猫がおもちゃで遊ばない6つの理由。遊ばせた方がいい/遊ばせなくてもいい判断基準は?

猫がおもちゃで遊ばない6つの理由。遊ばせた方がいい/遊ばせなくてもいい判断基準は?

猫がおもちゃで遊ばない…実はよくある悩み

猫がおもちゃで遊ばない6つの理由。遊ばせた方がいい/遊ばせなくてもいい判断基準は?

猫にとっておもちゃは大切な刺激のひとつ。愛猫がおもちゃで遊ばなくて、心配になる飼い主さんも多いのではないでしょうか。

結論から言うと、猫がおもちゃで遊ばないのは珍しいことではありません

猫がおもちゃで遊ばないのは年齢や性格、過去の経験、ストレスなど様々な理由があり、遊ばないからといって必ずしも“悪い”というわけではありません。

この記事では、

  • おもちゃで遊ばない理由
  • おもちゃで遊ばないことによる問題
  • なるべく遊ばせるべき?
  • 性格に合わせた遊び方・接し方

について解説します。

猫がおもちゃで遊ばない原因とは?

猫が遊ばない理由はひとつではありません。

以下のように、猫の状態や環境、おもちゃそのものの要因などさまざまな理由があります。

性格によるもの

猫がおもちゃで遊ばない理由のひとつに、性格的な要因があります。

猫は活発で好奇心旺盛な猫もいれば、おっとりしている猫、あまり動きたがらない猫もいます。とくに慎重な性格の猫や、一人で静かに過ごすのが好きな猫は、おもちゃへの関心が薄い傾向があります。

こうした性格による「遊ばない」は問題ではなく、その子の個性として受け止め、無理に遊ばせようとせずに猫のペースを尊重することが大切です。

年齢による変化

子猫の頃は活発に遊んでいたのに、大人になるにつれて遊ばなくなるケースはよくあります。

シニア期になると寝ている時間が多くなり、運動量自体が減少するため、「おもちゃを見ても反応がない」「寝ている時間が多くなった」といった年齢による変化は自然なことです。

おもちゃに飽きている

猫は好奇心が強い反面、同じおもちゃを繰り返し使っていると刺激に慣れてしまい、興味を失いやすい傾向があります。

とくにアビシニアンやメインクーン、ベンガルなどの賢く知的好奇心が強い猫種や、ソマリやデボンレックスなどの活動的な猫種は、マンネリ化した遊びにはすぐ飽きてしまう傾向があります。

知的好奇心が強い猫種は考えて遊ぶ知育トイやパズル、活動的な猫種はレーザーポインターや追いかけっこなどの動く遊びがおすすめです。

遊び方や時間帯が合っていない

猫によって、好きなおもちゃの動き方やテンポが違います。

猫は本来、狩りに似た動きに強く反応しますが、おもちゃの動かし方が単調だったり不自然だと興味を示しません。例えば、ネズミのおもちゃのようにチョロチョロと動く動きには反応するけど、ゆらゆら揺れているだけでは無視する、といったことも。

また、遊ぶ時間帯も重要で、猫が眠い・満腹・リラックス中など、活動的でないタイミングで誘っても無視されることが多いです。

猫の生活リズムや狩猟本能に合わせた動かし方と時間帯を意識することで、遊びへの反応が変わることがあります。

おもちゃの好みが合っていない

猫にはそれぞれおもちゃの好みがあります。

羽根付きのおもちゃが好きな猫もいれば、ボールのように転がるものに反応する猫、音や匂いに敏感な猫など、おもちゃの種類次第で興味の有無が変わります

環境やストレスの影響

猫が下記のような様子がみられる場合は、病気やストレスの可能性があります

  • 以前はよく遊んでいたが、急に遊ばなくなった
  • 元気がなくなった、寝てばかりいる
  • 食欲低下・嘔吐・下痢など体調不良のサイン
  • 鳴き声や行動に変化(隠れる、怒りやすいなど)

さらに、環境の変化(引っ越し、模様替え、新しい家族の登場など)によるストレスで遊びへの意欲が無くなっている可能性もあります。

これらの行動がみられるようになったら、早めに動物病院で診てもらいましょう。

おもちゃで遊ばないことで発生する問題

「遊ばないのは猫の性格だから」と放っておくと、場合によっては健康面・行動面での問題につながる可能性があります。

運動不足による肥満や病気

室内飼いが主流の猫にとって、遊びは貴重な運動の機会です。

遊ばない状態が続くと運動不足になりやすく、肥満や生活習慣病(糖尿病、関節炎など)の発症リスクが高まります

特に高カロリーなキャットフードを与えている場合は、摂取カロリー>消費カロリーとなって太りやすくなります。

精神的な刺激不足

猫は遊びを通じて「狩猟本能」「探索欲求」「自己表現」などの良い刺激を満たすことができないと、ストレスが溜まって問題行動を示す恐れがあります。

例えば、

  • 夜中の無意味な鳴き声
  • 家具を執拗に引っかく
  • 過剰なグルーミング(舐めハゲ)
  • トイレ以外での排泄(粗相)

などは、刺激不足によるサインかもしれません。

飼い主とのコミュニケーション不足

おもちゃを使った遊びは、猫と飼い主さんの大切なコミュニケーション手段のひとつです。遊ばないことで接点が減ってしまい、猫との関係性が築きにくくなる場合もあります。

遊ばせた方がいい/遊ばせなくてもいい判断基準

おもちゃで遊ばない猫の性格や健康状態などによって、

  • 遊ばせた方がいい
  • 遊ばせなくてもいい

状況があります。

猫の様子や行動を見極め、判断しましょう。

遊ばせた方がいい

もちろん無理に遊ばせるのは避けるべきですが、遊ばないままでいると健康や精神面に悪影響がある可能性があるため優しく促す工夫が必要です。

猫が遊ばない理由を把握し、状況に応じて遊びに誘ってみましょう

遊ばせた方がいい状況
運動不足による肥満が見られるとき
→室内猫にとって遊び=運動。無理のない範囲で、楽しく動ける工夫が必要。
ストレスが溜まっているサインがあるとき
→ストレス発散となるため、少しでも興味を持てそうな遊びを提案する。
※ただし、過度にストレスが溜まっていそうな場合は警戒心を高めてしまうため遊ばせない。
若い猫でエネルギーを持て余しているとき
→まだ遊びの楽しさを学べていないだけの可能性も。遊び慣れさせる時期として、積極的に遊びに誘ってみましょう。
生活に刺激が少ない/留守番が多い
→刺激の少なさは退屈や不安につながるため、遊びを通じて五感や好奇心を刺激する
シニア猫の認知症予防としての刺激が必要なとき
→軽い遊びや簡単な知育トイは脳を活性化させ、認知機能の低下を予防する

遊ばせなくてもいい

一方で、猫の性格や健康状態などによっては遊ばせなくてもいい・無理に誘わない方がいい状況もあります。無理に遊ばせることで体調悪化やストレス増加につながることもあるため、状況の見極めが重要です。

「猫が遊ばない=すぐに遊ばせよう」ではなく、なぜ遊ばないのか”を見極めて、必要ならそっと見守る判断も大切です。

遊ばせなくてもいい状況
①一人遊びが好き/自分時間を満喫している猫
→窓の外を眺めたりなど自分なりの遊びを楽しんでいる場合は、そっと見守るのがベスト
②寝ている・休憩中のタイミング
→眠っているところを無理に起こすのはNG。休息を妨げると飼い主への信頼が薄まることも。
③過度にストレスが溜まっているとき
→ストレスが溜まっている状態の猫に遊びを強要すると警戒心が強まり、飼い主への信頼が薄まって人を避けるようになることも。
④猫の体調が優れないとき
→体調が悪いときに運動させるのはNG。必要に応じて、動物病院へ。
⑤手術後・病気療養中など安静時
→無理な運動は回復を妨げるだけでなく、傷口を開いたり症状を悪化させる可能性
⑥高齢で体力が落ちている猫
→年齢に合わない激しい遊びは体に負担をかける。
※ただし、激しい運動を必要としない、認知症予防としての知育トイはOK

まとめ

猫がおもちゃで遊ばないときのポイント
  1. 「なぜ遊ばないのか」を理解する
  2. 遊ばせた方がいい/遊ばせなくてもいい判断
  3. 猫の性格・好みに合わせる
  4. 遊びたくなる環境や工夫を取り入れる

猫がおもちゃで遊ばないのは珍しいことではないため、「遊ばせなければならない」と思う必要はありません。「うちの子はこういうタイプなんだ」と理解することで、猫とより良い関係を築くことができるでしょう。

【猫種一覧】みんな可愛い!特徴や公認団体、誕生スタイルについても

【全105種】猫種一覧!みんな可愛い!特徴や公認団体、誕生スタイルについても

2022年10月12日

ABOUTこの記事をかいた人

古川菜々

帝京科学大学アニマルサイエンス学科卒業。愛玩動物飼養管理士2級、ペットセラピスト、ペット看護士の資格を取得。キャットフード勉強会ディレクターとして、猫ちゃんの栄養や病気、生態、キャットフードなどの情報を提供しています。猫ちゃんの魅力を発信し、飼い主さんの悩みや不安を解決することで、猫ちゃんと飼い主さんの幸せのお手伝いになれれば嬉しいです。