キャットフードの保存料ソルビン酸カリウムとは?使用基準と毒性を解説

ソルビン酸カリウム キャットフード

キャットフードのソルビン酸カリウム

保存料として加えられる添加物

ソルビン酸カリウム(potassium sorbate)は、保存料として利用される食品指定添加物の一つでキャットフードでもよく利用されています。原材料名欄には「ソルビン酸K」と表記されることが多いです。

ソルビン酸とその塩類は、広範囲の微生物に対して抗菌作用が働くことがわかっています。また安全性が高いことで知られ、世界でも多く国で保存料として使用が認められています。

キャットフードにおいてもソルビン酸カリウムは、細菌、微生物やカビの増殖、変色、腐敗や食中毒のリスクを減らし、フードを食べるその時まで品質と安全性を保てるように加えられています。

60年間の使用実績あり

ソルビン酸カリウムは1939年、1940年にドイツ、アメリカで発見され、日本では1960年(昭和35年)に食品添加物として登録されました。それから現在まで約60年の間、チーズ、魚肉ソーセージ、食肉製品、漬け物、ケチャップ、ジャム、スープ、乳酸飲料など様々な加工食品に使用されてきました。また、食品以外にも、歯磨き粉、シャンプー、化粧品などにも使用されています。

ソルビン酸カリウムの使用基準

日本のペットフードは使用基準なし

ペットフード安全法では、BHA、BHT、エトキシキン、亜硝酸ナトリウム以外の添加物の使用基準や制限が設けられていないので、ソルビン酸カリウムも上限値や規格などは決められておらず、どのくらい使用しても法律違反にはひっかかることはありません。4つの添加物以外では、農薬や汚染物質の成分規格のみの規制しかないので、日本のペットフードに使用する添加物への規制は非常に緩いと言えます。

ソルビン酸カリウムの毒性、危険性

食品では使用基準が設けられている

ペットフードではソルビン酸カリウムの使用基準はありませんが、日本の「食品」に関しては、急性毒性、亜急性毒性、変異原性、慢性毒性および発がん性の試験がされた上で加工食品毎に細かく成分基準が設けられています。

対象食品使用量の最大限
度(ソルビン酸
として)
チーズ3.0g/kg

カリウム
うに、魚肉練り製品(魚肉すり身を除く)、
鯨肉製品、食肉製品
2.0g/kg
いかくん製品、たこくん製品 1.5g/kg
あん類、かす漬の漬物、こうじ漬の漬物、
しょう油漬の漬物、塩漬の漬物、みそ漬
の漬物、キャンデットチェリー、
魚介乾製品(いかくん製品及びたこくん
製品を除く)、ジャム、シロップ、たくあ
ん漬(一丁漬及び早漬を除く)、つくだ煮、
煮豆、ニョッキ、フラワーペースト類、
マーガリン、みそ
1.0g/kg
ケチャップ、酢漬の漬物、スープ(ポタ
ージュは除く)、たれ、つゆ、干しすもも
0.50g/kg
甘酒(3 倍以上に希釈して飲用するものに
限る)、はっ酵乳(乳酸菌飲料の原料に供
するものに限る)
0.30g/kg
果実酒、雑酒0.20g/kg
乳酸菌飲料(殺菌したものを除く) 0.050g/kg(乳酸
菌飲料の原料に
供するものにあ
っては 0.30g/kg
(以下、ソルビン酸カリウムに限る)
菓子の製造に用いる果実ペースト(果実
をすり潰し、又は裏ごししてペースト状
にしたもの)、菓子の製造に用いる果汁
1.0g/kg

使用基準以上の毒性や発がん性はなし

ソルビン酸カリウムは欧米でも使用されている食品添加物で、定められた量を超えた使用でなければ毒性はないとされていますが、基準以上の摂取を行った場合、安全かどうかはわかりません。ただ食品安全委員会や厚生労働省などの情報を見る限り、ソルビン酸カリウムやソルビン酸カルシウムによる毒性や発がん性の可能性などは認められておらず、ソルビン酸による健康被害や危険性を指摘する報告は見当たりません。

キャットフードのソルビン酸カリウムまとめ

  • ソルビン酸をカルシウム塩で中和させた合成添加物
  • 60年以上の使用実績あり
  • 欧米でも使用が認められている
  • 食品では使用制限がある
  • 安全性や発がん性等に関する報告はない

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一般社団法人ペットフード協会ペットフード販売士、キャットフード勉強会ディレクターとして、キャットフードに関する情報を提供しています。また、日本化粧品検定協会のコスメコンシェルジュ資格を有し、ペットフードだけでなく化粧品にも精通しています。販売時に必要な知識となる薬機法などについてもご紹介ができます。日本化粧品検定協会会員。