猫は枝豆を食べても大丈夫!抗酸化作用や血液凝固作用などメリットばかり!生食はNG

猫は枝豆を食べても大丈夫!抗酸化作用や血液凝固作用などメリットばかり!生食はNG

猫は枝豆(green soybeans)を食べても大丈夫!

枝豆とは、未成熟の状態で収穫した大豆をいいます。マメ科ダイズ属ですが、植物分類学上は豆類ではなく緑黄色野菜に分類されます。

枝豆は豆と野菜の栄養を兼ね備えており、良質なたんぱく質とビタミンが豊富に含まれているスーパーフードなんです。

猫田
 猫は枝豆を食べても大丈夫!必ず加熱処理したものを与えてください。

この記事では、枝豆の栄養素や健康効果、与え方や注意点をご紹介します。

枝豆の栄養素とメリット

枝豆は大豆の未成熟の状態で収穫したものだからといって、栄養が少ないというわけではありません。むしろ、大豆よりも栄養が豊富なものが多くあります。

下表は、茹でた枝豆と大豆100gあたりの栄養素です。

枝豆大豆
エネルギー118163kcal
たんぱく質11.514.8g
カリウム490530mg
ビタミンC15Trmg
ビタミンK337μg
β-カロテン2603
μg

※出典:日本食品標準成分表(八訂)増補2023年

※Tr:成分は含まれているが、最小記載量に達していないことを示す

たんぱく質:大豆に匹敵する含有量

大豆は「肉の畑」といわれるほどたんぱく質が豊富な食べ物です。枝豆は大豆の未成熟の状態で収穫したものですが、その大豆に匹敵するほどの含有量で、野菜類の中でトップクラスです。

たんぱく質は、複数のアミノ酸が鎖のように結合してできています。皮膚や被毛、臓器、筋肉など体のあらゆる部分を構成し、ホルモンや酵素、免疫物質もたんぱく質から作られています。

雑食動物である犬は炭水化物をエネルギー源としていますが、食動物である猫はたんぱく質をエネルギー源としています。そのため猫は犬と比べてはるかに多くのたんぱく質を必要とします。

ビタミンC:強い抗酸化作用

ビタミンCは強い抗酸化作用を持ちます。体内に蓄積された活性酵素を取り除くことにより、老化やがんの予防になります。またコラーゲンの生成や免疫力アップ、鉄分の吸収の促進などさまざまな効果が期待できます。

猫はビタミンCを肝臓で合成し、貯蔵することができます。しかし合成能力が低下しているシニア猫や、妊娠・授乳中の母猫、成長期の子猫などは通常よりも多くのビタミンCが必要となります。

ビタミンK:血圧凝固

ビタミンKはさまざまな酵素のサポートをする栄養素で、酵素の活動に欠かせません。

ビタミンKは骨の形成やカルシウム沈着に関わっているため、骨粗しょう症の予防に役立ちます。また、ケガなどで出血したときに傷口の血を固める凝固因子を作り出すときにも、ビタミンKが必要不可欠となります。

猫は腸内細菌によってビタミンKが合成され肝臓に貯蔵されますが、それだけでは1日の必要量に満たないことが多いといわれています。そのため、意識して食べ物から摂取することが大切となります。

β-カロテン:強い抗酸化作用

β-カロテンはビタミンC同様、強い抗酸化作用を持ちます。

細胞の中で抗酸化作用を発揮して、免疫の機能や作用を活性化させる免疫賦活作用をもたらします。そのためがんや心臓病の予防、コレステロールの酸化を防ぐ、運動による酸化ダメージを抑える、筋肉の損傷を抑制するなどが期待できます。

枝豆を与えるときの注意点

皮や葉、サヤは与えない

枝豆の皮や葉、サヤにも猫にとって中毒となる成分は含まれていませんが、農薬成分や虫などが残っている可能性があります。また非常に硬く消化に悪いので、与えてはいけません。

枝豆を家庭菜園で育てているご家庭では、猫の手が届かないところに置きましょう。

生食はNG

猫に枝豆を与えるときは、必ず茹でるなどの加熱処理をしましょう。

生の枝豆には、トリプシンインヒビターという物質が含まれています。トリプシンインヒビターは、膵臓から分泌されるたんぱく質分解酵素トリプシンの働きを阻害する作用があり、食べると消化不良や下痢を引き起こします。

トリプシンインヒビターは熱に弱いので、加熱調理することで破壊され作用できなくなります。

参考:愛媛大学農学部「飼料の分類」

人用の塩茹でされたものは与えない

おつまみなどで塩茹でされた枝豆は、猫にとっては塩分過多となります。胃腸に大きな負担となるので与えてはいけません。

腎臓病を持つ猫には与えない

枝豆に含まれているカリウムは、体内の浸透圧の調整やエネルギー代謝、血圧の調整などの働きを持ちます。

しかし腎臓病を持つ猫は、腎臓の機能低下によりカリウムを十分に排出することができません。そのため体内にカリウムが蓄積され、高カリウム血症を引き起こす恐れがあります。

アレルギーに要注意

枝豆は未成熟の大豆なので、大豆アレルギーを持っている子には与えないでください。

大豆アレルギーを持っていない猫でも、初めて与えるときは少量からスタートしましょう。食べたあとに下痢や嘔吐、皮膚症状がみられたらすぐにやめ、動物病院で診てもらってください。

枝豆の与え方

猫に与えるときはしっかりと茹でましょう。

枝豆は1粒が小さいですが、猫の喉や胃腸にとっては大きな負担となってしまいます。また猫は食べ物をすりつぶすための臼歯が少なく、飲み込める大きさであれば噛まずにそのまま丸飲みする習性があります。

猫に枝豆を与えるときは細かくカットするか、すりつぶしてペースト状にすると良いでしょう。

まとめ

  • 枝豆は大豆の未成熟のものだが、大豆よりも栄養が豊富なものが多くある
  • 生の枝豆のトリプシンインヒビターは、食べると消化器症状をあらわす恐れがある
  • 与えるときは茹でて細かくカットするか、すりつぶす

ABOUTこの記事をかいた人

古川菜々

愛玩動物飼養管理士2級、ペットセラピスト、ペット看護士、愛犬飼育スペシャリスト、キャットフード勉強会ディレクターとして、キャットフードに関する情報を提供しています。帝京科学大学アニマルサイエンス学科卒業。文章を通して猫ちゃんの魅力を発信し、また多くの飼い主さんの悩みや不安を解決することで、飼い主さんと猫ちゃんの幸せのお手伝いになれれば嬉しいです。