キャットフード業界でも猫の健康を考えてグレインフリーやグルテンフリーなど様々な「フリー」が登場してきています。
では今回はキャットフードのGMOフリーについて見ていきたいと思います。
GMOフリーとは
GMOフリーとは
GMOとは遺伝子組換えが行われた作物のことで「Genetically Modified Organism」の頭文字をとった言葉です。言葉の意味を見るとこのようになります。
- Genetically=遺伝的に
- Modified=変更された
- Organism=生体
つまりGMOフリーは遺伝子組換えの作物(GMO)が使われていない(FREE、不使用)製品のことで、GMOフリーのキャットフードは遺伝子組換えがされていない原材料のみで生産されているということになります。
遺伝子組換えとは
他の種の遺伝子と結合
遺伝子組換えとは遺伝子操作とも良い、意図的に生物の遺伝子(DNA)を他の遺伝子と組み換えて新しい遺伝子をつくるなど操作することを言います。
とうもろこしや大豆、ジャガイモ等の作物などによく用いられ、品種開発するときには遺伝子組換えが用いられ新しい作物や品種が生まれます。
厚生労働省:安全性審査を行った食品等一覧表PDF
メリットを生むために行われる
遺伝子組換えというとあまり良くは聞こえませんが、遺伝子組換えは消費者にも生産者にも様々なメリットがあります。
- 実を豊かに大きくする
- 害虫からの抵抗力を持つ
- 病気にかかりにくくする
遺伝子組換えによって効率よく生産できる丈夫な作物が開発されたため、最小限の農薬、最小限のコストで安定した量の作物を収穫できるようになりました。
しかし、遺伝子組み換えの作物には次で紹介するようなデメリットや注意点もあります。このため遺伝子組み換え食材を不使用(フリー)にした商品やペットフードが注目されてきています。
遺伝子組み換えの危険性、懸念点
新たなアレルゲンになる可能性
遺伝子組換えされた作物によって、猫にアレルギー症状が出る場合があります。遺伝子組換えによって導入遺伝子からタンパク質が大量に作られると、それが新しいアレルゲンになり、皮膚炎や嘔吐・下痢などのアレルギー症状を引き起こす可能性があります。
たとえば、食品でも大豆の栄養価を高める目的でブラジルナッツのDNAを入れた企業がありましたが、アレルギーを引き起こすことが分かり開発が中止された事例があります。
日本の食品では、アレルギー誘発性の有無の安全性の評価が行われ、上記のように安全性の証明が十分でないと判断された場合、皮膚テストや経口負荷試験などの臨床試験データが必要になりますが、ペットフードは食品に含まれないので、安全性試験が行われない遺伝子組み換え作物が含まれる可能性があります。
慢性的な毒性の可能性
遺伝子組み換えの作物は、基本的に長期の毒性試験は行われないため、長期的な摂取でどのような影響があるかはわかりません。
D-5 毎日食べる食品に用いられる遺伝子組換え食品は、高い安全性を確保する必要がありますが、長期の毒性試験(慢性毒性試験)を行っていないのはなぜですか。
安全性評価基準では、組換えDNA技術を応用して生産された食品(遺伝子組換え食品)の安全性審査においては、一律に毒性試験が不要であるという扱いになっているものではなく、慢性毒性試験等は必要に応じて実施されるべきであるとされています。
雑食の人間は毎日同じメニューを食べ続けることは少ないですが、猫は毎日キャットフードを食べて同じ作物を口にするため、毒性があった場合、人間より体への影響は大きいかと思います。
GMOフリーのキャットフードのメリット
アレルゲンのリスクが低い
GMOフリー(遺伝子組換え作物が不使用)のキャットフードは、遺伝子組み換え作物によるアレルギーの対策になります。
GMOフリーにすることで、いざアレルギー反応が出た場合もアレルゲンの特定もしやすくなるため、対策としておすすめです。
リスク回避
GMOフリーのキャットフードは、まだ長期的な安全性が不確かな遺伝子組み換え作物が不使用なため、起こりうるリスク回避になります。
体が小さく食べ物にも影響されやすい猫にはGMOフリーのキャットフードは注目したいところです。
GMOフリーキャットフードまとめ
GMOってそういう意味だったんですね。遺伝子組換えは確かに気になるところですね。
ちなみにGMOフリーのキャットフードってどんな物があるんですか?