目次
改正動物愛護管理法の概要(本検討会関係部分抜粋)
でも猫をすでに飼っている身としては、家にいる猫ちゃんたちもマイクロチップの義務の対象なのかが一番気になるところです。
義務の対象になるのは、これから犬や猫を購入される方、そしてペットショップなどの販売業者です。
すでに飼われている方に対しては「努力義務」なので、装着しなくても罰則はありません。
ただマイクロチップは、犬や猫にとっても飼い主さんにとってもメリットが大きく、将来的に捨てられたり殺処分される猫や犬を減らすことにもつながるんですよ。
ペット用マイクロチップとは身元を示す身分証
猫に装着されるペット用マイクロチップは太さ2mm×長さ12mmの生体適合ガラスで覆われたカプセル状(円筒形)の電子部品です。
マイクロチップにはその猫だけが持つ番号と飼い主の情報が記録されていて、特殊なマイクロチップの専用読み取り器で番号を読み込むことで、それぞれの猫に与えられる個別の番号や飼い主の登録情報を確認することができます。
一度埋め込んだマイクロチップは、寿命が尽きるまで体の外に抜き出したり交換したりは必要ありません。マイクロチップには電子機器ですが外側は生体に適合するガラスで覆われており、30年は問題なく使用可能なので、一度埋め込んでしまえば猫が何度も嫌な思いをすることはありません。
マイクロチップは首~背中に装着
猫の首・背中の後ろ側
マイクロチップを埋め込む場所は、猫の背面・首・背中あたりになります。
皮膚の下に埋め込むので、体の深くまで入れ込むわけではありません。また皮下ですが、日常生活を送っていて出てきたりすることはありません。
マイクロチップは猫が生後4週から120日まで
猫のマイクロチップの装着が可能になるのは、生後4週目からになります。
ただ4週を過ぎたらすぐにマイクロチップを装着した方がいいというわけではなく、猫によっても個体差があるので何歳で装着するかは獣医さんと相談して時期を決めましょう。
マイクロチップはインジェクターで注入
マイクロチップを猫や犬に装着する際は、「インジェクター」という注入器を使って注入します。
メスや手術などではないため、猫にとって精神的にも身体的にも負担のかかりにくい方法でマイクロチップを入れることができます。
マイクロチップの費用は5,000円~1万円程度
マイクロチップの費用はだいたい1万円弱です。安くても5,000円以上はかかると考えておきましょう。マイクロチップ装着の際に、指定機関への情報登録も義務付けてられていて登録料も1,000円前後かかります。
マイクロチップは必ず動物病院で装着
マイクロチップは注入器で装着できますが、体内への埋め込みになるため動物病院で獣医さんに行ってもらう必要があります。
自宅で購入して気軽にできるものではありませんので注意してください。
マイクロチップの痛み
マイクロチップは過度な痛みは与えないと言われています。実際の痛みは猫にしかわかりませんが、首や背中の後ろなど皮膚が厚く痛みの少ない場所に装着されるので、痛みは強くないと言われています。
マイクロチップは麻酔なしでする
マイクロチップの装着は、基本的に麻酔なしで行います。
場合によっては局所麻酔を行うこともありますが、マイクロチップの埋め込みは注入器を使って一瞬で行われます。麻酔自体も猫の体に負担になることもあることから、基本的にマイクロチップの装着では麻酔は使用しないようです。
マイクロチップによる副作用
マイクロチップ装着による猫への副作用や症状はほとんどないと考えて大丈夫だと思います。
マイクロチップは生体適合のガラスに包まれており、犬や猫以外の様々な動物にもすでに装着されてきています。
また犬や猫などのペット以外の動物にもマイクロチップの装着はすでに行われており、副作用などの症例もほとんどありません。
猫にマイクロチップが必要な理由とメリット
脱走した愛猫の殺処分を防げる
マイクロチップが確認できれば、猫に飼い主がいることを猫の保護側が知ることができるため、愛猫が殺処分される危険を防ぐことができます。
そしてマイクロチップの番号から飼い主の情報がわかれば、すぐに自宅に連れて帰ることができます。
猫が脱走して保健所に連れて行かれた時に首輪が外れていた場合、愛猫が殺処分になってしまう可能性があります。また野良猫と勘違いされてしまうと、保護した人によっては、新しい飼い主を探されてしまったり、自分で飼ってしまったりすることもあります。
自分の猫だという証明
マイクロチップは猫にしか与えられていない番号と飼い主情報を確かめられるので猫が自分の家の猫であるという証拠になります。
マイクロチップを埋め込んでいるという事実があるだけでも自分の家へスムーズに戻ってきやすくなります。
もし自分の家の猫が脱走して保護された時、また犯罪に巻き込まれて連れ去られた時、他にも飼い主と名乗る人が現れた時など、猫が自分の家の猫であるという証明できない時に、マイクロチップは非常に役立ちます。
取り外されることがない
またマイクロチップはGPSや首輪のように取り外されたり無くしてしまうことがないこともメリットとして大きいです。
GPSは首輪につけるものも多いため、首輪を取ってしまえば自分の猫の証明にはなりませんし、その後の行方もわかりません。
安易に捨てることの防止
犬や猫にマイクロチップが埋め込まれることで、安易に飼い主がペットを捨てることを防止できます。
捨て犬・捨て猫のマイクロチップを調べることで誰が捨てたのか特定することができるため、安易に犬や猫を捨てる人を減らすことができると期待できます。
マイクロチップを埋め込む前の注意点
GPSの機能はない
注意点として、マイクロチップを埋めこんだからといって、猫の位置が分かるわけではありません。
マイクロチップはあくまで専用スキャナーで読み込んでもらい、身元が特定されることで、飼い主の連絡先や住所がわかるだけです。
心配ならGPS × マイクロチップ
そのため心配であればマイクロチップと合わせてGPSも首輪に付けておくといいでしょう。
いざ脱走してしまった時にどこら辺にいるのか、どこに連れて行かれてしまったのか知ることができます。
猫のマイクロチップまとめ
猫と犬のマイクロチップの装着についてご紹介してきました。
マイクロチップは体内に埋め込む方法なので心配される方も多いですが、動物病院などの機関できちんと行えば安全に体内に入れることができます。
体に問題が出るケースは非常に少なく、一生の身分証明書になると考えれば、むしろ猫の安全を守るために大切なこととして認識されていくのではないかと思います。