キャットフードの原材料:玄米
精白されていない米
玄米とは、精白されていない籾(米の皮)のみを取り除いた状態の米を言います。精白とは収穫された穀物から籾と茶色い糠(果皮・種皮・胚芽など)を取り除くことです。
精白された米(白米)とは一般的な白いごはんになります。玄米には白米の栄養だけでなく糠に含まれる栄養も含まれるため、栄養価が高く、健康食品としても注目されています。
玄米の栄養素
食物繊維やマンガンが豊富
玄米は炭水化物が大部分になりますが、精米に比べると炭水化物量は半分程度しかありません。果皮や胚芽など糠部分があるため、食物繊維は精米より多く含まれます。糖質が白米よりも抑えられます。
糠にはビタミンやミネラルが豊富に含まれており、白米に比べてマグネシウムやマンガン、ナイアシンなどが豊富に多く含まれます。
栄養成分表(100gあたり)
タンパク質 | 2.8g | |
脂質 | 1g | |
炭水化物 | 総量 | 35.6g |
食物繊維 | 1.4g | |
ビタミン | ナイアシン | 2.9mg |
ビタミンB6 | 0.21mg | |
食物繊維 | マンガン | 1.04mg |
モリブデン | 34μg | |
カロリー | 100g | 165kcal |
玄米をキャットフードにつかうメリット
血糖値を上昇させにくい低GI食材
玄米は精米に比べて血糖値を上昇させにくくカロリーも低い食材で、糖尿病や肥満の猫にもおすすめです。
GI値(グリセミック指数)とは、食品の血糖値の上昇度合いを表した数値で、数値が高いほど摂取直後に急激に血糖値が上がります。反対にGI値が低いほど摂取後ゆるやかに血糖値を上昇させるため、糖尿病や肥満、血管への負担がかかりにくくなります。
精米も玄米も同じ米であることに変わりはありませんが、精白米のGI値は84、玄米のGI値は56で、玄米の方が圧倒的に血糖値の上昇は緩やかになります。精米だと高GI食材になりますが、玄米では低GI食材に分類されます。
このため血糖値が気になる糖尿病猫や肥満猫には、同じ米を摂取するなら精米よりも玄米の方がおすすめです。
精米より栄養の種類が多い
玄米は、精米に比べてミネラルやビタミンが全体的に多く含まれています。炭水化物が70%以上を占める精米に比べて、玄米は半分以下の炭水化物しか含まれていないので、その分上記の項目で説明したような様々な栄養素が含まれることになります。
アレルギー食や療法食にも利用される
米は他の穀物に比べてアレルゲンになりにくい穀物のため、アレルギー対応食やアレルギー療法食に利用されることもあります。
アレルギーが気になる猫で、なおかつタンパク質を抑えたい場合やヘルシーなキャットフードを求める場合には玄米はおすすめの食材となります。
玄米をキャットフードにつかうデメリット
消化器官の負担になる
玄米を沢山摂取しすぎると、猫の消化器官の負担になる可能性があります。玄米はただでさえ精米に比べて食物繊維量が多いため、腸の蠕動運動の活発化などの効果は期待できますが、便が硬くなりすぎたり消化不良でかえって便秘を悪化させてしまう場合もあるので、フード全体で見た時の穀類の割合などには注意が必要です。
キャットフードの玄米まとめ
今回はキャットフードの玄米についてまとめてきました。
玄米は精米に比べて様々なメリットもありながら、猫にとってはデメリットになることもあるので、猫の体調やこれまで食べてきたフードの傾向などを見ながら検討してみるといいかと思います。
- 玄米とは籾殻を取り除いただけの米
- ミネラルやビタミン、食物繊維が豊富
- 糖質が精米より少なくヘルシー