キャットフードの水素。猫の慢性腎臓病に効果あり!悪玉活性酸素の除去と抗酸化性を解説

キャットフードの水素

キャットフードの成分:水素(hydrogen)

地球上に最も多く存在し「水」を構成する

水素は水(H2O)を構成する原子で、地球上で最も多く存在する物質です。水素は体に必要不可欠な物質ですが、猫の必須栄養素として最低基準などは定められていません。

水素は水分として体に必要不可欠である他にも、抗酸化物質の一種として認められており、悪玉活性酸素と反応して水となって効率良く体外に排出する働きがあります。

水素水やサンゴカルシウム、ケイ素食品剤がよく利用される

水素の効果や働きを利用した猫用水素水や水素系サプリが配合されたキャットフードが販売されています。水素水に配合される場合は、水素分子(H2)として利用されます。

水素水のように液体であれば高濃度の水素を配合できるので、ミネラル量を最小限にし、水素を多く含んだ猫用水素水が販売されています。

水素配合の猫用製品

また、サプリメントやドライフードのような乾燥製品の場合は、サンゴカルシウムやケイ素食品剤など、体内に入った時に水素を発生させる物質が利用されます。

キャットフード ケイ素

キャットフードのケイ素。猫の腎臓病(腎不全)への効果とシリカ結石のリスク。

2021年7月1日

猫の体内における水素の効果と働き

水素には様々な効果や働きが報告されている

水素 キャットフード 効果引用元:水素分子の生理作用と水素水による疾患防御 図3 水素水の多様な効果|日本老年医学会

水素には、下記のような様々な疾患や病気、アレルギーに対しての改善や緩和作用が確認されています。

  • 神経変性疾患抑制(パーキンソン病、アルツハイマー、ストレス障害、難聴など)
  • 動脈硬化抑制
  • 放射線障害抑制
  • 薬剤副作用抑制
  • 腎機能/腎移植障害抑制
  • 小腸移植による障害抑制
  • アレルギー性疾患食性
  • 抗疲労効果
  • 酸化ストレス抑制
  • 糖尿病の改善

これだけの作用があるということは、私自身、調べていて初めて知りました。どうりで人間のあいだでも水素水が人気なわけだ…と思いました(笑)

すべてが猫にも共通した作用かどうかは分かりませんが、ラットなど同じ哺乳動物に対する調査や研究で明らかになっている報告も多いので、猫にも効果がある可能性は高いかと思います。

慢性腎臓病、腎不全への効果あり。猫飲料療法にも利用

慢性移植腎症でも水素水の抑制効果が報告されている。腎臓を同種移植したラットでは蛋白尿の増加とクレアチニンクリアランスの低下が進行し予後不良となるが、水素水の摂取は炎症と酸化ストレスを抑制して腎機能を改善し、生存率が上昇した。また、慢性腎臓病モデルラットに水素水を飲ませ、片腎の虚血再灌流による心腎連関障害への影響が調べられている。この系では水素水飲用により、糸球体癒着等の腎病変の抑制と同時に心筋線維化などの心臓での病変も抑制されていた。

引用元:水素分子の生理作用と水素水による疾患防御 図3 水素水の多様な効果|日本老年医学会

猫における水素の効果の中でも特に注目されているのが、腎疾患への効果です。高齢猫の約8割が発症していると言われる慢性腎臓病は、猫が最も発症しやすい病気の一つで、一度進行すると完治することは不可能とされているため、治療も難しいとされています。

ところが、慢性腎臓病のラットに水素水を飲ませた結果、腎病変の抑制効果が確認されたと報告されています。

また、宮崎県のさがら動物病院では、慢性腎不全の猫に対してナノバブル水素水とケイ素水を利用した補助療法が行われており、従来の治療法と比較して健康寿命の延長と、体重やBUN値の変化に明らかな違いを見出すことができたと報告しています。

水素系サプリや水素水を腎不全の猫に対して与えている飼い主さんも多く、中には大幅な改善が確認できたという口コミもありました。

便の臭いや体臭、口臭を緩和、改善

また、ペットへの効果としては、便の臭いや体臭、口臭の緩和や改善されたという声が聞かれます。

水を飲むだけでは水素の働きは得られないのか

猫 キャットフード 水素

私も疑問に思いましたが、水を構成する水素にそんな効果があるのなら、水をがぶ飲みすればいいのでは?猫にも水を沢山飲ませればいいのでは?と感じましたが、水と水素水では違いがあるようです。

水素水には、通常の水よりも水素量が多く高濃度で配合されているため、同量の水を飲んでも水素水の方がより沢山の水素を摂取できます。

また水素水は、自然に作り出すのは不可能で、水素水は電気分解によって水素を取り出し水に溶解させるため、より反応しやすい状態で摂取することができるようです。

水素系サプリについても、ケイ素食品剤は、強酸性の胃の中では分解吸収されず、アルカリ性の膵液が分泌される小腸で水素が生成されるます。水素が腸まで届くことで、より高い効果が期待されるとのことなので、水素系製品は、水よりも水素がより体に吸収されやすい状態で配合されているということなのかもしれません。

まとめ

  • 水素は様々な働きが期待されている
  • 慢性腎臓病進行の抑制効果あり
  • 糖尿病や動脈硬化など生活習慣病予防に効果あり
  • ペット用水素水や水素系サプリが販売されている

ABOUTこの記事をかいた人

鈴木利奈

一般社団法人ペットフード協会ペットフード販売士、キャットフード勉強会ディレクターとして、キャットフードに関する情報を提供しています。また、日本化粧品検定協会のコスメコンシェルジュ資格を有し、ペットフードだけでなく化粧品にも精通しています。販売時に必要な知識となる薬機法などについてもご紹介ができます。 日本化粧品検定協会会員。