使用される食材の一つにネギ類があります。ネギ、玉ねぎ、ニラ、ニンニクなどは猫にとって非常に危険で、貧血や呼吸困難を引き起こす可能性があります。
◆チョコレート
お土産として持ち寄られることが多いチョコレートには、猫に有害な「テオブロミン」が含まれています。チョコレート中毒を引き起こし、嘔吐や下痢、痙攣があらわれます。
猫が注意すべきお正月の飾りは?
輪飾り
猫は動くものや光沢のあるもの素材に興味を示しやすいため、輪飾りに使われるヒモやリボンをおもちゃとして認識することがあります。また輪飾りには松の枝や稲わらが使われることが一般的あり、さらにプラスチック製の字リや金属製の部品が使われていることもあります。
これらを噛んだり飲み込んでしまうと歯茎を傷つけたり、腸閉塞や消化器官の損傷を引き起こす恐れがあり、最悪の場合は外科手術が必要になることがあります。
干支の置物
干支の置物などの小型で軽量な置物や、紐や光沢のある飾りが付いているものは猫の好奇心を引きやすく、おもちゃとして認識する可能性があります。
また陶器製やプラスチック製の置物は、猫が噛むことで破片を飲み込む恐れがあります。これにより内臓を傷つける危険性があります。
お守り
初詣などで購入する機会が増えるお守り。とくにヒモや房、小さな鈴、光沢のある装飾などが付いたお守りは、猫の好奇心を刺激しやすいです。
猫が注意すべきお正月の植物は?
南天
お正月に縁起物として飾られる南天(なんてん)は、「難を転じる」として古くから魔除けや厄除けの象徴とされています。南天の赤い実や緑の葉は新年の飾りとして華やかになりますが、猫にとっては注意が必要な植物です。
南天の実や葉には「アルカロイド」という成分が含まれており、猫が誤って食べると嘔吐や下痢、食欲不振などの中毒症状を引き起こす可能性があります。とくに赤い実は猫の興味を引きやすいため、飾る際は猫が届かない場所を選びましょう。
松
猫が注意すべきお正月のおもちゃは?
羽子板、凧、独楽
お正月の羽子板や、凧、独楽(こま)は伝統的な正月遊びの道具ですが、小さな部品や飾り、ヒモが付いているため猫が好奇心を引きやすく、誤飲・誤食するリスクがあります。
誤飲・誤食を防ぐための対策
猫専用のごはんを作る
お正月などのめでたい日には、愛猫とも楽しい時間や美味しいごはんを共有したいですよね。人間の食べ物は与えてはいけないので、猫専用の手作りごはんを取り入れてみてはいかがでしょうか。猫にごはんを与えることで、人間の食べ物への興味を逸らせることもできます。
猫への手作りごはんには、塩分や調味料は使用しないものを与えてあげましょう。また、家族や来客にも、猫に人間の食べ物を与えないように説明しておくことが重要です。
飾りや植物は手の届かない所へ
お正月の飾りは、猫が簡単に手を伸ばせない高さに設置しましょう。棚やテーブルの上では簡単に上ってしまうため、壁の高い位置やドアの外側に取り付けると安全です。また天然素材のみで作られたシンプルな輪飾りを選ぶこともおすすめです。
猫が輪飾りを噛んだり、触ったりしていないか定期的に確認しましょう。破損した部分を見つけた場合はすぐに撤去してください。