

猫がフードを噛まない理由
フードが美味しい、気に入っている
嬉しいことではありますが、新しい味のキャットフードが気に入って食欲が一気に高まった結果、勢いよく食べて丸呑みになっているのかもしれません。
この場合、しばらく同じフードを与え続けていると落ち着くので、様子を見ながらフードに慣れるのを待つのが得策です。
ごはんの時間がまばら、制限がある
キャットフードを与えられる時間や回数がまばらであったり、時間に制限を設けていると、いつごはんが出てこなくなるか分からない不安から、「今ある分を食べておかなきゃ!」と噛まずに急いで丸呑みしてしまうことも。
また野良猫の時代はがあったり、多頭飼いで他の猫からごはんを横取りされる可能性がある環境では、早食い癖がつきやすいです。
猫の歯は「噛みきる」に特化
そもそも、猫があまりキャットフードを噛まないのは、食べ物を飲み込めるサイズに「噛み切る」ことに特化した歯の構造だからです
猫は雑食や草食動物とは異なり、肉を切り裂く切歯や犬歯が発達した肉食性の動物です。犬と比べても、猫は永久歯30本のうち噛み切るために鋭くとがった切歯・犬歯は犬と同じ16本ありますが、食べ物をすりつぶすための臼歯は犬より6本も少なく、少ない臼歯も小さく先が尖っており、あまり発達していません。
このためキャットフードを食べた時に、大きい粒であれば噛んで飲み込めるサイズにしますが、飲み込める大きさのキャットフードだった場合、噛まずに飲み込んでしまいますが、それが猫本来のことなので、噛まなくても基本的に心配はありません。
キャットフードを噛まないことで起こる猫の健康への影響
早食いで肥満の原因に
猫は、人間のように物を噛んでも満腹中枢が刺激されるわけではありませんが、早食いの猫は肥満になる傾向があります。
早食いをすると、猫の体内は急激に血糖値が上昇します。すると血糖値を一定の範囲に保つために働く「インスリン」が沢山分泌されます。インスリンは肥満ホルモンとも言われており、余分な糖を中性脂肪に変えてしまう働きがあるため、同じ量の食事でも、早食いの方がより多くの脂肪が蓄積されやすくなります。
デブ猫も愛らしいから問題ないと考える人もいますが、猫の肥満は運動不足を招き、糖尿病や関節疾患、骨折やケガの原因にもなります。
吐き戻しで病気のサインに気づけない
猫は急に沢山の食べ物が胃に入ってくると胃が刺激されて吐き戻しをしてしまいます。猫にとって吐くこと自体はそこまで大きな問題ではありませんが、この吐き戻しが頻繁になると、いざ病気が原因で嘔吐をした時に病気の症状だと気づきにくくなり、対処が遅くなってしまいます。
また、キャットフードを食べる度に猫が吐き戻した物の掃除をしなければならないので飼い主さんにとっても大変です。
猫がフードを喉に詰まらせる危険
キャットフードを噛まないでモリモリ食べてしまうと、猫がキャットフードを喉に詰まらせてしまう危険があります。猫が喉にフードを詰まらせてしまった場合、一刻も早く対処しないと猫の命に関わることもありとても危険です。
猫のキャットフード丸呑みを防止する方法
量を減らして食事回数を増やす
まず対策として挙げられるのは、沢山の量を一気に与えるのではなく少量をこまめに与える給餌方法に切り替えること。
猫が早食い・丸呑みしているのは、一種の焦りで「エサを横取りされないか」という本能からの危機感が働いているからとも考えられています。そのため少量ですぐ食べきれる量であれば、そこまで急がずゆっくり食べられるということです。
実際、一度に大量のキャットフードを与えなくなったことで、少量をゆっくり味わって食べるようになった猫もいるそうなので、対処としては有効だと思います。
いつでも食べられる自由摂取法にする
食事回数を増やすことが難しい場合、1日分のフードを置いた状態にして自由に猫のペースで摂取させる自由給餌もおすすめです。
始めは沢山食べてしまうでしょうが、しばらくするといつでもごはんが食べられる安心感で、ゆっくり食べられるようになるかと思います。
粒の大きいフードを与える
また猫が飲み込めないサイズのキャットフードにして「噛む必要がある」ようにする防止方法もあります。飲み込めないサイズであれば猫も噛まざるを得ないので、最も簡単な方法かもしれません。
キャットフードを噛むことで歯のケアもでき顎の強化もできるので、対処方法としておすすめです。ただ粒の大きいキャットフードに切り替えた直後は、丸呑みグセが抜けていないので喉を詰まらせやすいです。注意して与えましょう。
あえて食べにくい給餌器で与える
最後に食べにくい給餌器を用意する方法。猫はそこに大量のキャットフードがあるから一気にガツガツ食べてしまうので、ガツガツ食べられない状況を作ってあげることで丸呑みや早食いを防止することができます。
早食い防止の給餌アイテム1
GEXなどから販売されているフードツリーは、猫が手を入れてキャットフードをとらないとキャットフードが食べられない仕組みになっており、どう頑張っても一気には食べられないようになっています。手を入れて取れたとしても、1~2粒しか取れないので「一気食いができない」給餌器です。
早食い防止の給餌アイテム2
また、一カ所に穴が開いたボールの中にドライフードを入れて与える方法なども出てきました。これはボールを転がさないとフードが出てこないので、早食い防止になります。
その他にもご飯皿が迷路のように溝が切られていて、その迷路の溝にご飯を入れて与える方法もあります。この場合迷路の溝を追って顔や体を動かさないと必要以上食べられないことから、早食い防止になっています。
猫がキャットフードを噛まない理由と対処法まとめ

