猫が毛玉を吐くのは習性の一つ
猫が毛玉を吐くのは習性の一つなので、基本的に心配する必要はありません。
しかし吐く様子が苦しそうであったり、吐く頻度が頻繁であったり、逆に全く吐かなくなるなどがある場合は、病気が隠れているケースがあります。
この記事では猫が毛玉を吐く理由や動物病院へ行くべき危険なサイン、毛玉が原因の病気「毛球症」、毛玉対策についてご紹介します。
猫が毛玉を吐く理由
猫が毛玉を吐くのは、毛づくろいによって飲み込んだ毛を排出するためです。
猫は自分の舌を使って毛づくろいをし、被毛の健康維持や身だしなみ、体温の調整、リラックス効果、他の猫とのコミュニケーションなど毛づくろいをするにはさまざまな理由があり、猫にとって生きるうえで欠かせないものです。
猫の舌は喉に向かって小さな突起が生えており、毛づくろいのときにはブラシのような役割を果たします。舌で体を舐めることで体に付いたホコリや抜け毛を取り除きますがその場では吐き出さず、飲み込んで胃や腸の中に溜まっていきます。
通常、飲み込んだ毛は便と一緒に排出されますが、飲み込んだ毛が多い場合は胃や腸で毛玉となり、排出することができずに口から吐き出します。毛玉は便と一緒に排出するか、口から吐き出すか、これは猫の体質や被毛の長さによって異なり、どちらであっても問題はありません。
猫が毛玉を吐くこと自体は生理現象であり、健康状態を示す一つの目安となります。
動物病院へ行くべき危険なサイン
猫によって個体差がありますが、毛玉を吐く頻度は月に数回ほどであれば心配いりません。長毛種や換毛期の猫の場合は頻度が多くなり、1日に数回吐くこともあります。
しかし、下記のような様子の場合は誤飲や誤食、中毒、病気など毛玉以外のトラブルが疑われるため、動物病院で診てもらうことをおすすめします。
- 何度も激しく吐く
- 元気や食欲がない
- 痩せてきた
- 下痢や嘔吐をしている
- 嘔吐物に血や異物が混じっている
- 吐く様子が苦しそう
- 吐く仕草をするが何も出ない
- まったく吐かなくなる
このときの猫の様子や時間を確認し、嘔吐物の色や量などが分かるように写真に撮っておきましょう。
毛玉が引き起こす病気「毛球症」
毛球症(もうきゅうしょう)とは、胃や腸に溜まった毛が大きな球状になる状態のことをいいます。大きくなった毛玉は嘔吐や排泄ではうまく排出されず、食欲不振や便秘、繰り返しの嘔吐、お腹が膨らむなどの症状があらわれます。最悪の場合は腸閉塞や窒息となり、命に関わります。
毛球症が起こる原因は、不十分なブラッシングや胃腸の機能の低下です。とくに長毛種や換毛期の猫は、毛が長く量が多いので毛球症になるリスクが高い傾向にあります。
飲み込む毛の量を減らす!毛玉対策
日ごろから食事管理やブラッシングなどの毛玉対策をすることが大切です。飲み込む毛の量を減らすことで、毛球症になるリスクを避けることができます。
定期的なブラッシング
定期的にブラッシングをすることで、被毛がきれいになったり、ホコリを取り除くことができます。ブラッシングの頻度は長毛種は1日2回、短毛種は週に3回程度にし、1回3分ほどで終わらせましょう。
猫の被毛は一定方向に生えているので、被毛が引っ張られないように、流れに沿ったブラッシングをすることが大切です。アゴや首回りなど猫が嫌がらない部分から始めていき、徐々に背中や腰、しっぽ、最後に胸元やお腹へと進めます。嫌がるような仕草がみられたらすぐに中止しましょう。
換毛期のブラッシングは念入りに
3月と11月ごろに訪れる換毛期は、普段より毛づくろいの回数が増え、毛球症になるリスクが高まります。長毛種だけでなく短毛種も念入りにブラッシングを行うことで、飲み込む毛の量を減らすことが大切です。
ストレスフリーな生活環境
毛づくろいは身だしなみや体温の調整、他の猫とのコミュニケーションなどの理由で行いますが、猫はストレスを感じているときに気持ちを落ち着かせようと毛づくろいをすることがあります。そうなると毛づくろいをする頻度が多くなり、胃や腸の中に毛玉が溜まりやすくなります。
適切な室温、上下運動できるキャットタワーの設置、寝床やトイレの清潔さ、飼い主さんとのコミュニケーションなど猫がストレスを感じないような生活環境を整えることが大切です。
毛玉ケア用のキャットフード
毛玉ケア用のキャットフードには食物繊維が豊富に含まれているため、腸内環境を整えることで便と一緒に排出できることを促してくれます。
飲み込んだ毛を口から吐き出すというよりも、便と一緒に排出することをサポートするので、猫への負担が少ないのが特徴です。
猫草を与える
猫草とよばれるエン麦やエノコログサの葉には細かなトゲトゲがあり、胃や腸を刺激して毛玉を吐き出させる働きがあります。
まとめ
- 猫が毛玉を吐くのは習性の一つなので、心配不要
- 毛玉を吐く様子によっては病気が隠れているケースも
- 長毛種や換毛期の猫は毛球症になるリスクが高まる
- 毛玉対策をすることによって、飲み込む毛の量を減らすことができる