キャットフードのカロテノイド色素。合成添加物β-カロテンの猫への危険性や毒性は?

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キャットフードの添加物:カロテノイド色素(Carotenoid)

カロテノイド色素(Carotenoid)は、赤や黄色、オレンジ色といった鮮やかな暖色を付ける天然着色料(既存添加物)の総称です。カロチン色素、カロテン色素、カロチノイド色素とも呼ばれます。

緑黄色野菜に豊富なβカロテン、トマトに含まれるリコピン、カニやエビのアスタキサンチンなどのカロテノイド色素のひとつで、カロテノイド色素は自然界だけでも750種類以上が確認されています。

カロテノイド色素を使用するキャットフード例
  • CIAOちゅーる(カロテノイド色素)
  • クプレラキャットフード(βカロテン)

カロテノイド色素は猫にとって安全?

カロテノイド色素には天然添加物・合成添加物の2種類がある

カロテノイド色素には天然添加物と合成添加物の大きく2つがあります。

抽出カロテン

抽出カロテンは、サツマイモ、アブラヤシの果肉、藻類、にんじんの根などから得られる天然由来の着色料で、食品添加物リストには既存添加物(天然添加物)に分類されています。

原材料名欄に表示する場合は、カロテノイド色素、カロテン色素、着色料(抽出カロチン)、着色料(カロチノイド)といった形で表示されます。

β-カロテン

β-カロテンは、緑黄色野菜に豊富な栄養素なので、天然添加物だと思われるかもしれませんが、合成や発酵によって生成される合成添加物です。

合成法や発酵法で人工的につくられるβ-カロテンは、生成される過程で溶媒としてリンドラー触媒などが使用されたり、その成分を抽出するために薬品が使用されることがあります。合成添加物のβカロテンも毒性はなく天然のβカロテンと同等と考えられているため特に規制はされていませんが、溶媒や菌に対して猫がアレルギー反応を示すこともあります。

原材料名欄に表示する場合は、カロテノイド色素、カロテン色素、着色料(β-カロテン)、着色料(カロチノイド)などの表示が可能です。β-カロテンと記載する必要がなく、天然由来の抽出カロテンと同じ表記方法でも問題ないため、原材料名欄だけで見分けることは現状難しいです。

まとめ

栄養素としてのカロテンは、抗酸化作用や正常な免疫の維持など良い働きがありますが、添加物のβ-カロテンでは評価が一転します。その物質が、栄養素として食材に含まれているのか、添加物として使用されているのか、成分や物質そのものだけではなく、意味や用途まで考える必要があるので、判断が難しいところです。

ただ着色料は見た目や色味を調整するために使用されるので、そもそも必要のない添加物という前提で考えれば、不使用のものが望ましいという結論になるかもしれません。

  • カロテノイド色素は赤・黄色・オレンジなどの着色料
  • 抽出カロテンは既存添加物(天然添加物)、βカロテンは指定添加物(合成添加物)
  • 天然由来か合成由来か表記だけでは判断できないことが多い

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一般社団法人ペットフード協会ペットフード販売士、キャットフード勉強会ディレクターとして、キャットフードに関する情報を提供しています。また、日本化粧品検定協会のコスメコンシェルジュ資格を有し、ペットフードだけでなく化粧品にも精通しています。販売時に必要な知識となる薬機法などについてもご紹介ができます。日本化粧品検定協会会員。