猫はうどん(udon)を食べても大丈夫!
季節を問わずご家庭で食べられるうどん。茹でていると近寄ってきて欲しがったり、目を離したすきに盗み食いする子もいるでしょう。
「うどん自体にはそれほど味が無いけど、猫はうどんを食べても大丈夫?」と不安になる飼い主さんも多いのではないでしょうか。
この記事では、うどんの栄養素や与えるメリット、注意点をご紹介します。
うどんの栄養素
下表は、茹でたうどん100gあたりの栄養素です。
エネルギー | 95 | kcal |
タンパク質 | 2.6 | g |
炭水化物 | 21.6 | g |
ナトリウム | 120 | mg |
リン | 18 | mg |
鉄 | 0.2 | mg |
ナイアシン | 0.2 | mg |
※日本食品標準成分表(八訂)増補2023年
うどんの原材料は小麦粉、塩、水というシンプルな材料です。主な栄養素はエネルギー源となる炭水化物と、体を作るたんぱく質となり、栄養素が豊富に含まれているとはいえません。
しかし、うどんの与え方によっては猫の健康に良い食べ物なんです。
うどんを与えるメリット
消化に良い
うどんは非常に消化のいい食べ物です。人の食事においても、風邪をひいて胃腸が弱っているときや食欲がないとき、健康診断の前日に食べるなど、季節や時間を問わず活用しています。
猫も同じで、お腹の調子が悪いときや食欲不振のときなどに与えると良いでしょう。
キャットフードへの食いつきが悪い子に
うどんは茹でることで香りが立つので、キャットフードにトッピングすることで食欲促進が期待できます。
総合栄養食であるキャットフードには猫の健康に欠かせない栄養素が豊富に含まれているので、毎日食べてほしいものです。
キャットフードに飽きてしまった猫や食いつきが悪い子、おやつばかり食べている子におすすめです。
シニア猫におすすめ
うどんは煮込めば煮込むほど柔らかくなります。そのため、噛む力が弱くなっているシニア猫も食べることができます。年齢を重ねると食欲が低下しがちですが、茹でて香りが立ったうどんは食欲促進に期待できます。
また水分も多く含まれているので、水分摂取にも活用できます。
あくまでサポート役として
うどんはほとんどが炭水化物とタンパク質です。これまでご紹介した通り、主食ではなく、あくまでサポート役の食べ物として活用しましょう。
うどんを与えるときは1㎝程度に小さくカットしましょう。長い麺状のままでは消化不良で嘔吐してしまったり、喉に詰まる恐れがあります。
ソバも与えても大丈夫
うどんと似ている食べ物であるソバも、猫に害となる成分は含まれていないため与えても大丈夫です。
しかしうどん同様、塩分が含まれているので、与えすぎには注意が必要です。また、ソバアレルギーの猫には与えてはいけません。
年齢別うどんの適正量
猫は年齢によって消化機能の発達具合や摂取カロリー量が異なるので、うどんの与え方にも注意しなければなりません。
うどんを与えるのは1週間に1回程度で、1日の総摂取カロリー量の10%が理想となります。キャットフードにトッピングしたり、おやつとして与えましょう。積極的な日常摂取はおすすめできません。
子猫
生後12か月までを子猫といいますが、生後6ヵ月あたりまでの食事は離乳食です。そのため、子猫にうどんを与えるのであれば生後6ヵ月以上になってからが良いでしょう。
生後6ヵ月ごろに離乳食期を終えて固形の食べ物を食べるようになり、さまざまな食べ物に興味を持ち始めます。うどんは柔らかく消化にいいので、固形の食べ物のスタートとしておすすめです。
しかしこの時期はアゴや喉の力が弱く、消化機能もまだ十分に発達していないため、うどんを多量に与えると喉に詰まったり、消化不良となる恐れがあります。
また、子猫は成長のために成猫よりも多くの栄養素やカロリーを摂取しなければなりません。しかしうどんには栄養があまり含まれておらず、豊富に含まれる炭水化物は肥満の原因となるため、与えすぎには注意が必要です。
子猫の1日の適正摂取カロリーは、体重×70~80kcalです。主食をキャットフードとし、トッピングやおやつとして1回の適量は10~30gとなります。
成猫
成猫の1日の適正摂取カロリーは、体重×50~75kcalです。主食をキャットフードとし、トッピングやおやつとして1回の適量は10~20gとなります。
成猫はアゴや消化機能が発達し、食欲旺盛のため、丸飲みしてしまう傾向にあります。一気食いや丸飲みをしないように小さくカットして与えましょう。
シニア猫
シニア猫の1日の適正摂取カロリーは、体重×40~60calです。主食をキャットフードとし、トッピングやおやつとして1回の適量は10gとなります。
シニア猫に与えるときは柔らかくなるまで茹で、十分に冷ましてから与えましょう。
猫にうどんを与えるときの注意点
小麦アレルギーの猫には与えない
うどんには小麦粉が含まれているので、小麦アレルギーを持っている子には与えてはいけません。
また小麦アレルギーを持っていなくても、初めてうどんを与えるときは1㎝程度に小さくカットしたものを1つずつ与えましょう。食べたあともしっかりと様子や体調を確認し、下痢や嘔吐、皮膚の痒み、痙攣などの症状があらわれたら動物病院で診てもらってください。
人用のうどんは与えない
人用に作られたうどんは、猫に与えてはいけません。
人がうどんを食べるときは、めんつゆなどの調味料やネギなどのトッピングと一緒に食べるでしょう。しかし猫にとっては調味料は塩分過多となり、トッピングに使われるネギなどは猫にとって中毒となります。
うどんのみを与えたとしても、ネギのエキスがつゆに流れ出している可能性があります。ほんの少量であったとしても中毒症状が起きる恐れがあるため、与えるのは控えましょう。
塩分の取り過ぎに注意
うどんには猫に有害となる成分が含まれていないため食べても大丈夫ですが、気を付けたいのは原材料の塩です。塩分の取り過ぎは腎不全や高血圧の原因となります。
茹でたあとに水洗いをすることで塩分は少々取り除くことができますが、猫に与えるときは少量にしてください。
ベストはペット用のうどんを与えるか、無塩のうどんを選びましょう。
与えすぎは肥満の原因に
うどんは100gあたり95kcalとカロリーが高い食べ物です。そのため、与えすぎると肥満になる恐れがあります。
またうどんの主成分は炭水化物とタンパク質なので、栄養を十分に摂取できていないにも関わらずカロリー摂取量が多い…という状況になってしまいます。
運動量が少ない子はカロリーを消費することが追い付かず、またシニア猫は消化機能の低下により、肥満になりやすいので注意が必要です。
まとめ
- うどんは主食ではなく、サポート役として活用する。
- うどんは栄養が偏っているが、与え方によってメリットがある
- 年齢別に与える適量が異なる
- 与えすぎは塩分過多、肥満になる恐れがある