キャットフードのカビ毒。アフラトキシンB1やゼアラノレンの発がん性や肝毒性のリスク

カビ毒 猫 キャットフード

カビ毒とは?

毒性や発癌性があるカビの代謝産物

カビ毒(Mycotoxin)とは、穀類などの植物原料に発生するカビが、代謝産物として作り出す有毒な化学物質の総称で「アフラトキシン」や「ゼアラノレン」を始め、現在300種類以上が確認されています。

摂取量によっては死に至る

カビ毒は非常に毒性が強く、猫の肝臓や腎臓、胃腸などの消化器官や、内分泌器官に毒性を示します。また、発がん性も確認されている種類もあり、摂取量によっては給餌した猫が死に至る場合もあります。

カビ毒がキャットフードに混入した場合

安定性が高く加熱しても分解されない

カビ毒が発生しやすいトウモロコシ原料や米原料が使用されているキャットフードにはカビ毒が混入する可能性があります。また、カビ毒は熱に強く、通常の加熱調理では分解されないので、一度カビ毒が混入すると除去や無毒化は難しいです。

実際、カビ毒が検出されたキャットフードやドッグフードもあり、検出された商品はリコールによる自主回収などが行われます。

アフラトキシン(AFB1、AFB2)

最も発癌性が高い危険なカビ毒

キャットフード カビ毒 アフラトキシン引用元:環境省「ペットフード安全法のあらまし」基準・規格の設定 成分規格

汚染物質のアフラトキシンB1は、トウモロコシなどの穀類に繁殖するカビが産生する物質で、発がん性があります。

アフラトキシンは、現在発見されている天然物質の中で最も発がん性が高いとされています。アフラトキシンは発がん性の他にも、一度に大量摂取することで肝毒性による黄疸や肝硬変、造血機能低下、免疫力抑制、嘔吐・下痢(血便)など猫に様々な中毒症状を引き起こし、摂取量によっては死亡します。

ペットフード安全法でも規制対象に

アフラトキシンは、汚染されたトウモロコシ原料など穀類をはじめ、ナッツ類や香辛料などのカビから発生しますが、その強い毒性から、ペットフード安全法でも1gあたり0.02μg以下でなければならないと定められています。

<最新情報>アフラトキシンで犬70頭以上が死亡、80頭以上に中毒症状

2020年12月にアメリカのスポートミックス(Sportmix)が販売するドッグフードの一部から高濃度のアフラトキシンが検出され、アフラトキシン混入によって犬70頭以上が亡くなっており、ペット80頭以上に中毒症状が出たと報告されています。2021年1月にはオクラホマ州の同工場で製造されたブランドにもリコール対象が拡大されました。

スポートミックスではキャットフードも販売されていますが、日本での販売はありません。また、キャットフードには問題となったアフラトキシンの原因になっているトウモロコシ原料は使用されていません。

ゼアラノレン(ZEA、ZON、ZEN)

猫の流産や不妊、繁殖障害を招く

ゼアラノレンは穀物や牧草に発生することが多く、急性毒性は低いとされていますが、正常なホルモン分泌をかき乱す作用(内分泌攪乱作用)があり、特にエストロゲンに影響を与え、不妊や流産など猫の繁殖障害を引き起こします。

ちなみにアフラトキシンは規制の対象となっていますが、同じカビ毒のゼアラノレンはペットフード安全法の成分規格で基準が設けられていません。

<2019年>ネスレ フリスキー子猫用フードに混入、3840袋がリコール対象に

ネスレから販売された「フリスキードライ 1歳まで子ねこ用マグロ・チキン・野菜・ミルク入り」から2019年にゼアラノレンが検出されました。不妊手術を行っていない子猫に長期間与え続けると、発情を早める可能性があることから、3840袋がリコールの対象になりました。

キャットフードにおけるカビ毒の予防法

カビが発生した原材料を使わない

カビ毒は、安定性が高く調理程度の加熱では分解されないので、一番はカビが発生した原材料をキャットフードに使用しないことが一番です。そもそもカビ毒は植物に発生した「カビ」が作り出す物質なので、カビが生えた食材を使用しなければ、カビ毒が混入することはありません。

カビ毒が発生しにくい原材料を使用した製品

カビ毒だけを防ぐことを考えるなら、カビ毒が発生しやすい穀物や豆類、ナッツ類、果物類を不使用にしたキャットフードを選ぶことで、カビ毒の危険は避けられるかもしれません。

ただそこまでの対策するほどカビ毒に汚染されたキャットフードが世に出回っていることはまずないので、原産国や原材料、成分に配慮したキャットフードであることがわかる製品を選べば問題ないかと思います。

まとめ

  • カビ毒は穀物や果物など汚染された植物原料に発生
  • カビ毒には強い発がん性や肝毒性、内分泌攪乱作用などがある
  • アフラトキシンはペットフード安全法で基準値が定められている

ABOUTこの記事をかいた人

一般社団法人ペットフード協会ペットフード販売士、キャットフード勉強会ディレクターとして、キャットフードに関する情報を提供しています。また、日本化粧品検定協会のコスメコンシェルジュ資格を有し、ペットフードだけでなく化粧品にも精通しています。販売時に必要な知識となる薬機法などについてもご紹介ができます。 日本化粧品検定協会会員。