猫にヨーグルトを与えるメリットと注意点、おすすめを紹介。食品添加物プロピレングリコールの毒性についても

猫にヨーグルトを与えるメリットと注意点、おすすめを紹介。食品添加物プロピレングリコールの毒性についても

猫にヨーグルトを与えて良いのか

猫に与えてOK

猫にヨーグルトを与えても特に問題ありません。

猫の食べてはいけない食べ物リストにもヨーグルトは含まれていないので安心してください。

乳糖でお腹を壊さない?

よく牛乳などで言われることですが、乳糖は猫が分解できないのでお腹を壊してしまうという話。

ヨーグルトは同じ乳製品ですが、発酵されることによって乳糖が分解されるので乳糖不耐症やそれに伴う下痢を引き起こしにくい食材と言われています。

猫にヨーグルトを与えるメリット

腸内環境を整える

ヨーグルトには乳酸菌が多く含まれており、この乳酸菌は腸内で善玉菌として働き、腸内の環境を良い状態に整えてくれます。

免疫力を回復

腸は食べ物の消化を行うだけではなく、体の免疫力に大きく関わる免疫器官です。

ヨーグルトで腸内の環境を整え、免疫機能を正常な状態に保つことが期待できます。

便秘を解消する

腸内環境で悪玉菌が多くなると、便秘になりやすくなります。

ヨーグルトで善玉菌を増やすことで便秘が改善されることがあります。

便の状態の改善

また便秘を改善するだけでなく、普段から固いうんちや柔らかいうんちと、便が安定していない猫には善玉菌を増やしてあげることで、便が安定して状態が改善することがあります。

猫にヨーグルトを大量に与えてはいけない

肥満気味になりやすい

猫にヨーグルトを与えすぎると肥満になってしまうことも。人間用のヨーグルトの多くは砂糖が多く入れて甘くしているので、猫がヨーグルトを沢山食べると糖質で肥満になってしまうことがあります。

そのため与えるヨーグルトには注意しましょう。

尿路結石の原因に

またヨーグルトにはミネラルが豊富に含まれているので、あまり与えすぎるとせっかく総合栄養食などで日頃の栄養バランスをとっていても、体内のミネラルバランスが崩れて尿路結石などを引き起こしてしまう可能性があります。

乳酸の過剰摂取に注意!プロピレングリコールの毒性について

ヨーグルトに豊富に含まれる甘味や乳酸菌の過剰摂取は、プロピレングリコール中毒や乳酸中毒を引き起こす恐れがあります。

プロピレングリコール中毒

プロピレングリコールとは食品添加物のことで、作用によって利用される商品が異なり、防カビ剤として生麺類やおにぎりなど、甘味剤や軟化剤としてチューンガムなど、保湿剤として餃子やシュウマイの皮など、湿潤作用や保潤作用としてシャンプーや歯磨き粉、ウェットティッシュなど、甘味剤や軟化剤としてチューインガムなどに使用されています。

プロピレングリコールは毒性が非常に低いため、低用量の摂取であれば人の体には無害とされています。しかし猫が摂取すると「乳酸アシドーシス」や「溶血性貧血」などのプロピレングリコール中毒を引き起こす恐れがあります。

プロピレングリコール キャットフード

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2020年4月13日

乳酸中毒

プロピレングリコールは肝臓内で「プロピレングリコール→乳酸→ピルビン酸→…」と代謝されていきます。この代謝過程で、乳酸からピルビン酸への代謝が遅いと血中に乳酸が蓄積し、血液が酸性化する可能性があります。そのため、乳酸菌が豊富に含まれるヨーグルトの摂取は慎重にする必要があります。

参考:ユニ・チャーム株式会社「健常成猫における短時間水溶リンの腎臓への影響」

プロピレングリコールの危険性が確認されたため、現在ではペットフード安全法によりキャットフードへの使用が禁止されているため、キャットフードによるプロピレングリコール中毒や乳酸中毒の心配はありません。

しかし人の食べ物を盗み食いしたり、人のシャンプーや化粧品を舐めたり、人に日用品をイタズラして噛んだりすることで、プロピレングリコールを摂取してしまう恐れがあります。少量であってもプロピレングリコール中毒になる可能性があるので、十分に注意しましょう。

猫に与えても大丈夫なヨーグルト

猫用ヨーグルト

ペット用・猫用として販売されているヨーグルトがあります。そちらは猫用として販売されているので、人間用のヨーグルトの中から選ぶよりも確実です。

低脂肪で無糖のヨーグルト

猫が糖質や脂肪分を取り過ぎないよう与えるヨーグルトは低脂肪で無糖のヨーグルトを与えましょう。

ギリシャヨーグルト

パルテノなどのギリシャヨーグルトは、猫におすすめのヨーグルトとしてよく紹介されています。

ギリシャヨーグルトとは、通常の液体に近いドロドロのヨーグルトの水分を抜いていき、すくった時にもしっかりと形が残る濃厚なヨーグルトです。

手作りヨーグルト

また脂肪分や糖質の少ないヨーグルトを飼い主さんが手作りして与えている方もいます。

無糖のプレーンヨーグルトを数時間水切りすることでギリシャヨーグルトになるので、猫のためにつくってあげてみてはいかがでしょうか。

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猫がヨーグルトで吐いたり下痢をしたら

異常が出たらやめる

乳糖にとても弱い猫や、アレルギーが多い猫はヨーグルトを食べて吐いてしまったり下痢をしてしまうこともあります。

上記のようにヨーグルトを食べたことで猫に異変が見られる場合は、与えるのをやめ、様子を見るまたは獣医さんに相談しましょう

ヨーグルトを無理に与える必要はない

猫がヨーグルトを嫌っていたり、好んで食べない場合は無理に食べさせる必要はありません。

そもそも野生の猫や野良猫は死ぬまでヨーグルトを口にすることはないので、飼育されている猫にも必ずヨーグルトが必要というわけではありません。

猫に乳酸菌(善玉菌)を摂取させたいなら、乳酸菌入りのキャットフードやサプリメント、乳酸菌を含んでいる他の食材を利用することもできます。

猫のヨーグルトまとめ

以上、猫にヨーグルトを与えるメリットやデメリット、おすすめのヨーグルトなどをご紹介してきました。

ヨーグルト好きな猫は意外に多いようですので、人間のヨーグルトを食べたがるようなら、猫用にヨーグルトを買ったりつくったりしてみたら、猫の食の楽しみも広がるかもしれませんね。

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一般社団法人ペットフード協会ペットフード販売士、キャットフード勉強会ディレクターとして、キャットフードに関する情報を提供しています。また、日本化粧品検定協会のコスメコンシェルジュ資格を有し、ペットフードだけでなく化粧品にも精通しています。販売時に必要な知識となる薬機法などについてもご紹介ができます。日本化粧品検定協会会員。