キャットフードのナイアシン(ビタミンB3)。猫はナイアシン要求量が高い!エネルギー産生、酸化還元反応に関与

キャットフード ナイアシン

キャットフードの栄養素:ナイアシン(ビタミンB3)

ナイアシン(niacin)は、ビタミンB群の一種で、脂質やアミノ酸の代謝、エネルギー産生、酸化還元反応などに関与しています。

3番目に見つかったことからビタミンB3とも呼ばれますが、ビタミンB群は種類が多いため、区別を付けやすいように名前で呼ばれることが多いです。

ナイアシンが必須栄養素として認められるきっかけとなったのがペラグラ(犬の黒舌病)という疾患で、ナイアシン補給によって改善したことから、ナイアシンがビタミンとして認知されるきっかけとなりました。

ナイアシンは酵母、製造粕類、豆類、鶏ささみ、カツオマグロレバーなどに豊富に含まれています。

ニコチン酸・ニコチンアミド(NAD/NADP)として利用

ナイアシンは小腸粘膜の酵素の作用によって、ニコチン酸やニコチンアミドに変換された後に吸収されます。血液中では主にニコチンアミドとして存在し、様々な組織でニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD)やニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸(NADP)に再合成されて補酵素として利用されます。

ただ、天然飼料の原料に含まれるナイアシンの利用性は必ずしも高くなく、小麦ではナイアシンの70%が、油かすではナイアシンの40%が利用できずに排泄されることが分かっています。

このため、キャットフードではナイアシンの栄養添加物(サプリメント)で補われていることが多いです。

猫におけるナイアシン(ビタミンB3)の働き

酸化還元酵素の補酵素として様々な機能を持つ

  • エネルギーの産生
  • アミノ酸や脂質の代謝に関与
  • 皮膚や粘膜の炎症を防ぐ
  • 脳神経の働きを助ける
  • 血行を良くする
  • 胃腸管の働きを正常に保つ

ナイアシンの代表的な働きはエネルギーの産生とアミノ酸や脂質の代謝ですが、ナイアシンは体内に最も多く存在するビタミンということで、様々な役割や働きを担っています。

ナイアシンは体外から摂取されると、小腸でNAD、NADPに変換され、酸化還元反応に関与する酵素の補酵素として働きます。

酸化還元反応は、生命を維持するために必要なエネルギーの供給や脂質やアミノ酸の代謝過程で、あらゆる必要な物質を生成するための反応です。ナイアシンはエネルギーの産生に必要不可欠な酸化還元反応の触媒(酵素)を助ける補酵素として働きます。

また、脂肪酸やホルモンの生合成、ATPの産生DNAの修復や合成を助けています。

キャットフードに必要なナイアシンの量・基準

ナイアシン キャットフード画像引用元:2016 AAFCO Midyear Meeting Committee Reports

ペットフード公正取引協議会が採用するAAFCOのガイドラインではドライタイプのキャットフードのビタミンKの最低基準は、幼猫用・成猫用ともに60mg/kg以上と定められています。

最大値(上限値)の設定はありません。

猫はトリプトファンからナイアシンの要求量が多い

ナイアシンはエネルギー代謝に必要な補酵素のため、エネルギー摂取量や要求量が多い場合もナイアシンの必要量が増加します。

動物は、鉄を補酵素として利用することで、アミノ酸のトリプトファンからナイアシンを合成することができます。猫の場合、ナイアシン合成はできるものの中間代謝産物への分解が速く、実質的には猫はトリプトファンをナイアシンとして利用できません。このため、猫は他の動物と比較してナイアシン要求量が高く設定されています。

ナイアシン(ビタミンB3)の欠乏/過剰摂取

欠乏

  • 皮膚炎
  • 下痢
  • 中枢神経異常

ナイアシン欠乏には皮膚病や下痢、精神異常などがあり、死に至る場合もあります。

過剰摂取

  • 中毒性は低い

長期間の大量摂取により、人では消化管や肝臓に負担がかかり障害が現れることがありますが、基本的にナイアシン中毒の発症率は低いと考えられています。

まとめ

  • 酸化還元酵素の補酵素
  • エネルギーの産生
  • アミノ酸・脂質代謝に関与
  • 欠乏すると皮膚病や下痢などが起こる
キャットフード ビタミン

キャットフードのビタミン類。猫の必須ビタミンの種類と働き、欠乏症/過剰摂取の症状を解説

2018年9月25日

ABOUTこの記事をかいた人

一般社団法人ペットフード協会ペットフード販売士、キャットフード勉強会ディレクターとして、キャットフードに関する情報を提供しています。また、日本化粧品検定協会のコスメコンシェルジュ資格を有し、ペットフードだけでなく化粧品にも精通しています。販売時に必要な知識となる薬機法などについてもご紹介ができます。 日本化粧品検定協会会員。