乾燥剤の多くは、子どもが間違って食べてしまっても問題ないよう危険な成分が使用されていません。しかし石灰乾燥剤だけは注意が必要です。
猫が誤飲した乾燥剤の種類によって危険性や対処法は変わる
乾燥剤にもいくつかの種類があり、猫が飲み込んでしまった乾燥剤がどの種類かによって危険性や対処方法も異なります。
- シリカゲル
- 石灰乾燥剤
- シート状乾燥剤
- 脱酸素剤(※)
※脱酸素剤は酸化を防ぐ薬剤
①シリカゲル乾燥剤
シリカゲルの見分け方
シリカゲルは、透明なつぶつぶの丸い粒が入っているわかりやすい乾燥剤で、クッキーや焼き菓子、医薬品に入っていることが多いです。
袋の中身が見えなくても、下の写真のように「シリカゲル」「SILICA GELL」と袋に書いてあることが多いので判別に困ることは少ないでしょう。
猫が食べたときの危険性
シリカゲルの主成分である「二酸化ケイ素」は食品添加物としても使用されているので、少量でしたら食べても重大な問題にはなりません。
体に吸収されたりすることもないので、便として排泄されるのを待ちます。
シリカゲルを誤飲したときの対処法
シリカゲルを猫が食べてしまったと気づいたら、水を飲ませたり、ウェットフードなど水分が多い物を食べさせましょう。
シリカゲルは何もしなくても問題なく排泄されることが多いですが、食べた際に食道にへばりついて、食道に炎症が出てしまうことがあるので、喉や食道にくっつかないように水分を摂らせます。
もし様子がおかしかったり苦しそうにしている場合は、すぐに動物病院で診てもらいましょう。
②石灰乾燥剤
石灰乾燥剤の見分け方
石灰乾燥剤は、石灰という白い粉を使った強力な乾燥剤です。高い吸湿力を持っているので、お煎餅や糊、干物などに使われます。
石灰乾燥剤は、始め少し大きな砂利のような粒の形をしていますが、水分を吸収することでさらさらの粉に変化していく乾燥剤です。
不透明な袋に入っていることがほとんどなので、粒状の状態ではクレイドライ(主成分:モンモリロナイト)と見分けにくいかもしれません。
袋にドライパックと表記されていることもあります。また代表的なところだとエージレスドライ、キングドライなどが挙げられます。
猫が食べたときの危険性
石灰乾燥剤は危険性が高いため、特に注意が必要です。
石灰乾燥剤の主成分である「酸化カルシウム」は、強いアルカリ性で水を吸収することで発熱する性質を持っており、猫が石灰乾燥剤を誤飲してしまった場合、粘膜が炎症を起こし体内で出血することもあります。
石灰乾燥剤を誤飲したときの対処法
猫が石灰乾燥剤をまだ飲み込んでいない場合は口から掻き出しますが、飲み込んでしまった場合は、決して吐き出させずに、水や卵白、猫用ミルクなどを飲ませてすぐに動物病院に連れて行ってください。
③シート状乾燥剤
シート状乾燥剤の特徴と見分け方
※写真がなかったので「乾燥剤 シート」で画像検索しています
シート状乾燥剤とは、名前の通り厚紙のようなシート状の乾燥剤です。シート状乾燥剤は、シリカゲルや石灰のように中身が出ることもないので、猫が誤飲してしまうことも少ないかと思います。
猫が食べたときの危険性と対処法
シート状乾燥剤の主成分はシリカゲル、活性炭パルプ、塩化カルシウムなどがあり、安全性の高い成分が使用されていることが多いですが、主成分や種類によって変わってきます。様子を観察して心配でしたら動物病院に連れて行きましょう。
④脱酸素剤
脱酸素剤の特徴・見分け方
※写真がなかったので「脱酸素剤」で画像検索しています
脱酸素剤は、鉄の酸化を利用して酸素を吸収する薬剤です。乾燥剤とは異なり酸化を防ぐものですが、写真でも分かるとおり非常に似ているので紹介します。
代表的なものには、エバーフレッシュ、エージレス(※エージレスドライとは別)などがあります。
脱酸素剤は主成分である鉄なので、袋を開けると黒っぽい粒が見られます。なので迷ったら中身を見れば脱酸素剤であることが一目瞭然となるかと思います。
猫が食べたときの危険性と対処法
脱酸素剤は主成分が鉄なので、食べてしまっても大きな問題はありません。シリカゲルの時と同様、水や水分の多いウェットフードを与えて流します。
ただ袋毎飲み込んでしまった場合、固い袋の素材だったら猫の食堂や器官を傷つけてしまう可能性があるので、猫が苦しがっていたり痛がる様子があれば動物病院に連れて行って診察してもらいましょう。
乾燥剤の誤飲まとめ
- 石灰乾燥剤の誤飲は危険!
- ほとんどの乾燥剤は食べても大きな問題はなし
- 他の乾燥剤でも様子がおかしければ病院に連れて行く
そうですね。乾燥剤が入ったお菓子や洋服タンスを開けっ放しにしていたり放っておかないようにすることは大切です。
しかし乾燥剤で遊んでいるだけで、食べていないということもあるので、石灰乾燥剤でなければ様子を見ながら病院に連れて行くか判断してもいいと思います。