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キャットフードの原材料:ビフィズス菌(Bifidobacterium)
乳酸と酢酸(短鎖脂肪酸)を生成
ビフィズス菌とは人や動物の腸内に生息する善玉菌の一種です。
人や動物の腸内に生息する最近は善玉菌、悪玉菌、日和見菌に分けられ、理想的なバランスは2:1:7とされています。
ビフィズス菌は主に大腸に生息し、発酵により主に乳酸と酢酸(短鎖脂肪酸)を生成することで腸内環境を整え、とくに消化器官の健康維持や免疫力の向上に重要な役割を持っています。
食品ではヨーグルトやチーズ、発酵食品などの乳製品に多く含まており、テレビやCMなどでもよく目や耳にする身近な菌の一つではないでしょうか。
老化やストレスによって減少
腸内細菌は老化やストレス、病気、食事内容、薬の投与などによってバランスが崩れます。
慢性下痢になるとビフィズス菌の消失や乳酸桿菌の減少、悪玉菌のウェルシュ菌の増加がみられ、老化によるビフィズス菌の減少、ウェルシュ菌が増加することが分かっています。
キャットフードに配合されるビフィズス菌
腸内環境の改善に効果あり
腸内環境の改善や免疫力向上、消化のサポート、便臭の改善などを目的としたキャットフードやサプリ、おやつなどに配合されることが多く、健康維持として活用されています。
ビフィズス菌は熱や胃酸に弱いという特性上、食品として摂取する際には生きたまま腸まで届きにくいため、近年ではビフィズス菌を耐酸性カプセルで包んだサプリメントや、生きたまま腸まで届ける技術が用いられた製品も開発されています。
プロバイオティクス類
キャットフードやメーカーによっては、ビフィズス菌や菌類をまとめて「プロバイオティクス」と表記していることもあります。
プロバイオティクスとはビフィズス菌や乳酸菌、カゼイ菌など健康に良い影響を与える微生物(善玉菌)の総称をいいます。
キャットフードにビフィズス菌を配合するメリット
酢酸(短鎖脂肪酸)の働き
ビフィズス菌は乳酸と酢酸(短鎖脂肪酸)を生成します。短鎖脂肪酸は健康に良いさまざまな働きを持つため、大腸でビフィズス菌を増やすことが重要となります。
- 悪玉菌の増殖を抑制する
- 腸管バリア機能を高め、病原菌の侵入を防ぐ
- 大腸の働きを活発にして、便通を改善する
- 血糖値を正常にコントロールする
- 脂肪の蓄積を抑制する
腸内環境の改善
ビフィズス菌は悪玉菌の増殖を抑制し、腸内のバランスを保つ働きがあります。これにより便秘や下痢などの消化器系のトラブルを改善し、大腸がんや腸の病気の予防につながります。
免疫力の向上
腸内環境が整うと免疫細胞の働きが活性化され、体内に侵入した細菌やウイルスへの抵抗力が上がり、体全体の免疫力が向上します。腸内環境が良い状態を保つことは猫の健康に大きく影響します。
とくに免疫力が低下している猫や高齢猫におすすめです。
便臭の軽減
老化して便臭などが悪化しているなら、プロバイオティクスを与え、更に、プロバイオティクスであるオリゴ糖などが含まれているフードに変更すると便臭が改善する。下痢と便秘は相反する病態であるが、ビフィズス菌を犬に投与することによって正常便になり、便臭も改善される。
ビフィズス菌を摂取することで腸内で発生する悪臭成分が抑えられ、便臭の軽減が期待できます。
上記の研究は犬に関するものですが、猫にも同様の効果が出ると考えられます。日本で飼われている猫はほとんどが室内飼いなので、とくに飼い主さんが喜ばしい効果といえるでしょう。
ビフィズス菌が配合されているキャットフード
- ファインペッツ
- ナチュラリーフレッシュ/チキン&ダック
- プロステージ/ル・シャット消化器の健康に配慮
- ビューティープロ/Wケア腸内・自然免疫ケア
まとめ
- ビフィズス菌は乳酸と酢酸(短鎖脂肪酸)を生成する
- ビフィズス菌は老化やストレスで減少する
- ビフィズス菌の摂取は腸内環境の改善や免疫力の向上に効果がある
- ビフィズス菌は便臭の改善にも効果がある