キャットフードのカルシウムとリンの関係と比率、マグネシウムの割合も解説

鈴木さん
キャットフードの栄養素のバランスで良く話題に上がるのが、リンとカルシウムの関係やその比率ですよね。
猫田
はい、キャットフードを選ぶ上でも見ておきたい項目の一つです。

キャットフードのカルシウム:リンの関係

カルシウムとリンで骨を形成

カルシウムとリンは骨を形成する働きを担っています。

ほとんどの骨は、カルシウムとリンから作られるハイドロキシアパタイト(リン酸カルシウム)でできており、どちらかがなくなってしまうと、骨を形成することができなくなってしまいます。

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カルシウムとリンの適正比率

カルシウムとリンの適正比率は、

カルシウム:リン= 1:0.8

と言われています。ぴったりこの比率にすることは難しいですが、大きくかけ離れると体に影響が出ます。次からはなぜカルシウムとリン比率が大切なのか理由を解説します。

カルシウムが多すぎるとなる病気

尿路結石(シュウ酸カルシウム結石)の原因に

カルシウムは骨の形成や筋肉の動きに重要な成分です。

しかし体内でカルシウムの濃度が非常に高くなると、尿路結石(シュウ酸カルシウム尿石)の原因になることがあります。

尿路結石は猫がなりやすい病気の一つですが、ストルバイト結石と違って食事療法で溶かすことができない結石のため、手術が必要になります。

他成分の働きを妨げる

体内でカルシウム濃度が高くなると、他の成分、例えば亜鉛(皮膚の維持、酵素や代謝機能)などの利用率低下を招くことになります。

カルシウムなどのミネラルは、相互で作用し合い働くことが多いため、カルシウムが多くなり過ぎると他の成分の働きが妨げられることになるため、過剰摂取は良くありません。

リンが多すぎるとなる病気

腎不全の悪化

リンは肉類に多く含まれているため、猫がリン不足になることは稀だと言われています。むしろリンの過剰摂取が問題になることが多く、リンを過剰に摂取すると、腎臓病(腎不全)を悪化させたり、低カルシウム症の原因になります。

骨をもろくしてしまう

またリンは沢山ある過ぎると、カルシウムを補おうと骨を溶かしてしまいます。するとカルシウムを補うために溶かされてた骨がもろくなっていき、些細なことで骨折や怪我をしやすくなります。

猫の手作りごはんは注意

手作りで比率まで考えるのは難しい

手作り食は、食材や調理の中でカルシウムとリンの比率を考えなければいけないので、キャットフードの何倍も管理が難しくなります。

それを毎日、毎食となれば、徐々にカルシウムとリンのバランスも偏ってきてしまうことが多いです。

バランスの摂れたキャットフードを選ぶ

猫の健康を考えるなら、しっかりと栄養バランスが偏らないように考えられたキャットフードを選ぶのがおすすめです。

キャットフードは総合栄養食を選選べば、ミネラルや必要な栄養素が計算されて配合されるので安心と言えます。

キャットフードによっては成分表示にカルシウムとリンの比率が書かれたキャットフードもあります。その割合を確認することで、カルシウムとリンのバランスがきちんととれているかを確認することができます。

マグネシウムの比率もついでに確認しよう

またカルシウムとリンだけなく、一緒にマグネシウムの比率が書かれたキャットフードもあります。

カルシウム:リン:マグネシウムの適正比率は1.2~1.5:1:0.08~0.1と言われています。これは尿路結石ができにくいと言われている割合です。

以下提携サイトのマッサンのキャットフードの学校の記事も合わせてご覧頂けますとご参考いただけるかもしれません。

ドライフードの原材料について知っておきたいこと。注意すべき原材料、内容量、成分バランスについて。

マグネシウムもまたミネラルの一つとして他の成分に大きく影響を与えます。マグネシウムも併せて見ることで、よえい栄養バランスの摂れたキャットフードを選ぶことができます。

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一般社団法人ペットフード協会ペットフード販売士、キャットフード勉強会ディレクターとして、キャットフードに関する情報を提供しています。また、日本化粧品検定協会のコスメコンシェルジュ資格を有し、ペットフードだけでなく化粧品にも精通しています。販売時に必要な知識となる薬機法などについてもご紹介ができます。日本化粧品検定協会会員。