猫はスイカを食べても大丈夫!ビタミンやミネラルが豊富。冷え性やむくみ解消にも

キャットフードのスイカ。ビタミンやミネラルが豊富!冷え性やむくみ解消にも

スイカ(watermelon)

スイカはウリ科スイカ属で、すっきりとした甘みとみずみずしさで夏の代表的な果物です。スイカはほとんどが水分であるため、「あまり栄養がない」というイメージを持つ方も多いのではないでしょうか?

実は、スイカはビタミンやミネラルなどの栄養が豊富で、抗酸化作用を持つリコピン、冷え性やむくみを解消するシトルリンが豊富に含まれています。

スイカを原材料としたキャットフードはほとんどみられませんが、着色料としてスイカ色素を使用しているものがあります。

猫田
猫はスイカを食べても大丈夫です!栄養豊富で夏バテに効果的なので、ぜひ食べさせたい果物です。

この記事では、スイカの栄養やおすすめの与え方、注意点についてご紹介します。

抗酸化作用の「リコピン」

「リコピン」と聞くとトマトをイメージする方も多いのではないでしょうか。

実は、スイカはトマトの1.5倍もの多くリコピンが含まれています。

リコピンとはカロテノイドという天然色素の一種です。スイカの赤い色の正体はリコピンで、赤ければ赤いほど多く含まれています。リコピンは強い抗酸化作用を持ち、体内の活性酵素の除去、生活習慣病の予防、細胞の老化防止などに期待できます。トマトは酸味が強いので、リコピンを摂取するにはスイカがおすすめです。

冷え性やむくみを解消する「シトルリン」

シトルリンとはアミノ酸の一種です。スイカの果汁から発見されたことから、スイカの学名「シトルラス」にちなんで名付けられました。主にきゅうりやメロンなどのウリ科の植物に含まれていますが、スイカのシトルリン含有量はトップクラスで、赤い果肉と皮の白い部分の間に多く含まれています。

シトルリンは体内で一酸化窒素を生成する働きを持ちます。一酸化窒素は血管拡張の作用があり、固くなった血管をしなやかにして拡張したり、血流を改善する効果があります。

 

そのため栄養素が体内を循環しやすくなり、老廃物をスムーズに排出することが期待できます。また血行不良によって引き起こされた冷え性やむくみの改善、動脈硬化の予防が期待できます。

とくにシニア期に入ると血管の働きや血流が悪くなるので、シトルリンの摂取は血管や血流、心臓の健康維持に効果的です。

スイカの栄養素とメリット

スイカ(赤肉種)100gあたりの栄養素
エネルギー41kcal
水分89.6g
炭水化物9.5g
糖質9.2g
カリウム120mg
β-カロテン830μg
シトルリン180mg

※出典:日本食品標準成分表(八訂)増補2023年

水分補給になる

スイカは約90%が水分なので、水分補給としても活用できます。

室内飼いの猫はほとんど外に出ることがないため汗をかかないイメージがありますが、実は肉球から汗をかいています。普段ウェットフードよりもドライフードを食べている猫は水分の摂取量が少なく、家の中にいても、気づかないうちに脱水症状になることもあります。とくに猫の祖先はもともと砂漠で暮らしていたことから、水を飲まなくても大丈夫な体の性質により水を飲む習慣があまりありません。

きちんと水分摂取量を管理し、食べ物から水分を補給することが大切になります。

カリウム

カリウムは筋肉や細胞、神経を正常に保つ働きを持ちます。また体内の水分や塩分濃度の調整をし、塩分濃度が高くなると細胞内の過剰なナトリウムを尿と一緒に排出する働きにより高血圧を予防することができます。

β-カロテン

スイカに含まれるβ-カロテンには抗酸化作用があります。生活環境やストレス、加齢などによって蓄積されていく活性酵素を除去し、細胞の生成や修復を行います。そのため、がん予防や老化予防に期待できます。また皮膚や被毛、粘膜の健康維持にも効果的です。

スイカのおすすめの与え方

赤いスイカがおすすめ

黄色いスイカ(黄肉種)は赤いスイカ(赤肉種)と比べて甘みが強いです。人が食べるのであれば甘い方を購入したくなりますが、肉食動物である猫は食べ物の味を判断する舌の味蕾細胞が非常に少なく、とくに甘味に関しては感じづらいといわれています。

また、黄色いスイカにはβ-カロテンやリコピンがほとんど含まれていません。

そのため、猫にスイカを与えるには赤いスイカの方がおすすめです。食べやすいように小さくカットしたり、ジューサーなどでジュース状にしましょう。与える頻度は週1回程度にし、キャットフードにトッピングやたまのご褒美として与えましょう。

果肉と皮の間の白い部分がおすすめ

猫に与えるのは、スイカの果肉と皮の間にある白い部分がおすすめです。

この白い部分にはシトルリンが多く含まれているため、効率よく摂取することができます。また糖質も果肉に比べて少ないため、肥満や糖尿病を防ぐことができます。

スイカを与えるときの注意点

スイカの皮や種は与えない

スイカの皮や種は非常に硬いため、消化することができません。喉を詰まらせたり胃腸に大きな負担となるので、猫に与えるときは必ず取り除くようにしましょう。

水分が多いので下痢や嘔吐になりやすい

スイカは水分量が多いので、摂取しすぎると下痢や嘔吐などの体調不良になる恐れがあります。スイカのシャリシャリとした食感を好む猫は多いのでおねだりされるかもしれませんが、与えすぎには注意しましょう。

また、冷蔵庫から出したばかりの冷たいスイカは胃腸に大きな負担となり、体が冷えてしまいます。常温程度に戻してから猫に与えることがおすすめです。

まとめ

  • 抗酸化作用のリコピンは、トマトよりも1.5倍もの多く含まれている
  • 冷え性やむくみ解消のシトルリンが豊富に含まれている
  • 猫に与えるには果肉と皮の間の白い部分がおすすめ

ABOUTこの記事をかいた人

古川菜々

愛玩動物飼養管理士2級、ペットセラピスト、ペット看護士、愛犬飼育スペシャリスト、キャットフード勉強会ディレクターとして、キャットフードに関する情報を提供しています。帝京科学大学アニマルサイエンス学科卒業。文章を通して猫ちゃんの魅力を発信し、また多くの飼い主さんの悩みや不安を解決することで、飼い主さんと猫ちゃんの幸せのお手伝いになれれば嬉しいです。