キャットフードのケルプ。皮膚トラブルや腸内環境の改善!重金属の危険性は?

キャットフードのケルプ。皮膚トラブルや腸内環境の改善!重金属の危険性は?

キャットフードの原材料:ケルプ(kelp)

海のハーブとよばれる

ケルプとは冷たい海域に生息する大型の褐藻類の海藻で、日本では昆布として親しまれている種類も含まれます。ケルプはミネラルやビタミンなど栄養素が豊富なことから、「海のハーブ」ともよばれています。

ラッコと海洋生態系で密接な関係

キャットフードのケルプ。皮膚トラブルや腸内環境の改善!重金属の危険性は?

ケルプはラッコと海洋生態系において密接な関係を持っています。

ラッコは休息中や睡眠中に波に流されないよう、ケルプを体に巻き付けることで安全を確保します。一方、ラッコはウニを捕食することでウニによるケルプの食害を防ぎ、ケルプの森(ケルプフォレスト)の健全な成長を助けています。

この相互作用によりケルプフォレストは豊かな生態系を維持し、炭素吸収や生物多様性の向上に寄与します。ラッコとケルプは、自然環境の調和を象徴する重要な関係です。

参考:Sea otters keep remaining California kelp forests alive

ケルプが原材料のキャットフード例

多くのキャットフードの原材料に使用される

ケルプはさまざまなキャットフードやサプリメントの原材料に使用されています。

原材料欄には、ケルプ、ブラウンケルプ、乾燥ケルプ、ケルプ(昆布)、オーガニックケルプなどさまざまな名前で記載されています。

ケルプが原材料のキャットフード例

キャットフードにおけるケルプの健康効果

甲状腺ホルモンの生成

ケルプはミネラル(ヨウ素、カルシウム、マグネシウムなど)食物繊維(アルギン酸、フコイダン)抗酸化物質(フコキサンチンなど)が含まれています。

とくにヨウ素が豊富で、体内で甲状腺ホルモン(チロキシンやトリヨードチロニン)の生成に不可欠な必須ミネラルです。甲状腺ホルモンは基礎代謝の調整、体温の維持、エネルギー産生、成長、発達など、多くの生理機能に重要な役割を果たします。

とくに胎児や乳幼児の脳や神経の発達に欠かせない栄養素としても知られています。

皮膚トラブルの改善

ヨウ素の摂取により体内の代謝やホルモンバランスが改善されることで、乾燥肌やフケ、毛ツヤの低下などを改善します。皮膚トラブルが気になる猫に効果的です。

免疫力向上

ケルプに含まれるフコイダンは、ケルプやモズクなどの褐藻類に含まれる水溶性多糖類で、免疫細胞であるマクロファージNK細胞(ナチュラルキラー細胞)を活性化する働きがあります。これにより体内の免疫システムが強化され、ウイルスや細菌への抵抗力が高まることが期待されています。

またフコイダンは抗炎症作用や抗酸化作用を持ち、免疫バランスの調整や慢性炎症の抑制にも寄与します。免疫力が低下する高齢期の猫におすすめです。

消化機能の改善

アルギン酸は海藻に含まれる水溶性食物繊維で、胃や腸内で水分を吸収してゲル状になり、腸内をゆっくり移動することで消化をサポートします。この性質により腸内環境が改善され、便秘や下痢の予防・改善が期待されます。

またアルギン酸は腸内の有害物質を吸着して排出するデトックス効果もあり、腸内フローラ(腸内細菌叢)のバランス維持に寄与します。さらに満腹感を与えることで過食を防ぎ、消化器系全体の負担軽減にも役立ちます。

ケルプの安全性と注意点

ケルプは自然由来の成分で多くの猫にとって安全な成分とされていますが、以下の点には注意が必要です。

ヨウ素の過剰摂取

ケルプはヨウ素を多く含むため、過剰摂取は甲状腺機能異常(亢進症や低下症)などの甲状腺機能の異常を引き起こす可能性があります。とくに甲状腺疾患を抱える猫やヨウ素感受性が高い猫は注意が必要です。

ケルプが原材料のキャットフードの多くは、猫にとって適切な量のヨウ素やミネラルが配合されています。過剰摂取を防ぐためにもきちんと給与量を守りましょう。

放射性物質や重金属が含まれる可能性

ケルプに限らず、海藻は海中の物質を吸収しやすい性質を持ちます。ケルプが採取される海域が汚染されている場合、放射性ヨウ素やカドミウム、鉛、ヒ素などの重金属が蓄積するリスクがあります

そのため、ケルプを使用したドッグフードやサプリメント、食品を選ぶ際には信頼できるメーカーから購入し、原材料の安全性が確認されたものを選ぶことが重要です。安全基準に基づいた製品を選ぶことで、これらのリスクを最小限に抑えることができます。

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2019年11月13日

まとめ

  • 海のハーブとよばれるほど栄養価が高い
  • 多くのキャットフードやサプリメントの原材料に使用される
  • 免疫力の向上や皮膚トラブルの改善に効果的
  • 給与量を守り、過剰摂取に注意する

ABOUTこの記事をかいた人

古川菜々

帝京科学大学アニマルサイエンス学科卒業。愛玩動物飼養管理士2級、ペットセラピスト、ペット看護士の資格を取得。キャットフード勉強会ディレクターとして、猫ちゃんの栄養や病気、生態、キャットフードなどの情報を提供しています。猫ちゃんの魅力を発信し、飼い主さんの悩みや不安を解決することで、猫ちゃんと飼い主さんの幸せのお手伝いになれれば嬉しいです。