キャットフードのザクロ。抗酸化作用や中性脂肪低下、学習記憶能力の改善などの効果

キャットフードの原材料：ザクロ（Pomegranate）

ザクロ（Pomegranate）はミソハギ科ザクロ属の木になる果実で、爽やかな甘みと酸味、そしてプチプチとした食感が特徴のフルーツです。

世界各地で栽培されていますが、特にトルコから中東アジアにかけての地域でよく食べられています。

ザクロはアントシアニンやエラグ酸などのポリフェノールが豊富で、ポリフェノールが多いと言われるブルーベリーや赤ワインと比較してもザクロは非常に高いポリフェノール量で圧倒しています。

ポリフェノールによって様々な健康効果が期待されることから近年注目されているスーパーフードのひとつで、“老化を遅らせる食べ物”としてテレビでも紹介されました。

ザクロの栄養素と猫におけるメリット

ポリフェノールのエラグ酸がブルーベリーの164倍

ザクロにはポリフェノールの一種で強い抗酸化作用をもつエラグ酸が豊富に含まれています。その量はブルーベリーの164倍と言われ、他の食材と比較してもトップクラスです。

エラグ酸は強い抗酸化作用の他、中性脂肪の産生抑制、血中の悪玉コレステロールや中性脂肪を低下させる働きがあり、脂肪低下によるダイエット効果や糖尿病予防、肥満防止などの効果が期待されています。

犬の場合、人や猫に多いⅡ型糖尿病ではなく、発症する多くが先天性のＩ型糖尿病なので血糖値や抗糖化による糖尿病予防はあまり関係ないかもしれませんが、高血圧の予防などにも役立ちます。

また、エラグ酸は体内で「プニカリン」「プニカラギン」「ウロリチンA」に変化し、細胞の若返りを促す長寿遺伝子（サーチュイン遺伝子）の活性化を助けることから、老化防止や長寿に良いと近年注目されています。

酸化ストレスを軽減し、糖尿病ラットの学習および記憶能力の障害を改善

引用元：Pomegranate (Punica granatum L.) flower improves learning and memory performances impaired by diabetes mellitus in rats｜NCBI

ザクロ (Punica granatum L.) の花は、糖尿病によって障害されたラットの学習能力と記憶能力を改善します

糖尿病によって引き起こされる酸化ストレスは脳に損傷をもたらし、その結果として認知機能が損なわれます。したがって、糖尿病の治療には、抗糖尿病薬に加えて、酸化ストレスに対処するために抗酸化物質が使用されます。酸化ストレスに対処するザクロの花(PGF)の抗酸化能力を調査しました。ラットを、以下に示すように、各グループ12匹の5つのグループに分けました:対照、糖尿病(STZ)、STZ+PGFI(300mg/kg/日)、STZ+PGFII(400mg/kg/日)、およびSTZ+PGFIII(500mg/kg/日)。モリス水迷路およびプローブ試験からの結果は、STZグループの動物は対照グループと比較して学習および記憶能力に障害があることを示しました。PGFの補給は、糖尿病ラットの学習および記憶能力の改善につながりました。STZ誘発糖尿病ラットの海馬組織では、脂質過酸化（LPO）が増加する一方（P<0.001）、グルタチオン（GSH）含有量が減少しました（P<0.001）。対照値と比較した場合。PGFの補給により、LPOおよびGSHのレベルがそれらの対照値に向かって回復した。糖尿病ラットに毎日PGFを補給すると、海馬における糖尿病によって誘発されるグリア原線維酸性タンパク質(GFAP)含有量の増加が減少しました。これは、STZ群と比較してSTZ+PGFIIIで有意でした(p<0.05)。結論として、これらの観察は、PGFの補給が酸化ストレスを軽減し、糖尿病ラットの学習および記憶能力の障害を改善することを示唆しています。したがって、PGFの補給が糖尿病患者の神経欠損の治療に臨床的に有用である可能性があることを示唆します。

糖尿病ラットを対象に、酸化ストレスによる認知機能低下に対するザクロの効果を検証した結果、ザクロの花を摂取することで、酸化ストレスが減少し、学習能力や記憶力の障害が改善されたと報告しています。

ザクロの注意点、毒性や副作用

ザクロの皮や種には中毒成分が含まれる

ザクロの樹皮や根皮にはアルカロイドの一種で「ペレチエリン」という猛毒が含まれています。ペレチエリンはザクロが草食動物から身を守るために作り出す苦み成分です。

ザクロを皮ごと食べてしまったり、幹、枝、根の皮などを食べてしまうと、下痢や嘔吐、めまい、胃の炎症、運動失調、失神、神経マヒなどの中毒症状を引き起こすため、注意してください。

人用の食品やサプリメントもNG

ザクロの効果効能を目的に様々な機能性食品やサプリメントが開発販売されていますが、人用に作られた製品の中には猫が食べると危険な成分や原材料が含まれる場合があるので、与えてはいけません。

まとめ

• 強い抗酸化作用、中性脂肪の産生抑制、血中の悪玉コレステロールや中性脂肪を低下させる働き
• 細胞の若返りを促す長寿遺伝子（サーチュイン遺伝子）の活性化を助ける
• 糖尿病ラットの学習および記憶能力の障害を改善
• ザクロの皮や種には中毒成分ペレチエリンが含まれるため根や皮に注意

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2019年8月27日