キャットフードの原材料:マンゴー(mango)
マンゴーとはウルシ科マンゴー属の常緑高木で、熱帯から亜熱帯地域に広く分布しています。原産地はインドやミャンマーとされ、古くから果実や薬用として親しまれてきました。
日本では沖縄や鹿児島などで栽培されています。
マンゴーが原材料のキャットフード例
ドライフードではあまり使用されない
マンゴーはさまざまなウェットフードやおやつの原材料に使用されています。ただし、猫は肉食動物であるため、マンゴーはあくまで補助的な目的で少量使用されます。
マンゴーは水分量の少ない加工に不向きであることから、キャットフードの中でもとくにドライフードではあまり使用されていません。マンゴーには抗酸化作用や免疫サポート、皮膚・被毛の健康維持など多くの健康効果があるため、今後ドライフードの原材料にも活用されるといいですね。
マンゴーが原材料のキャットフード例
原材料欄にはマンゴーの他に、乾燥マンゴーなどと表記されます。
- シシア ツナ&マンゴー
- ジーベン デリカテッセン うさぎとマンゴー
- Aatas cat フルーティーフィースト チキンwithマンゴー
など
マンゴーの栄養素と猫への健康効果
マンゴーの栄養素(100gあたり) | ||
---|---|---|
エネルギー | 68 | kcal |
水分 | 82.0 | g |
たんぱく質 | 0.6 | g |
脂質 | 0.1 | g |
炭水化物 | 16.9 | g |
ナトリウム | 1 | mg |
カリウム | 170 | mg |
カルシウム | 15 | mg |
マグネシウム | 12 | mg |
βカロテン | 610 | μg |
ナイアシン | 0.7 | mg |
パントテン酸 | 0.22 | mg |
ビタミンC | 20 | mg |
食物繊維 | 1.3 | g |
※出典:日本食品標準成分表(八訂)増補2023年
マンゴーには多くの健康効果があります。
- 抗酸化
- 抗炎症作用
- 抗がん作用
- 抗糖尿病作用
- 胃腸の保護
- 整腸作用
- 免疫サポート
- 皮膚・被毛の健康維持
- 嗜好性の向上
がん細胞の増殖を抑制
マンゴーにはポリフェノールやビタミン類が豊富に含まれています。
とくにマンゴーの葉や果肉、種子に多く含まれるポリフェノールの一種「マンギフェリン」には強い抗酸化作用があり、細胞の老化を防いだり、炎症を抑えたりする働きがあります。また、がん細胞の増殖を抑える作用についても研究が進んでいます。
これらの成分は人間だけでなく、動物の健康にも役立つ可能性があるため、猫用ウェットフードやおやつの原材料としてマンゴーが使われることもあります。
免疫力の向上
前述の抗酸化作用や抗炎症作用、抗がん作用に加え、腸の調子を整える効果により、免疫力を高めたり、菌の繁殖を抑える働きもあると報告されています。
参考:Nutritional and medicinal values of Mangifera indica L. fruit
猫にマンゴーの与え方と注意点
猫へのおすすめの与え方
マンゴーは猫が食べても大丈夫な果物です。
猫にマンゴーを与える際は、よく熟した果肉部分だけを小さくカットし、ごく少量与えましょう。冷蔵庫から出したばかりの冷たい状態よりも、常温に戻してからの方が猫の胃腸への負担が軽く済みます。
大量に与えると下痢や嘔吐を引き起こすことがあるため、最初はほんの一口程度にとどめるのが安全です。体調や便の様子に変化がないか観察しましょう。
また、市販の加工品(マンゴージュースやドライマンゴー)は砂糖や添加物が含まれている場合が多いため、猫には適していません。必ず無添加・無糖のマンゴーを与えましょう。
猫にマンゴーを与えるときの注意点
猫にマンゴーを与えるときには下記のポイントに注意しましょう。
- 果肉は基本的に安全
(少量・無添加・完熟が前提) - 種・皮は必ず取り除くこと
- 消化不良やアレルギー
マンゴーの種は大きくて硬く、誤飲・窒息のリスクがあります。
また、マンゴーの皮ウルシ科植物であるマンゴーの皮には、「ウルシオール」という成分が微量含まれています。人もアレルギー反応を起こすことがあるため、体の小さな猫に対しても刺激性がある可能性があります。
キッチンなどで盗み食いされないように注意しましょう。
まとめ
- マンゴーはドライフードではあまり使用されない
- ビタミンやβカロテンが豊富で、多くの健康効果がある
- マンゴーの皮にはウルシオールが含まれ、盗み食いに注意