キャットフードのラム(羊)。アレルギー原因物質ヒスタミンの抑制作用

キャットフードのラム(羊)。アレルギー原因物質ヒスタミンの抑制作用
鈴木さん
日本では日常的に食べることが少ないラム肉ですが、キャットフードに使用されていることがありますよね。これはあえてなのか、猫にとって良い栄養が入っているからなんでしょうか?
猫田
ラム肉は猫の食物アレルギー対策として使用されることが多く、療法食で使用されることもありますね。

キャットフードの原材料:ラム肉(子羊肉)

ラム肉とは生後12ヶ月以内の子羊のお肉です。生まれてから1年を過ぎた羊肉はマトンと言われるため、ラム肉の時期は短いです。

ラム肉は子羊の肉なので、成長した大人のマトン肉に比べて肉が柔らかく、羊肉の独特のクセや風味が少なく食べやすいお肉となっています。

キャットフードでラム肉はアレルギー対策キャットフードや療法食などにもよく使用されます。

ラム肉は低アレルゲンというわけではありませんが、アレルギーを和らげる成分や、皮膚の健康を保つための成分も含まれているため、ラム肉はアレルギーの療法食に使用されることが多いです。

キャットフード例

猫におけるラム肉の栄養素とメリット

タンパク質18g
脂質16g
炭水化物0.1g
ビタミンB群ビタミンB20.22mg
ナイアシン4.3mg
ビタミンB60.31mg
ビタミンB121.1μg
ミネラル亜鉛2.6mg
カリウム8mg
1.5mg
セレン4μg
カロリー100g227kcal

Lーカルニチンやメチオニンが豊富

ラム肉には必須アミノ酸の「Lーカルニチン」や「メチオニン」など猫に必要な必須アミノ酸が多く含まれています。

Lーカルニチン脂質の代謝に使われるため肥満対策に役立つ成分です。メチオニンはアレルギー反応の原因となるヒスタミンを抑える働きがあるため、他の動物原料よりもアレルギー対応食として人気が高い動物原料となっています。

ビタミンが豊富

ラム肉には皮膚の健康を保つビタミンが豊富に含まれています。アレルギーで皮膚の炎症が出てしまっている猫は、皮膚を健康な状態にもどすためにビタミンがより必要になるため、ラム肉はおすすめの原材料です。

ラム肉の脂肪は吸収されにくい

ラム肉は融解の温度が他の動物原料より高いため脂質が吸収されにくい特徴があります。

脂質の量自体はそこまで低くはありませんが、体に吸収されにくいことからヘルシーな食材とされています。

肝臓を守る亜鉛が多い

肝臓の機能を助け、肝臓を保護する作用のある亜鉛が豊富に含まれています。また亜鉛はタンパク質や炭水化物の代謝にも関与しています。

ラム肉を使用したキャットフードのデメリット

ラム肉のキャットフードは高め

食品でも同じですが、ラム肉は他の肉原料に比べて高めなので、キャットフードも相対的に高めに価格設定がされています。

さらにアレルギー食としてラム肉以外の動物性タンパク質を除外する場合、高価なラム肉の配合量が多くなるため、価格も高くなる傾向があります。

ラム肉もまた高アレルゲン

ラム肉はアレルギー療法食にも使われていますが、ラム肉もまた高アレルゲンなので、ラム肉にもアレルギー反応がでる猫もいます。

好みが分かれるかも?

マトンに比べてクセは少ないですが、羊の独特の風味や味が苦手な猫もいます。

今までチキンやクセのないお肉のキャットフードばかり食べていた猫は、ラム肉のキャットフードに切り替えたときに食いつきが悪くなってしまうかもしれません。

ラム肉を使用したキャットフードまとめ

鈴木さん
ラム肉はアレルギーの猫にとても良い食材なんですね。
猫田

はい。低アレルゲンな肉原料は沢山ありますが、皮膚の健康に働くビタミンB群や、アレルギー反応を抑制するメチオニンなども豊富なのでラム肉はアレルギー対策にはもってこいの食材だと思います。

ラムをそのまま与えるのは寄生虫などの問題もあるため避けるべきですが、キャットフードに配合されているラム肉はぜひおすすめしたいですね。 

肉 キャットフード 種類 

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2019年8月14日

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一般社団法人ペットフード協会ペットフード販売士、キャットフード勉強会ディレクターとして、キャットフードに関する情報を提供しています。また、日本化粧品検定協会のコスメコンシェルジュ資格を有し、ペットフードだけでなく化粧品にも精通しています。販売時に必要な知識となる薬機法などについてもご紹介ができます。日本化粧品検定協会会員。