猫の心筋症とは
心臓の筋肉に異常が出る病気
心筋症とは、心臓を動かす筋肉に異常が出て心臓の機能が低下する病気です。急激に悪化してそのまま死に至ってしまうこともある恐ろしい病気となっています。
心筋症の種類
猫の心筋症には、
- 肥大型心筋症
- 拡張型心筋症
- 高速型心筋症
この3タイプがあります。中でも特に猫に多いとされている肥大型心筋症について詳しくお話したいと思います。
肥大型心筋症とは
心臓の筋肉が肥大化
肥大型心筋症とは猫に最も多い心筋症で、心臓の筋肉が分厚くなることで起こります。
心臓の筋肉が大きくなると、その分心臓本体が圧迫されてしまい、体全体に送り出されるはずだった血液の量が少なくなります。
中高齢に多い
猫の肥大型心筋症は、中年~高齢期に多く発症しやすいとされています。
肥大型心筋症の原因
肥大型心筋症の場合、はっきりと原因が分かっているわけではありませんが、
- 遺伝
- 変異遺伝子
- 肥満
などの原因が挙げられます。純血で続く猫や、親や家族に肥大型心筋症にかかった猫がいた場合、肥大型心筋症のリスクは他の猫より高いと言われています。
また遺伝子の突然変異によって肥大型心筋症を発症するケースも。遺伝子の変異が起こりやすい種類の掛け合わせもあるようです。
また体の大きな猫でいえば、肥満も肥大型心筋症のリスクを高める原因になります。
猫の心臓病の症状
猫の肥大型心筋症の症状
基本的に心臓病でわかりやすい症状がないのが難しいところ。
- 呼吸困難(呼吸が浅い、荒い等)
- 元気がなくなる
- 食欲低下
- 口を開けている時間が長い
- 後ろ足に麻痺
肥大型心筋症の症状としてはこのような症状が見られます。しかし中にはそういった小さな症状もほとんど見られないまま突然亡くなってしまう猫も残念ながらいます。
猫の心臓病の検査と治療
猫の肥大型心筋症の検査
猫の心臓病の検査には
- 血液検査
- 心電図検査
- レントゲン検査
- 超音波検査
などがあります。これらの検査で不整脈や心臓の大きさや血流の速さなどを知ることができます。
猫の肥大型心筋症の治療
猫の肥大型心筋症の治療方法には、内服薬や手術などが挙げられます。
ただし肥大型心筋症では完治させることは難しく、心臓の筋肉のこれ以上の肥大を抑える薬などが用いられます。
緊急性の高い場合、手術などで治療が行われます。
心臓病の早期発見のためには
症状を見てもわかるように、心臓病の場合、目に見えて分かる症状が少なく、また症状が出た時にはすでにかなり進行しているため、症状が出る前の早期発見が重要になってきます。
心臓病の早期発見のためには、定期的な動物病院での検査が重要です。特に肥大型心筋症にかかりやすいとされる猫種、家族に肥大型心筋症にかかった猫がいる猫などは、猫が中年になるあたりから気を付けておいた方がいいです。