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オシキャット(ocicat)の誕生・起源
オシキャットは1964年、アメリカ・ミシガン州のブリーダーであるヴァージニア・デリー氏によって誕生しました。
当初はアビシニアンとシャムを交配し、新たなシャムタイプの猫を作出する試みの中で、偶然にも野生のヤマネコを思わせる斑点模様を持つ子猫が生まれました。この子猫の見た目が「オセロット(Ocelot)」に似ていたことから「オシキャット(Ocicat)」と名付けられました。
その後、模様の安定化と骨格の強化を目的にアメリカンショートヘアを交配に加え、より均整の取れた体型と明確なスポットパターンが確立されました。
こうして誕生したオシキャットは、見た目のワイルドさと家庭猫としての親しみやすさを併せ持つ唯一無二の猫種として、各国の猫種登録団体に公認されるようになりました。
日本での人気は?
オシキャットは日本ではまだ珍しい猫種で、一般的な知名度は高くありませんが、ワイルドな斑点模様と人懐っこい性格が徐々に注目を集めています。
希少性が高いためアニコムの人気の品種ランキング(2024年)ではまだランクインしていませんが、今後の普及が期待される猫種です。
オシキャットの性格

オシキャットの性格は、見た目の野性味とは対照的に非常に社交的で親しみやすいのが特徴です。人との関係を大切にし、犬のような一面を持つ猫としても知られています。
人懐っこく社交的
→家族だけでなく来客にもフレンドリーに接します。
知能が高い
→名前を覚える、ドアを開けるなどの行動も見られ、しつけがしやすい傾向があります。
遊び好きで活発
→おもちゃや運動を好み、退屈するといたずらをすることも。
寂しがり屋
→ひとりの時間が長すぎるとストレスを感じやすいタイプです。
感情表現が豊か
→飼い主の後をついて回ったり、甘えるように鳴く姿も見られます。
オシキャットの毛色・模様

オシキャットの毛色は豊富で、CFAは公認カラーとして12色が認められています。代表的なのはトウニー(茶系)、シナモン、ブルー、フォーン、ラベンダー、シルバー系などで、とくに人気なのは「トウニースポテッド」と呼ばれる茶色地に黒っぽい斑点のタイプです。全体的に光沢のある短毛で、毛並みは滑らかかつ密度が高く、触り心地も上質です。
オシキャットの最大の特徴は、体全体に広がる「スポッテッド・タビー(斑点縞模様)」です。この模様はヒョウのような丸い斑点が整然と並び、野性味を感じさせます。模様はランダムでありながらバランスよく配置されており、個体ごとに表情が異なるのも魅力です。中でも、明るい地色にくっきりとした斑点が映えるタイプがショーキャットとしても人気があります。
オシキャットの顔・体型

顔
オシキャットの顔立ちはややくさび型で、頬骨が高く、アーモンド型の大きな目が特徴です。目の色はゴールドやヘーゼルが多く、明るく表情豊かな印象を与えます。鼻筋はまっすぐで、全体的に精悍で知的な雰囲気を持っています。耳は中くらいの大きさで先端がやや尖り、外側に開くように配置されているため、野生的な印象を強調します。
体型
オシキャットはしなやかさと筋肉質なバランスが取れた中〜大型の体格で、セミフォーリンタイプに分類されます。
四肢は長すぎず短すぎず、骨格はしっかりしていますが、重すぎる印象はありません。尾は長く、先端に向かって細くなっており、身体全体の流線的な美しさを際立たせています。引き締まった胴体と広い胸部、発達した筋肉により、躍動感あふれる動きが特徴で、活発な性格にもよく合った体型です。
オシキャットの飼い方・飼いやすさ

安全でストレスがない生活を送るために、オシキャットの飼い方を把握しましょう。
生活環境
オシキャットは活動的で好奇心旺盛な猫のため、上下運動ができるキャットタワーや高低差のあるスペースが理想的です。
また、人との関わりを好むため、飼い主がそばにいられる場所に安心できる寝床を用意してあげるとよいでしょう。静かで落ち着いた空間を好みつつも、外の景色を眺める窓辺なども喜びます。
ブラッシング
短毛で密度の高い被毛を持つオシキャットは、被毛の絡まりや毛玉はできにくいですが、抜け毛は一定量あります。
週に1〜2回のブラッシングで毛艶を保ち、換毛期には回数を増やすのがおすすめです。ラバーブラシやグローブタイプのブラシを使うと皮膚にも優しく、マッサージ効果も期待できます。
食事管理
オシキャットの筋肉質で活発な体を維持するためには、高タンパクで栄養バランスの良いキャットフードが適しています。運動量が多いため太りにくい体質ですが、過剰な間食やストレスによる過食には注意が必要です。
遊び
オシキャットは知的好奇心が強く、運動欲求も高い猫です。猫じゃらしや知育トイ、ボールなどの動きのあるおもちゃを使って毎日しっかり遊ばせることが大切です。
また、飼い主と一緒に遊ぶ時間をとても楽しみにしているため、コミュニケーションを兼ねた遊びが信頼関係を深める鍵となります。単調な環境では飽きやすいため、定期的におもちゃや遊び方に変化を加える工夫も効果的です。
初心者でも飼いやすい?
オシキャットは比較的飼いやすい猫種で、初心者にもおすすめできます。人懐っこく、しつけもしやすい性格で、トイレの覚えも早く、被毛の手入れも簡単です。十分な運動と良い刺激を与えてあげましょう。
ただし、活発で運動量が多い猫種なので、静かな猫を求める人にはやや不向きかもしれません。
オシキャットのかかりやすい病気

猫種に限らず、猫は猫下部尿路疾患や肥大型心筋症、歯周病にかかりやすい傾向にあります。ここでは、これらの病気以外でオシキャットがかかりやすい病気をご紹介します。
ピルビン酸キナーゼ欠損症(PK欠損症)
ピルビン酸キナーゼ欠損症(PK欠損症)とは、赤血球の代謝異常により貧血や元気消失を引き起こす遺伝性疾患で、アビシニアンやシャムの血を引くオシキャットも発症リスクを持ちます。
進行性網膜萎縮(PRA)
進行性網膜萎縮(PRA)とは、網膜の視細胞が徐々に変性し、視力が低下していく遺伝性の目の病気です。初期には夜盲症のように暗い場所で見えにくくなり、進行すると昼間でも視力が失われ、最終的には失明に至ることもあります。
オシキャットはシャムやアビシニアンの血統を持つため、進行性網膜萎縮のリスクがあるとされています。
5つの質問でわかるオシキャットとの相性診断

実際に猫と暮らしてみると、お世話の大変さや工夫が必要になることに直面します。可愛い・憧れだけでお迎えすると、あとから「思っていたのと違った…」と感じてしまうことも少なくありません。
そのため、猫をお迎えする前に飼いやすさや生活スタイルとの相性を見極め、「自分とその猫種が合っているのか」を確かめることが、猫との幸せな生活を送るためにとても重要となります。
ここでは、あなたとオシキャットとの相性がわかる「5つの質問」をご用意しました。ぜひ試してみましょう!
※この診断は、猫を初めて飼う方にも分かりやすく、オシキャットの一般的な性格傾向をもとに作成しています。ただし、実際には猫にもそれぞれ個性があるため、何よりも大切なのは今そばにいる猫ちゃんとの関係性です。
オシキャットとの相性診断 | |
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Q1 | 猫と過ごす時間はどのくらい取れますか? |
A. 忙しくてあまり家にいない(+0点) B. 一緒に過ごす時間を意識して作っている(+1点) C. 常に一緒にいたい、在宅中心(+3点) |
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Q2 | 猫とたくさん遊ぶことに抵抗はありますか? |
A. 手がかからない猫が理想(+0点) B. 毎日少し遊ぶくらいならできる(+1点) C. おもちゃや知育グッズも積極的に取り入れたい(+3点) |
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Q3 | どんな性格の猫を求めていますか? |
A. マイペースで静かな猫(+0点) B. 適度に甘えてくれる猫(+1点) C. 人懐っこくてよくついてくる猫(+3点) |
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Q4 | 猫のいたずらや活発さにどう対応しますか? |
A. 静かに暮らしたいので苦手(+0点) B. 多少なら許容できる(+1点) C. 個性として受け入れて楽しめる(+3点) |
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Q5 | 猫とどんなコミュニケーションを望みますか? |
A. 必要最低限のふれあいで十分(+0点) B. 呼べば来るくらいの関係が理想(+1点) C. 会話やふれあいを積極的に楽しみたい(+3点) |
診断結果
10〜15点:★★★★★
→ オシキャットとの相性は抜群です。活発で知的な性格にしっかり向き合える飼い主にぴったりの猫種です。
4〜9点:★★★☆☆
→ ライフスタイルによってはオシキャットとも良好な関係が築けます。やや落ち着いた猫(例:アメリカンショートヘア、マンチカン)もおすすめ。
0〜3点:★☆☆☆☆
→ オシキャットよりも静かで独立心の強い猫(例:ロシアンブルー、ブリティッシュショートヘア)が向いています。
オシキャットの価格
オシキャットは日本ではまだ珍しい猫種のため、価格はやや高めです。
中でも人気なのは「トウニー(茶系)」や「シルバースポテッド」の斑点模様で、希少なカラーになると価格がさらに上がる傾向があります。
まとめ
オシキャットは、ワイルドな外見とは裏腹に、人懐っこく知的で愛情深い性格を持つ魅力的な猫です。活発で遊び好きな一方、飼い主とのふれあいを大切にするため、生活環境や接し方には工夫が必要です。毛色の美しさや健康面の管理にも注目しつつ、オシキャットの個性を理解して接することで、より深い信頼関係が築けます。
特徴や飼い方をしっかり把握し、オシキャットとの楽しく充実した日々を送りましょう。