キャットフードの炭水化物(糖質)。適正な割合と計算方法。妊娠猫には糖質が必要

鈴木さん
キャットフードでは代表的な成分の割合を表示していますが、糖質や炭水化物については何も書かれていませんよね。
猫田

確かにタンパク質や脂質、繊維や灰分、水分などの記載はあるのに、炭水化物(糖質)だけ記載がないのは不思議に思う方も多いかもしれませんね。

ではこの回では、キャットフードの糖質についてと、猫にとって糖質がどのような栄養素なのかをご紹介したいと思います。

炭水化物(糖質)の割合の簡単な計算方法

炭水化物(%)を求める計算式

炭水化物(糖質)の割合は100%からキャットフードに記載された他の成分(%)を引くことで求めることができます。

炭水化物(糖質)= 100 -(タンパク質+脂肪+繊維+灰分+水分)

引用元:こなか動物病院 ペットフードの炭水化物

この計算式はビタミンを引いていないので炭水化物(糖質)の正確な割合とは言えませんが、ビタミンの割合はキャットフード全体の割合として非常に低いため、含まれていてもそこまで大きな違いはないと思われます。

炭水化物(糖質)が多いか確認する方法

原材料名欄の1~2番目に穀物や芋類がきている場合、炭水化物(糖質)は多いです。

原材料名欄は、配合量が多い順番に並んでいるので、始めの方に糖質が多い原材料が記載されていると糖質が多くなります。

キャットフードの炭水化物(糖質)の適正値

炭水化物(糖質)は35~40%以下

キャットフードの糖質の適正と言われる割合(%)は見解が分かれているため、一概に糖質の適正な割合を断言することはできません。

しかし糖質の割合に関する見解をいくつか見ると、およそ糖質40%以下というのが平均のようです。糖質の割合が40~50%を超えてきた場合、多過ぎと言えます。

繁殖期・授乳期は炭水化物が必要

しかし例外もあります。猫が繁殖期・授乳期の場合は、ドライフードでおよそ35%程度の炭水化物(糖質)が必要だと言われています。

妊娠期は胎児の発達のためにグルコースという糖が多く使われるため、猫が妊娠期や授乳期に入ったら普段より多くの糖質が必要になります。

キャットフードに炭水化物(糖質)は表示義務の対象外

キャットフードには、決められた成分の割合をパッケージに表示する義務がありますが、糖質は表示が義務付けられていません。

キャットフードの表示義務があるのは、

  • タンパク質
  • 脂質
  • 繊維
  • ミネラル(灰分)
  • 水分
です。メーカーによっては細かく割合などを表示していることもありますが、義務となっているのはこの5つだけです。

猫に多くの炭水化物(糖質)は必要ない

炭水化物(糖質)の利用性が低い

猫は動物の肉などのタンパク質があれば、多くの糖質を必要としません。

猫は摂取した糖質のおよそ30~40%しか吸収できず、猫が糖質をメインのエネルギー源として利用するには効率が悪いのです。

猫は肝臓に強力な酵素があるため、糖質よりもタンパク質の方がエネルギーとして効率的に利用することができます。

多過ぎる糖質は腸の負担に

糖質の多いキャットフードをたくさん与えると、糖質を分解する腸に大きな負担がかかります。消化吸収が苦手な成分には消化も時間がかかりますから、沢山の糖質を摂りすぎれば、糖質を消化しきれずに消化不良を起こしたり、嘔吐や下痢などの症状が出ることもあります。

炭水化物の取り過ぎは糖尿病の原因に

また糖質の多いキャットフードは、猫の糖尿病のリスクも高めてしまいます。

猫はもともと糖尿病になりやすいと言われていますが、そこに糖質の多いキャットフードを猫に与えると、血液中の糖の値(血糖値)が高くなるので、糖尿病になりやすくなります。

低炭水化物食にはグレインフリー(穀物不使用)がおすすめ

もし糖質が低くタンパク質が多いキャットフードを選びたいなら、グレインフリーキャットフードの中から探すのがてっとり早いかもしれません。

グレインフリーキャットフードは糖質が多い穀物を不使用にしたキャットフードです。糖質は芋類や豆類にも含まれるため、グレインフリーが必ずしも低糖質とは言い切れませんが、穀物が低い分は動物の肉の配合が高い傾向にあり、猫のエネルギー源となるタンパク質を多く含むキャットフードであることが多いです。

キャットフード ランキング おすすめ 評価 評判 口コミ ランク

全124種徹底比較!真のキャットフードランキング【おすすめ10選&口コミ評価】

2016年8月29日

ABOUTこの記事をかいた人

アバター画像

一般社団法人ペットフード協会ペットフード販売士、キャットフード勉強会ディレクターとして、キャットフードに関する情報を提供しています。また、日本化粧品検定協会のコスメコンシェルジュ資格を有し、ペットフードだけでなく化粧品にも精通しています。販売時に必要な知識となる薬機法などについてもご紹介ができます。 日本化粧品検定協会会員。