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キャットフードの原材料:緑茶・緑茶エキス
緑茶を配合したキャットフード
キャットフードの原材料には、緑茶や緑茶エキス、緑茶抽出物が使用されることがあります。オーラルケアや酸化防止を目的に使用されることが多く、国産キャットフードに限らず、海外のキャットフードでも緑茶を使用したキャットフードは見られます。
緑茶について
緑茶はチャノキ(茶の木)というツバキ科ツバキ属の常緑樹の葉からつくられるお茶です。日本国内はもちろんアジアを中心に広く飲まれているお茶で、料理や医薬品、香料などにも利用されます。
ほうじ茶や煎茶、抹茶など種類がいくつかありますが、これらの日本茶の多くはチャノキの葉からつくられたお茶で、同じ緑茶になります。
緑茶の栄養素
カテキン(catechin)が豊富
緑茶にはカテキンが豊富に含まれます。カテキン(catechin)とはポリフェノールの一種で緑茶の苦み成分です。カテキンには様々な効果が期待されており、猫にとっても嬉しい作用がたくさんあります。
緑茶(煎茶)の栄養成分 | |
---|---|
タンパク質 | 0.2g |
脂質 | 0g |
炭水化物 | 0.2g |
マンガン | 0.31mg |
葉酸 | 16μg |
カロリー | 2kcal/100g |
緑茶をキャットフードにつかうメリット
緑茶のカテキンには様々な効果がある
カテキンには様々な効果があることがわかっています。
- 抗酸化作用
- 活性酸素消去作用(細胞の老化や癌の予防)
- 口腔内トラブルの予防
- 抗菌作用
- 腸内細菌の改善
- 血圧上昇の抑制
- 血小板凝収集抑制作用
- 血中コレステロールの調節
- 血糖値の調節
- 消臭作用
- 抗アレルギー作用
- その他
ざっと挙げただけでもこれだけの作用が報告されています。カテキンは特に抗酸化作用と活性酸素消去作用が高く、酸化防止剤として利用されたり、癌や老化の予防効果が期待されています。
またキャットフードでは虫歯や歯肉炎など口腔トラブルの予防効果もあることから、オーラルケアを目的に配合されることもあります。
精神安定作用
さらに緑茶にはL-テアニンという精神安定作用のある成分も含まれていて、猫の特発性膀胱炎を予防する目的で一部の処方食に含まれています。
猫の尿路疾患の中で最も高い割合を占める「特発性膀胱炎」は原因がいまだわかっていませんが、ストレスが原因とも言われています。
緑茶に含まれるL-テアニンには精神安定作用があるため、特発性膀胱炎を予防する効果も期待されているようです。
緑茶をキャットフードにつかうデメリット
カフェインやシュウ酸
緑茶にはカフェインやシュウ酸も多く含まれるため、沢山摂取させるには向きません。カフェインには利尿作用もありますが、摂取量によっては不整脈や異常興奮、痙攣などの中毒症状を引き起こす可能性もあります。カフェインの致死量は1㎏の猫で80~150㎎です。なかなかこれだけのカフェインを摂取することはありませんが、注意は必要です。
またシュウ酸はシュウ酸カルシウム結石を形成する成分です。シュウ酸カルシウム結石は数十年まで多かったストルバイト結石に比べて、手術でないと取り除くことができない厄介な結石であり、ここ最近増えてきている結石です。
緑茶をそのまま与えるのはNG?
緑茶をフードではなくそのまま与えるのはおすすめしません。キャットフードにはごくわずかな量しか配合されていないため問題ありませんが、緑茶をそのまま飲ませる場合、カフェインやシュウ酸の摂取量がどうしても多くなってしまいます。
また茶葉の状態で与える場合、さらに濃度が高くリスクは高くなります。そのため、もし与えたい場合には、緑茶としてではなくフードやペット用の製品に使用されているものを利用するのがいいかと思います。
緑茶が使われるキャットフード例
緑茶が使用されるキャットフードは以下のものがあります。国産キャットフードに配合されていることが多いですが、オーブンベイクドやインスティンクトのような海外キャットフードでも緑茶抽出物が配合されています。
- オーブンベイクド トラディション アダルトフィッシュ
- マースジャパン シーバ デュオプラス 天然緑茶のオーラルケア
- いなば CIAO(チャオ) とろみ缶
- ネイチャーズバラエティ インスティンクト
キャットフードの緑茶まとめ
キャットフードの緑茶について簡単に復習しましょう。
- 緑茶配合のキャットフードは割とある
- 抗酸化作用やオーラルケアの作用がある
- 癌予防や老化防止の効果も期待されている
- たくさんの摂取はカフェイン中毒の恐れがある