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キャットフードの原材料:メルルーサ(hake)
メルルーサはタラ目メルルーサ属メルルーサ科に属する白身魚の一種で、日本ではあまり馴染みがありませんがスペインや南米では非常にポピュラーな食材です。ヨーロッパや南米では広く消費されており、その味の良さと栄養価の高さから注目されています。
メルルーサとはスペイン語(Merluza)で、英語ではヘイク(Hake)です。
とくにスペイン語圏ではメルルーサという名称が一般的に使われており、調理法や料理名にもしばしば登場します。ヨーロッパやアメリカではフィッシュ&チップスの材料としても使われることがあります。
したがって、使われる地域や言語によって呼び名が変わりますが指している魚は同じです。
持続可能なメルルーサ漁業
MSC認証を取得
メルルーサ漁業において、特定の地域や漁業団体がMSC(海洋管理協議会)認証を取得しています。
MSC(海洋管理協議会)認証とは持続可能な漁業を保証する国際的な認証制度で、海洋資源の保護と持続可能な利用の促進を目的とし、環境への影響を最小限に抑えた漁業を認定します。
日本水産株式会社(ニッスイ)の連結子会社であるチリのエムデペス社は、チリ南部の第10州・第11州・第12州海域でのメルルーサ・オーストラリス(オーストラル・ヘイク)の底引きおよび中層トロール漁業・はえ縄漁業において、2019年9月24日付でMSC認証を取得しました。
さらに、エムデペス社は2020年6月25日付で、所属船「UNIONSUR(ユニオンスール)」「UNZEN(ウンゼン)」の2隻および物流施設について、MSC認証漁業であるメルルーサの加工流通過程の管理認証も取得しています。
これらの認証取得により、エムデペス社はメルルーサの製品をMSC認証品として生産・販売することが可能となり、持続可能な漁業の推進に寄与しています。
MSC認証マーク
メルルーサ製品を選ぶ際には、MSC認証マークの有無を確認することで、持続可能な漁業で獲られた製品かどうかを判断することができます。MSC認証マークとは持続可能な漁業で獲られた水産物であることを証明する国際的なラベルで、青い魚のマークが特徴です。
MSC認証マークの付いたキャットフードは、猫の健康と海洋環境の保護を両立できるとして注目されています。
メルルーサをキャットフードの原材料に使用するメリット
メルルーサ/生100gあたりの栄養素 | |||
---|---|---|---|
エネルギー | エネルギー | 73 | kcal |
タンパク質 | タンパク質 | 17.0 | g |
脂質 | 脂質 | 0.6 | g |
ミネラル | カリウム | 320 | mg |
リン | 150 | mg | |
不飽和脂肪酸 | エイコサペンタエン酸 | 47.0 | mg |
ドコサヘキサエン酸 | 110.0 | mg |
◆高たんぱく、低脂質
タンパク質が豊富で脂質が少なく、消化吸収しやすいためダイエットが必要な猫や高齢猫におすすめです。
◆不飽和脂肪酸が豊富
メルルーサには、エイコサペンタエン酸(EPA)やドコサヘキサエン酸(DHA)が豊富に含まれています。
- エイコサペンタエン酸:血液をサラサラにするため、血中コレステロールや中性脂肪の減少に効果あり。
- ドコサヘキサエン酸:脳の構成成分で、記憶や学習など脳の機能に関わり、認知症予防に期待。
◆低アレルゲン
メルルーサは脂肪分が少ないため、脂肪分が多いサーモンやマグロに比べてアレルギーのリスクは低いといわれています。
アレルギー対応のキャットフードや療法食の原材料として使用されることがあり、鶏肉や牛肉などの動物性原料にアレルギーがある猫の代替タンパク源として採用されることが目的とされています。
メルルーサが原材料のキャットフード
メルルーサはメインの原材料というよりも、チキンやサーモンなどのメインのタンパク源を補う形で使用されることが多いです。
原材料欄にはメルルーサやヘイクと表記されますが、表記されていない場合はフィッシュミールや白身魚と記載されていることもあります。
メルルーサがメインの原材料に使われないのはなぜ?
供給量が少ない
メルルーサはタラやサケなど他の魚に比べてキャットフード市場では供給量が少ないため、コストが高くなる傾向があります。そのため、主要原材料として使用されることは少ないです。
風味が少ない
猫が好むマグロやサバなどの香りが強い魚と比べると、メルルーサは風味が少ないため、嗜好性がやや劣る場合があります。
まとめ
- メルルーサ漁業は持続可能な漁業で
- キャットフードによってはMSC認証マークが付けられている
- MSC認証マークが付いているキャットフードは、猫の健康と海洋環境の保護を両立できる
- 高たんぱく質で低脂質