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MCS(マッスルコンディションスコア)ってなんですか?
猫の体型や肥満度を知ることができるBCS(ボディコンディションスコア)はよく聞かれますが…。
マッスルコンディションスコアとは、名前の通り「筋肉(マッスル)」の量を見るためのスコアです。悪液質の早期発見のためにも、覚えておくといいと思いますよ!
ではMCS(マッスルコンディションスコア)の目的や、見る場所・触る場所を解説していこうと思います!
MCS(マッスルコンディションスコア)とは
MCSは筋肉量を評価する指標です
マッスルコンディションスコア(MCS:Muscle Condition Score)とは、世界小動物獣医師会(WSAVA)が発表している動物の筋肉量を確認するための指標です。
筋肉量の減少量を軽度~重度の筋肉量低下を評価します。視診と触診で評価するため、飼い主さんも自宅で簡単に実践することができます。
悪液質の早期発見に役立ちます
MCS(マッスルコンディションスコア)は、悪液質という筋肉量の低下や体重減少による衰弱状態の早期発見に役立ちます。
悪液質は重度になると衰弱や餓死を招き、回復が非常に難しくなります。病気への抵抗力も低くなるため、体重や筋肉量の増加へ向けて早期の対策が重要です。
BCSとMCSの違い
筋肉量を見るマッスルコンディションスコアに対して、ボディコンティションスコア(BCS:Body Condition Score)は、動物の体型や肥満度を評価する指標です。
肥満度や体型を確認するために利用できるため、MCSと合わせて見方を覚えておくとよいでしょう。
MCS(マッスルコンディションスコア)の見方
筋肉量の低下の評価
MCS(マッスルコンディションスコア)では、上の画像の赤い矢印が示す猫の頭蓋骨・肩甲骨・脊椎骨・腸骨翼・大腿骨の5カ所で判断します。筋肉量の低下の度合いとしては、以前は右下の重度の状態が悪液質と言われていましたが、現在は軽度から悪液質と診断されるようになってきました。
MCS(マッスルコンディションスコア)を使ったチェック方法
脊椎骨が分かりやすい
一般的に5カ所の中で筋肉量が最も早く減少しやすいのは脊椎骨の軸上筋と言われています。そのため軽度の筋肉量低下のチェックは脊椎骨から見ていくのがおすすめです。
脊椎骨は人でいう背骨のことで、上の画像の赤丸が付いた場所です。この部分を軽く圧迫して確認しましょう。
見て触って軽く圧迫する
基本的に皮膚や毛によって覆われているため、筋肉量低下が重度でなければ、飼い主さんが見ただけでは分からないことが多いです。
そのためMCSでは触診が大切です。触診もただフワフワ撫でて触るだけではなく、上の画像のように皮膚を少し圧迫して筋肉の状態を見ます(痛みのない程度で)。
マッスルコンディションスコアまとめ
今回はWSAVAが発表しているMCS(マッスルコンディションスコア)についてお話してきました。復習もしておきましょう。
- MCSとは筋肉量を評価する指標
- 5カ所の骨を見て触って判断する
- 猫の悪液質、衰弱の早期発見に役立つ