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タンパク質はどの生物にとっても大切な栄養素ですが、わたしたち人間や犬とは違って、猫にとってはもう一つ大きな役割があります。
猫にとって重要なタンパク質について学びましょう!
キャットフードの栄養素:タンパク質
タンパク質の働き
タンパク質は、生物にとって必要不可欠な栄養素であり、炭水化物や脂質と並ぶ三大栄養素の一つです。
タンパク質は筋肉や血液、他にも内臓、皮膚、毛など体を構成する様々な器官の一部となって私たちの体を支えています。
タンパク質が多い食べ物
タンパク質は動物の肉・魚に、特に多く含まれていて、筋肉が大きく引き締まった肉には良質なタンパク質が豊富です。
また植物性では大豆や穀物に植物性タンパク質が多く含まれる傾向にあります。動物性タンパク質と植物性タンパク質については、下で詳しくお話します。
猫におけるタンパク質のもう一つの働き
上記では生物全般における働きについてお話しましたが、猫においては、タンパク質はもう一つ重要な役割を担っています。
猫にとってはエネルギー源にもなる
タンパク質は、猫にとってエネルギー源として働く成分でもあります。
人や犬の場合、穀物や芋などの炭水化物(糖質)エネルギー源として利用しますが、猫はタンパク質をエネルギー源として分解吸収し利用することができます。
むしろ猫は、炭水化物をエネルギー源として吸収することの方が苦手です。これは猫が昔から肉食動物と言われ、動物の肉を主食としてきたことが体の仕組みにもよく現れていると言えるでしょう。
キャットフードのタンパク質量の目安
30~35%以上が多い
そのためキャットフードのタンパク質量は全体的に高めに設定されています。
ドッグフードでは20%前後~20%台後半くらいの配合が一般的なのに対し、キャットフードでは30%以上の高タンパク質なキャットフードが多いです。
動物性タンパク質と植物性タンパク質
動物性・植物性のタンパク質
タンパク質には動物性と植物性のものがあります。
肉や魚のような動物性の食べ物に含まれているタンパク質は「動物性タンパク質」と言います。穀物や野菜、豆類のような植物に含まれるタンパク質は「植物性タンパク質」と言います。
消化吸収と利用性の違い
質の高いタンパク質であれば、植物性でも動物性タンパク質と同じようにエネルギー源として消化吸収することができると言われています。
しかし植物性タンパク質は分解される際に有害物質のアンモニアが生成されることが分かっています。このためアンモニアは肝臓で解毒する必要があり、植物性タンパク質を摂取しすぎると猫の肝臓に負担をかけてしまいます。
そういった理由から、猫の主なタンパク源は体の負担が少なく、なおかつ効率良く消化吸収される動物性タンパク質から得るのが良いと考えられています。
タンパク質とアミノ酸の違い
アミノ酸とは
猫に必ず必要とされている「タウリン」もアミノ酸の一つですので、タンパク質とアミノ酸の違いは知っておいて損はないと思います。
簡単に言えば、アミノ酸はタンパク質を構成する成分です。そのためタンパク質は分解されるとアミノ酸になります。
このようにお話すると「つまりタンパク質はアミノ酸?」と考えられがちですが、イコールではありません。アミノ酸については下の記事で詳しく解説しているので、チェックしてみてください。
タンパク質の注意点
タンパク質制限が必要な猫
基本的には猫にはタンパク質が豊富に必要ですが、中にはタンパク質制限が必要な猫もいます。
下記のようなタンパク質によって負担がかかる臓器に病を抱えた場合には、タンパク質の制限が必要になります。
- 慢性腎臓病(腎臓に負担がかかる)
- 重度の肝臓病
- 尿毒症
高齢期に入ったシニア猫は、衰えや上記のような病気にかかる可能性が高まることから、特に注意深く判断する必要があります。
タンパク質はアレルギーの原因
タンパク質の種類によっては猫がアレルギー反応を起こす可能性があります。
牛肉やチキンでアレルギー症状が出る猫もいれば、魚や大豆、穀物などで症状が出る猫もいます。
ただ猫にとってタンパク質は必要不可欠なものなのであり、アレルギーのリスクを完全に防ぐことはできません。
またすべての猫が特定の食材にアレルギー反応を見せるわけでもないので、対策としては、いざアレルギー反応が出たときに原因を特定しやすいキャットフードを選ぶことが大切です。
まとめ:キャットフードのタンパク質


キャットフードのタンパク質についてお話してきました。
- 猫にとってタンパク質はエネルギー源
- 成猫に必要なタンパク質は26%以上
- タンパク質量は30~35%が一般的
- 動物性タンパク質は効率よく消化吸収できる
- 植物性タンパク質はアンモニアを作り出す

