どの野菜を配合するかによって栄養素は大きく変わりますが、野菜に共通して言えるのは、食物繊維やビタミン、ミネラルが豊富に含まれていることです。
では野菜が含まれているキャットフードメリットとデメリット、そして代表的な野菜の栄養素をいくつかご紹介していきたいと思います。
キャットフードの原材料:野菜類
キャットフードの野菜のメリット
キャットフードの野菜のメリットとしては、食物繊維やビタミン、ミネラルを天然の原材料から摂取できる点です。
肉や魚だけのシンプルな総合栄養食では、多くの栄養素を栄養添加物を配合することで補っています。
栄養添加物を使用することが問題というわけではありませんが、野菜が多く配合されているキャットフードは、原材料に含まれる天然の栄養素を取り入れることができます。
キャットフードの野菜のデメリット
野菜のデメリットとしては、製造過程で野菜に含まれるビタミンやミネラルの多くが失われてしまう点です。
しかし時間経過や加熱に強い成分もあるため、野菜に含まれる全てのビタミンやミネラルがキャットフードになった時点でなくなってしまうわけではありません。
キャットフードに使われる代表的な野菜
ここではキャットフードに含まれる野菜について栄養素の特徴などを表にしてご紹介します。
代表的な野菜 | カロリー (100g) | 豊富な栄養素 |
---|---|---|
ジャガイモ | 76kcal | ・炭水化物 ・ビタミンC ・モリブデン |
サツマイモ | 132kcal | ・炭水化物 ・ヤラピン ・ビタミンB6 ・ビタミンC ・ビタミンE ・葉酸 ・パントテン酸 ・モリブデン ・カリウム ・銅 |
チコリ | 16kcal | ・イヌリン (水溶性食物繊維) ・葉酸 ・ビタミンK |
ニンジン | 37kcal | ・βカロテン ・食物繊維 |
ほうれん草 | 20kcal | ・βカロテン ・ビタミンK ・葉酸 ・ビタミンC ・カリウム ・マグネシウム ・モリブデン |
トマト | 19kcal | ・リコピン ・ビタミンC |
キャベツ | 23kcal | ・ビタミンK ・葉酸 ・ビタミンC ・モリブデン |
カボチャ | 91kcal | ・βカロテン ・食物繊維 |
ブロッコリー | 33kcal | ・ビタミンC ・不溶性食物繊維 ・モリブデン |
ジャガイモ
ジャガイモには腸内環境を整え便通を促進する不溶性食物繊維が豊富に含まれています。
ジャガイモ(ポテト)は、グレインフリーキャットフードでは、穀物の代わりに炭水化物(糖質や食物繊維)としてよく使用さるので、他の野菜より配合量も多い傾向があります。
サツマイモ
サツマイモは炭水化物量やカロリーはジャガイモより高いですが、血糖値が上がりにくい低GI食材なので肥満や糖尿病の猫におすすめな食材の一つです。
サツマイモ(スイートポテト)は、ジャガイモと同様、炭水化物が豊富なのでキャットフードにも多めに配合される傾向があります。
チコリ
チコリは水溶性食物繊維のイヌリンが豊富に含まれています。イヌリンは腸内細菌の善玉菌のエサとなって善玉菌を増やすために貢献します。
チコリは日本ではあまり見られない野菜ですが、ヨーロッパの国々ではよく食べられている食材です。キャットフードでもヨーロッパ産のキャットフードにはチコリが入っていることがよくあります。
チコリーパルプという原材料が配合されていることがありますが、これはチコリの食物繊維を利用してつくられた食物繊維です。
ニンジン
ニンジンは緑黄色野菜に代表されるβカロテンや、食物繊維、カリウムが豊富な野菜です。
猫はβカロテンをビタミンAに分解して利用することができないため、猫に限ってはニンジンにはビタミンAが豊富とは言えませんが、βカロテンもそのままの状態で抗酸化作用など様々な良い働きを持っています。
ホウレン草
鉄分が豊富なホウレン草。実際は鉄分以外にも食物繊維・ビタミン・ミネラルなどほぼ全ての栄養素が豊富と言えるほど、様々な栄養素をカバーしてくれる万能食材です。
ただホウレン草には、尿路結石の原因となるシュウ酸が含まれているため生で与えるのはNGです。猫にホウレン草はNGというイメージが強いのかホウレン草を押しにするキャットフードメーカーも少ないように思います。
キャットフードに使用される場合、シュウ酸は除去されて製造されると思いますが一度メーカーへ問い合わせてもいいかもしれません。
トマト
トマトの栄養素で有名なのがリコピンです。リコピンには肥満防止、動脈硬化の予防、抗酸化作用などが注目されていて、癌予防にも効果があるのではないかと言われてきています。
ただしトマトの葉には「トマチン」という猫にとって有害物質が含まれているので、青みのある生のトマトは与えないようにしましょう。
キャベツ
キャベツは不溶性食物繊維が豊富で満腹感も得られる野菜です。ビタミンKとビタミンCも豊富に含まれています。
キャベツには甲状腺機能を低下させる可能性のある「ゴイトロゲン」が含まれていますが、食べ過ぎなければ問題はなく、ダイエットなどにも効果的と言われています。
与える時は茹でて柔らかくしてから与えるのが一般的です。
カボチャ
カボチャは炭水化物を多く含むので芋類の仲間と思われがちですが、βカロテンが豊富な緑黄色野菜の一つです。
カボチャは実だけでなくパンプキンシードというカボチャの種が使用されることもあります。
ブロッコリー
ブロッコリーはビタミンCが非常に多く含まれる野菜で、花蕾のツブツブ感にハマる猫も多いようです。生の状態ではレモンよりもビタミンC量が多く含まれますが、加熱するとおよそ4割まで減少します。
またほうれん草の次にシュウ酸が多く含まれる野菜なので、生で与えるのはおすすめしません。
キャットフードの野菜類まとめ
以上キャットフードの野菜についてまとめてきましたが、栄養素は野菜によってかなり違ってきますので、興味がある方はぜひ食材ごとにみていただけたらと思います!