キャットフードの赤色103号(エオシン)1971年から食品へ使用禁止。安全性データなし

キャットフード 赤色103号 エオシン

キャットフードの着色料:赤色103号(エオシン)

赤色103号は「エオシン(Eosin)」という赤い蛍光色素を付ける合成着色料(タール色素)です。

エオシンはタンパク質のような化合物に結合することで暗い赤色や紫っぽいピンク色に着色します。使用例としては口紅やマニキュアのコーティングなどの化粧品類、インクや燃料などがあり、わかりやすい例としては、顕微鏡で対象を見やすくするために赤紫色に染色されている画像を見ることがあるかと思いますが、その着色に利用されているのも赤色103号(エオシン)です(当記事アイキャッチのような画像)。

日本国内の食品へは使用禁止の添加物

赤色103号(エオシン)は日本国内で食品添加物としての使用は許可されていません。

赤色103号(エオシン)を含むいくつかの合成着色料は、1960~70年代に国内使用が禁止となり、食品添加物リストから削除されました。

現在も赤色103号(エオシン)は既存添加物リスト・指定添加物リストのどちらにも登録されておらず、国産食品への使用は禁止となっています。

赤色103号(エオシン)を使用したキャットフード例

キャネットチップは国産キャットフードなのにどうして使用できるのか疑問に思うかもしれませんが、日本ではキャットフードは食品に分類されないので、食品添加物として認められていなくてもキャットフードには使用することができます。

キャネットチップの着色料が赤色102号から赤色103号に変更されたのは比較的最近で、合成着色料自体の使用が避けられる中、あえて食品添加物のリストにもない赤色103号に変更した理由は気になるところです。

ただ、ペットフードで使用される添加物は、基本的に食品添加物リストに登録されているものの中から選択することが多く、キャネットチップ以外で赤色103号を使用しているキャットフードは見られなかったので、ほとんどのメーカーで使用されていないと思われます。

赤色103号(エオシン)の猫への危険性・悪影響

安全性を確認するデータ不十分のため食品添加物から削除

キャットフード 赤色103号 エオシン画像引用元:食品衛生法施行規則及び食品、添加物等の規格基準の一部改正について|環境衛生局

2 クロラミンT、食用赤色103号及び硫酸銅については安全性を確認するためのデータが十分でないと判断されたため指定が削除されたものであること。

赤色103号は、昭和46年(1971年)2月26日に、厚生労働省より安全性を確認するためのデータが不十分と判断され指定添加物リストから削除されています

戦後すぐの時点で食品添加物から除外されているということから、赤色103号は添加物の危険性が注目されるようになる以前から警戒されていた着色料のひとつと言えます。

そんな着色料が現在もペットフードに使用されているということは悲しいことですが、愛猫の健康と安全を守るために覚えておきたい情報です。

まとめ

  • 食品添加物リストから1971年に削除
  • 食品には使用禁止だが国産キャットフードに使用するメーカーも

キャットフードの合成着色料とは?発がん性や遺伝毒性、猫への危険性を解説

2016年12月5日

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一般社団法人ペットフード協会ペットフード販売士、キャットフード勉強会ディレクターとして、キャットフードに関する情報を提供しています。また、日本化粧品検定協会のコスメコンシェルジュ資格を有し、ペットフードだけでなく化粧品にも精通しています。販売時に必要な知識となる薬機法などについてもご紹介ができます。日本化粧品検定協会会員。