台湾で養蚕農家が蚕のサナギを使ったキャットフードが開発!カイコの栄養素と効果

キャットフード 蚕

<2021年12月>台湾の養蚕専門家がカイコのキャットフードを開発

蚕 キャットフード 台湾画像引用元:カイコは期待のキャットフード? 台湾の猫カフェで大人気

【2021年12月5日 AFP】ツンとすました茶トラの猫は、目の前の一風変わった餌を嫌がる様子もまったく見せず、ひげに付いた最後のかけらまできれいになめ取った。このキャットフードの原料は、カイコのさなぎだ。

台湾の猫カフェ「猫泰泰(マオタイタイ:Mao Thai Thai)」で暮らす15匹は、養蚕専門家が開発した新しいキャットフードの味見役を務めた。研究者によると、かつては絹生産の単なる副産物でしかなかったさなぎを活用した新しい餌には、有害な腸内細菌を取り除く作用がある。

2021年12月、台湾でカイコを使ったウェットタイプの缶詰キャットフードが開発されました。カイコのキャットフードはまだ販売は開始しておらず、台湾の猫カフェ「猫泰泰(マオタイタイ)」で15匹の猫たちに試食をしてもらったところです。猫たちの食いつきは上々で商品発売への期待が高まっています。

今回、カイコのキャットフードを開発したのは台湾で100年の歴史がある養蚕農家(苗栗区農業改良場)で、3代目として家業を継いだ徐維均さんは、絹糸(シルク)の生産だけでは採算が取れないことから、カイコの繭を化粧品の原料に利用したりするなど、養蚕業の可能性を模索しているところでした。

カイコを原料としたキャットフードの価格は1缶68台湾ドルで、日本円で約280円です。ウェットフード1缶の価格で考えれば高めになりますが、現在、ペットフード業界では、様々な代替原料による商品が開発されていますが、カイコもまた、持続可能で環境にも配慮した新しい原料ということで評判もよいと考えられています。

カイコ(蚕:silkworm)について

野生には存在しない昆虫

カイコはチョウ目カイコガ科に属する昆虫の一種です。カイコは生産のために家畜化された昆虫で、幼虫はクワの葉を食べて育ち、糸を分泌して繭を作ってその中でサナギに変わります。この糸が「絹(シルク)」の原料として利用されています。

蚕には羽はありますが飛ぶ力はなく、野生化、自然界にも生息していません。養蚕業は5,000年以上の歴史があり、初めて家畜化されたのは中国大陸で、カイコの祖先は東アジアに生息するクワコが起源となっています。

猫がカイコを食べても大丈夫?

カイコについては、世界重で古くから食用として利用されていたわけではなく、ここ最近の昆虫食のシルクフードとして注目されている食材なので、詳しい成分値などのデータがありませんが、中国料理ではカイコのサナギが健康食材として昔から食べられています

また、カイコには猫に必要な動物性タンパク質が豊富です。また、昆虫食のメリットとして、肉や魚、卵など一般的にキャットフードに利用される動物性タンパク質とは型(遺伝子)が大きく異なるので、アレルギーの交差反応のリスクも低いと言われています。

このためたとえば、肉にも魚にもアレルギーが出てしまう猫には、昆虫食を与えると、皮膚炎や消化器症状などのアレルギーが改善する可能性があります。

蚕サナギの糖尿病予防の効果

蚕 研究 栄養画像引用元:蚕サナギの栄養特性および糖尿病予防効果に関する研究 化学研究

本研究は、蚕サナギの栄養価、生理活性成分および糖質分解酵素阻害活性について調べた。蚕サナギ粉末の熱水抽出物質はアンデオテンシン変換酵素、糖質分解酵素、そしてラットの血糖上昇を阻害した。また、蚕サナギ粉末のリン酸緩衝液抽出物は、DPPHラジカル補足活性を示した。さらに、蚕サナギ粉末のメタノール抽出物は、黄色ブドウ球菌に対する抗菌作用を示した。これらの結果により、蚕サナギは糖質部なき酵素阻害作用及びその他の生理活性を有する新規素材となりことが示唆された。

さらに「蚕サナギの栄養特性および糖尿病予防効果に関する研究」によると、蚕サナギは血糖値の上昇を防ぎ、糖尿病予防への効果も期待されています

猫は血糖値の上昇によって発症する2型糖尿病にかかることがあり、また血糖値の急激な上昇は、猫の肥満の原因にもなります。血糖値の上昇を抑えながらタンパク質を多く摂取できるカイコは猫のダイエット食材としても向いている食材と言えます。

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喘息が治るという言い伝えがある

また、日本の関東地方では、カイコを乾燥粉末したものを飲むと、ぜんそくが治るという話があります。確かな研究データや報告があるわけではないので、あくまで噂の範囲にとどまりますが、古くからの言い伝えなので、カイコの粉末で喘息が治った人が何人もいたのかもしれません。

まとめ

猫田

以上今回は、カイコを使用したキャットフードが台湾で開発されたニュースについて紹介しました。

まだ販売開始前ということですが、環境問題や食糧難などの観点からメリットが多いというだけでなく、優れたタンパク源でありアレルギーのリスクも低いなど猫にとっても嬉しい点が多く、今後ペットフードでも昆虫食がひとつの選択肢として一般的になってくるかもしれません。

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一般社団法人ペットフード協会ペットフード販売士、キャットフード勉強会ディレクターとして、キャットフードに関する情報を提供しています。また、日本化粧品検定協会のコスメコンシェルジュ資格を有し、ペットフードだけでなく化粧品にも精通しています。販売時に必要な知識となる薬機法などについてもご紹介ができます。 日本化粧品検定協会会員。