キャットフードのアロエ。インスリン分泌を促し血糖値低下、抗炎症・抗腫瘍効果、毒性もあるため注意

キャットフード アロエ

キャットフードの原材料:アロエ(Aloe)

アロエ(Aloe)は肉厚な葉肉とトゲが特徴の多肉植物で、200種以上の有効成分が含まれていることから、食用・民間薬として古くから利用されてきた歴史があります。

アロエはツルボラン亜科アロエ属の植物の総称で300以上の種類がありますが、その中で食用・薬用として一般的なのがアロエベラキダチアロエです。

葉肉がみずみずしいゼリーのような食感で、キャットフードや猫用品においても、アロエのエキスや粉末を使用したドライフードや、果肉を使用したウェットフードが販売されています。

アロエをつかったキャットフード例

アロエベラの効果や作用、猫におけるメリット

糖尿病対策やダイエットにもおすすめ

アロエにはアルポランという多糖類が含まれます。アルポランにはインスリンの分泌を促し血糖値を下げる作用があり、糖尿病や肥満対策に効果があります。

また、セルロースなどの食物繊維も豊富で低カロリーなので、ダイエットや満腹感を与えながら体重管理を行いたいときにアロエダイエットをしたことがある人がいるかもしれません。

腸内環境を整える作用

アロエには保水力の高い多糖類やアロイン(バルバロイン)という成分が含まれています。アロインとはアントラキノン系の誘導体のことで、アントラキノンが大腸内細菌によって分解されることで大腸粘膜を刺激・腸管壁神経を刺激し排便を促し、腸内環境を整えたり便秘解消などの効果が期待できます。

抗炎症作用や抗腫瘍効果、アディポネクチンの上昇

キャットフード アロエ引用元:炎症を背景としたマウス大腸発がんモデルに対するキダチアロエ低分子成分の修飾作用

キダチアロエ抽出物(アロエ)やその主薬成分であるアロインは、抗炎症作用や抗腫瘍効果を有することが報告されている。我々はApc遺伝子欠損Minマウスにおけるアロエとアロインのがん予防効果を検討した。最初に、Minマウスに基礎食と低用量アロエ含有食を与えると、アロエは腸管腫瘍数を有意に低下させた。次に、高脂肪食摂取条件下で低用量アロエやアロインの影響を調べた結果、アロインは腸管腫瘍数を有意に減少させ、血漿アディポネクチンを上昇させた。これらの結果は、低用量アロインは高脂肪食摂取Minマウスの腸管腫瘍発症に対して予防効果を有し、血中アディポネクチン上昇と部分的に関連することを示唆する。

また、アロインには腸内環境を整える以外にも、抗炎症作用や抗腫瘍効果が報告されています。

アロインの影響を調査した研究では、大腸がんのマウスに低用量のアロエ含有食を与えたところ、腸管腫瘍数が低下しています。

また、アロインによって体に有益な生理活性を非常に多く持つアディポネクチンも上昇しています。血漿アディポネクチンとは脂肪細胞から分泌されるタンパク質のことで、糖の取り込み促進、脂肪酸燃焼、インスリン受容体の感受性を高める、動脈硬化抑制、抗炎症、心筋肥大抑制作用などがあります。

アロエ(バーバロイン)の注意点、副作用、危険性

アロインは効果も多い反面、下痢や嘔吐、腎臓に悪影響を与える可能性

バーバロインとも呼ばれるアロインは、様々な効果やメリットがある反面、緩下作用(下剤)があり、猫がアロインを摂取すると下痢や嘔吐、また腎臓に悪影響を与える可能性があります。このためアメリカではアロインを除去したアロエ食品やジュースが販売されています。

キャットフードにおいてはどのようなアロエ原料を使用されているかは定かではありませんが、食品ではアロエエキスやアロエジュースなどはアロインが除去されているものも多いため、もしアロエ入りのキャットフードで気になる場合は、アロインが含まれるのかどうか確認してみてもいいかもしれません。

まとめ

  • アロエには有効成分が非常に多く含まれる
  • 血糖値低下や糖尿病・肥満予防
  • 腸内環境を整える作用
  • 抗炎症作用や抗腫瘍効果、アディポネクチンの上昇
  • アロインには緩下作用があり下痢や嘔吐、腎臓に悪影響を与える可能性

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一般社団法人ペットフード協会ペットフード販売士、キャットフード勉強会ディレクターとして、キャットフードに関する情報を提供しています。また、日本化粧品検定協会のコスメコンシェルジュ資格を有し、ペットフードだけでなく化粧品にも精通しています。販売時に必要な知識となる薬機法などについてもご紹介ができます。 日本化粧品検定協会会員。