キャットフードの成分:コンドロイチン(chondroitin sulfate)
コンドロイチン硫酸とは
コンドロイチン硫酸(chondroitin sulfate)は弾力性のある結合組織の主成分となるムコ多糖で、水分を保持する性質があります。
体内では皮膚や血管、靱帯、粘液など体の様々な部位に分布していますが、中でもコンドロイチン硫酸の大半は関節に存在し、軟骨成分を構成しています。
コンドロイチン硫酸はサプリメントやシニア用など関節へ配慮したキャットフードや猫用製品に、グルコサミンやヒアルロン酸などと一緒に配合されることが多く、関節への効果が期待されています。
コンドロイチンは以下のような動物の軟骨部分や植物ではネバネバヌルヌルとした食べ物に多く含まれています。
- サメのヒレ
- オクラ
- 納豆
- 里芋
- 山芋
- なめこ etc…
コンドロイチンは軟骨を構成し健康な関節を維持する
軟骨の結合組織を構成
コンドロイチンが構成する軟骨は、関節の骨と骨の間で摩擦や衝突を防ぐクッションのような役割があります。ただし、軟骨は何度も動かし消費されていくことで加齢と共に徐々にすり減っていくので、クッション部分が減ると関節の骨と骨が擦れ合うようになり、痛みが生じるようになったり、骨が変形したりします(関節痛)。
コンドロイチンは体内では「プロテオグリカン」として軟骨細胞を取り囲む細胞外マトリックスを構成します。グルコサミンやヒアルロン酸と一緒に、軟骨細胞の周りにある弾力性のある結合組織を形成し、健康な関節を維持します。
医薬品やサプリメントに利用
コンドロイチン硫酸は「コンドロイチン硫酸ナトリウム」として関節痛や腰痛、五十肩、神経痛の治療に利用されています。また、変形性関節症の予防や健康な関節維持を目的としたサプリメントのほとんどにコンドロイチンが配合されています。
コンドロイチンは関節に効果があるのか、ないのか
コンドロイチンの効果に関する研究や調査では、人に対して効果があるという報告と、効果がないという報告の両方がありますが、現状はどちらかは明言できないようです。猫や犬など動物に対しても同じで、効果ありとは断言できません。
軟骨に直接注射液などで注入されるわけではなく、サプリメントなどからコンドロイチンを摂取しても、食べ物は胃や腸で消化液によって分解されるため、軟骨成分にはならないという見解もあります。
ただコンドロイチンはサプリメントなど様々な機能性食品にも配合され利用実績も非常に多く、企業側もコンドロイチンの効果を謳いたいという背景があるため、今後の研究や調査でコンドロイチンが持つ効果が報告される可能性もあります。
まとめ
- コンドロイチンは軟骨の構成成分の一つ
- サプリメントやシニア用キャットフードに配合
- 効果の有無は研究や調査報告によって異なる