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キャットフードに「加水分解タンパク質」が原材料に含まれていることがありますよね。この加水分解タンパク質というのは、通常のタンパク質とどのような違いがあるのでしょうか。また加水分解タンパク質が配合されることによって猫にどのようなメリットがあるのでしょうか。
水で分解される「加水分解タンパク質」
加水分解タンパク質とは
加水分解タンパク質とは、水が作用し、アミノ酸の状態に分解されたタンパク質を言います。
タンパク質とはアミノ酸が結合した状態の成分を言うため、分解されるとタンパク質はアミノ酸の状態になります。
加水分解タンパク質のメリット
消化吸収されやすい
通常キャットフードとして食べられ、体内に入ったタンパク質は胃や小腸などの消化器官で消化酵素によって分解され、そして体に吸収されます。
しかし加水分解タンパク質は「体内で行うはずの分解反応をすでに終えた状態のタンパク質」なので、猫が食べた時に体に消化吸収されやすく消化器官にも負担がかかりにくいメリットがあります。
アレルゲンになりにくい
また加水分解タンパク質はアレルギー反応を起こしにくいというメリットもあります。
アレルギー反応を引き起こすアレルゲンはタンパク質であり、正確にはタンパク質の構造によってアレルギー反応が出るかが決まります。
このためすでにアミノ酸としてバラバラの状態にされている加水分解タンパク質はアレルゲンとして免疫が反応せず、皮膚炎や嘔吐、下痢のようなアレルギー症状が出にくくなります。
加水分解タンパク質を配合したキャットフードの傾向
療法食に配合されることが多い
キャットフードで加水分解タンパク質が配合されているキャットフードを見ると、食物アレルギーや消化器サポートなど療法食として販売されているキャットフードが多い印象です。
また療法食とまではいかなくとも、消化器官に配慮・アレルギー対応・単一タンパク質・胃腸ケアといったような目的をかかげているキャットフードも、同様に加水分解タンパク質が利用されていることが多いと感じます。
加水分解でアレルゲンのリスクが0になるわけではない
アレルギーのリスク「0」ではない
加水分解によってアレルゲンとなるタンパク質の多くは分解されアレルギー反応は出にくくなりますが、完全にアレルギーのリスクが0になると言い切れるわけではありません。
すべてのタンパク質がアミノ酸に分解され尽くすとは限らず、一部タンパク質の形を残してしまう可能性もあります。そのため加水分解しているタンパク質なら100%アレルゲンのリスクがなくなるとは言い切れません。
化学反応させた物質
自然由来の原材料や成分が重宝される中、加水分解タンパク質は人工的にタンパク質をばらし反応させた物質です。この反応のために使用される溶媒や薬品などを心配される人もいます。
加水分解タンパク質を配合したキャットフード例
ロイヤルカナン 消化器サポート
鶏肉や七面鳥をメインに使用した消化器サポートのキャットフード。超高消化性の小麦タンパクや加水分解動物性タンパクを使用して、猫の消化器に負担がかからないよう工夫しています。
ベッツソリューション 皮膚疾患サポート
グレインフリーかつ加水分解サーモンタンパクを使用したベッツソリューション皮膚疾患サポート。アレルゲンになりやすい魚原料を加水分解で分解し、アレルギー反応が出にくいよう処理しています。
フォルツァ10 キャットフード
フォルツァ10にはよく加水分解タンパク質が使用されています。フォルツァ10は様々なシリーズがあり、療法食シリーズも有名です。