キャットフードの原材料:コーン油(corn oil)
コーン油とはとうもろこしの胚芽を原料とした植物性油脂です。風味にクセがないため、マヨネーズやマーガリン、ドレッシングなどの加工食品に多く使用されます。
コーン油はキャットフードやおやつなどの原材料としてさまざまなメーカーで使用されています。原材料にはとうもろこし油、コーンオイルと明記される場合もあります。
- FORZA10/アクティブライン ウリナリーアクティブ(泌尿器)
- グリーンフィッシュ/キャットフードドライ
- Ami/キャットフード(ベジタリアン)
コーン油の栄養素やメリット
コーン油100gの栄養素 | ||
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エネルギー | 884kcal | |
脂質 | 100g | |
ビタミンE | α-トコフェロール | 17.0mg |
β-トコフェロール | 0.3mg | |
γ-トコフェロール | 70.0mg | |
δ-トコフェロール | 3.4mg | |
リノール酸 | 51000.0mg | |
アラキドン酸 | 0mg |
※出典:日本食品標準成分表(八訂)増補2023年
脂肪酸の配合割合 | |
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リノール酸 | 53.9% |
オレイン酸 | 30.7% |
パルミチン酸 | 11.6% |
ステアリン酸 | 1.7% |
リノレン酸 | 1.1% |
アラキドン酸 | 0.4% |
※出典:食用植物油脂の脂肪酸組成
リノール酸が豊富
コーン油は、他の植物性油脂と比べてリノール酸が豊富に含まれていることが特徴です。
リノール酸はオメガ6脂肪酸(n-6脂肪酸)という必須脂肪酸で、9種類あり、その中でも代表的なのがリノール酸とアラキドン酸です。体内で合成することができないため食べ物から摂取しなければなりません。
リノール酸は皮膚からの水分喪失を抑制する働きがあり、皮膚の免疫力向上とバリア機能があります。また血中コレステロールを下げるので、血栓や動脈硬化の予防、腎臓病の進行の抑制などに期待できます。
ビタミンEが豊富
コーン油は、他の植物性油脂と比べてビタミンE(トコフェロール)が豊富に含まれています。
ビタミンEは強い抗酸化作用を持つため、体内の活性酵素を除去し、過酸化脂質の増加を抑制します。また細胞の修復、筋肉・神経系機能の維持に効果があります。
コーン油のデメリット、注意点
過剰摂取はアレルギーやガンが併発する恐れ
リノール酸であるオメガ6脂肪酸はオメガ3脂肪酸とバランスよく摂取することが大切となりますが、身近にあるさまざまな食べ物に含まれているため、いつの間にか過剰摂取になりやすい栄養素といわれています。
リノール酸を過剰摂取すると、体内でアラキドン酸が多く作られます。アラキドン酸は皮膚や被毛の健康維持に関わる重要な栄養素ですが、過剰なアラキドン酸はアレルギーやアトピー、ガンを併発するといわれています。
おやつの与えすぎや、人の食べ物の盗み食いなどを日頃から行っている場合は控えるようにしましょう。
トランス脂肪酸を摂取する恐れ
トランス脂肪酸とは不飽和脂肪酸の一種で、植物油を製造する過程の光熱処理や、植物油の酸化による劣化を防ぐための水素付加の過程で、一部の脂肪酸がトランス型への変化のときに生じます。
トランス脂肪酸を過剰摂取をすると悪玉コレステロールが増加、善玉コレステロールが減少する作用があるため、中性脂肪が増えたり動脈硬化のリスクが高まる恐れがあります。
原材料に表記されるとうもろこし類
コーン
穀物のとうもろこしをコーンと表記するキャットフードもあります。主成分はでんぷんで、多くのキャットフードに使用されています。
コーンフラワー
とうもろこしを乾燥させて粉にしたもので、小麦から作られる小麦粉よりも黄色っぽい色をしています。多くのキャットフードに使用されています。
コーングルテン
コーングルテンとは、とうもろこしを挽いてでんぷん(コーンスターチ)を製造する過程で発生する細かくて硬い成分です。胚芽などはほとんど含まれていないため、栄養などもありません。
とうもろこし粉、とうもろこしタンパクともよばれます。
コーングルテンミール
コーングルテンをさらに乾燥・粉状(ミール)にしたものです。
とうもろこしに比べてたんぱく質が多いですが、デンプンや胚芽はほとんど含まれていないため栄養はありません。
キャットフードの主流のたんぱく源として使用されることが多く、原材料のトップに表記されていることも少なくありません。コーンミールと表記されることもあります。
コーンシロップ
とうもろこしのでんぷんを酸あるいは酵素で分解して作ったもので、加工食品に多く使われる甘味料です。ぶどう糖と果糖の割合によってぶどう糖果糖液糖、果糖ぶどう糖液糖、高果糖液糖の総称をコーンシロップとよんでいます。
キャットフードに甘みをつけて猫の食いつきを良くするために使用されます。
まとめ
- とうもろこし類はさまざまな名前で原材料として使用されている
- リノール酸は体内で合成できないため食べ物から摂取が必要
- 過剰摂取はアレルギーやガン、トランス脂肪酸の恐れ