キャットフードのビタミンB6(ピリドキシン)。アミノ酸代謝と神経伝達物質の合成を促す栄養素

キャットフード ビタミンB6

キャットフードの栄養素:ビタミンB6(ピリドキシン)

キャットフードのビタミンB6(ピリドキシン:pyridoxine)は、アミノ酸代謝や神経伝達物質の合成に深く関わる栄養素で、ビタミンB群のひとつで水溶性ビタミンに分類されます。

ビタミンB6は100種類以上の酵素の「補酵素」として働きます。ビタミンB6は摂取されると小腸から吸収され、門脈から肝臓へ運ばれて貯蔵されますが、水溶性ビタミンの性質上、長くは貯蔵されず体外へ排出されるので、定期的に一定量の摂取が必要です。

ビタミンB6を豊富に含む食材

ビタミンB6は特に米糠や酵母、また脂肪の少ないヘルシーな肉類に多く含まれています。ドッグフードではビタミンB6の供給源としてピリドキシン塩酸塩などが栄養添加物として使用されることもあります。

猫におけるビタミンB6の働き

アミノ酸代謝を行う酵素の補酵素として働く

ビタミンB6は、アミノ酸、グルコース・脂質代謝のために働きます。

特にアミノ酸代謝には深く関与し、アミノ酸からアミノ基を外す「アミノ基転移反応」に、ビタミンB6が補酵素として必要不可欠です。

猫は特にタンパク質の摂取量が多いので、タンパク質を構成しているアミノ酸代謝は重要です。

神経伝達物質の合成

ビタミンB6はアミノ酸代謝と同時に神経伝達物質(GABAやセロトニン、ドーパミン、アドレナリン、ノルアドレナリンなど)の合成を助ける働きがあります。

神経伝達物質はアミノ酸によって合成されるので、アミノ酸代謝を助ける→神経伝達物質の合成を助けるといった関係になります。

抗腫瘍作用、血管新生抑制作用

ビタミンB6 キャットフード画像引用元:ビタミンB6研究の新展開:抗腫瘍作用と血管新生抑制作用

要旨:ビタミンB6を大量に投与するとがんの増殖や転移が抑制されると考えられていた。しかしながら最近、実際の食生活に近い適量のビタミンB6を食餌に加えると大腸腫瘍の発現が抑制されることがマウスを使った実験によって明らかになった。その作用は、大腸の細胞増殖や酸化ストレス、一酸化窒素(NO)産生の抑制によるものであることが示唆された。さらに、ビタミンB、には、がんの成長や転移に重要な役割を果たす血管新生を抑制する作用があることも明らかになった。これらの結果は、ビタミンB、が大腸がん予防に有効な栄養素であることを示唆するものとして注目される。

ビタミンB6には大腸がんの予防や、血管新生の抑制作用などがあることが分かっています

血管新生とは、既にある血管から新しい血管の枝分かれが構築される現象で、がん細胞は増殖に必要な酸素や栄養を得るために、血管新生を誘導します。ビタミンB6には血管新生を抑制する働きがあるので、がん細胞の増殖に必要な栄養や酸素の供給を防ぎ、がん組織の増殖や転移を抑制する働きがあります。

キャットフードに必要なビタミンB6の量・基準

ビタミンB6 キャットフード画像引用元:2016 AAFCO Midyear Meeting Committee Reports

ペットフード公正取引協議会が採用するAAFCOのガイドラインによると、ドライタイプのキャットフードのビタミンB6の最低基準は、幼猫用・成猫用ともに4.0mg/kg以上と定められています。

最大値(上限値)の設定はありません。

ビタミンB6の欠乏/過剰摂取

欠乏

  • 神経炎
  • 貧血
  • 筋肉脆弱化

ビタミンB6の欠乏症として、神経症や軽度の貧血、筋肉の脆弱化や成長不良などがあります。

糖尿病になるとビタミンB6の要求量が高くなります。

過剰摂取

  • 中毒性は低い

ビタミンB6は水溶性ビタミンで過剰に摂取しても中毒性は低いとされていますが、過剰になると運動失調や筋肉の脆弱化、平衡感覚の欠如などが見られます。

まとめ

  • アミノ酸代謝に関与
  • 神経伝達物質の合成
  • 抗腫瘍作用、大腸癌予防の効果が期待
キャットフード ビタミン

キャットフードのビタミン類。猫の必須ビタミンの種類と働き、欠乏症/過剰摂取の症状を解説

2018年9月25日

ABOUTこの記事をかいた人

鈴木利奈

一般社団法人ペットフード協会ペットフード販売士、キャットフード勉強会ディレクターとして、キャットフードに関する情報を提供しています。また、日本化粧品検定協会のコスメコンシェルジュ資格を有し、ペットフードだけでなく化粧品にも精通しています。販売時に必要な知識となる薬機法などについてもご紹介ができます。 日本化粧品検定協会会員。