キャットフードの原材料:パッションフルーツ(Passion Fruit)
パッションフルーツ(Passion fruit)は、高い糖度による強い甘味と程よい酸味、そしてさわやかな香りが特徴のトロピカルフルーツです。濃い赤紫色の皮は追熟するとしわが出てくるので、果実を割って黄色い果肉を種子ごとスプーンですくって食べます。
アメリカ大陸の亜熱帯地域を原産とするトケイソウ科植物の果実で、最大の生産地である本場ブラジルでは「マラクジャ」、和名ではクダモノトケイソウ(果物時計草)と呼ばれています。
パッションフルーツ自体は猫が食べても大丈夫な食べ物ですが、キャットフードでも使用しているブランドはほとんどなく、下で紹介しているフォルツァ10のミスターフルーツという商品以外でパッションフルーツを使用したキャットフードや猫用品は見つけられませんでした。
- フォルツァ10 ミスターフルーツ
パッションフルーツの栄養素と猫におけるメリット
βカロテン量が果物の中でもトップクラス
パッションフルーツは抗酸化作用のあるβカロテンを多く含む果物です。
βカロテンは、犬や人の場合、プロビタミンAとして体内でビタミンとして働きますが、猫の場合はβカロテンをプロビタミンAに変換する酵素を持っていないため、大部分がβカロテンとして利用されます。
βカロテンは強い抗酸化作用があることから、猫の細胞の老化を抑えることで老化防止、免疫力の強化、がん、糖尿病、脂質異常症、動脈硬化を予防する効果が期待されています。
ピセアタンノールによる脂肪生成の遅延・阻害や、心疾患の予防効果
パッションフルーツには、赤ワインにも含まれるポリフェノール「ピセアタンノール」が含まれています。
パッションフルーツに含まれるピセアタンノールには脂肪生成の遅延・阻害や、心疾患の予防効果などの可能性が期待されていて、ラットにおける胸部大動脈と冠動脈の血管拡張作用が報告されています。
パッションフルーツの注意点や危険性、毒性成分、副作用
葉や茎や果皮に青酸配糖体
葉や茎や果皮にプルナシン、サンブニグリンなどの青酸配糖体を含んでいます。
青酸配糖体によって嘔吐や下痢、腹痛、低血圧、低体温、ぐったりする、震えや痙攣、麻痺などの症状が現れるので、パッションフルーツは猫に近づけないように注意してください。
まとめ
- パッションフルーツはキャットフードや猫用品で使用されることは稀
- 強い抗酸化作用のあるβカロテンが豊富
- 脂肪生成の遅延・阻害や、心疾患の予防効果が期待
- 葉や茎や果皮には青酸配糖体が含まれるため注意