キャットフードの原材料:マス(トラウト)
マスはサケと似ている
マス(鱒)はサケ目サケ科に属する魚で、ムニエルやホイル焼、煮付けなどの料理でよく使用される白身魚の一種です。キャットフードではさっぱり味の白身魚をメインにしたキャットフードに使われることが多い魚です。
マスはサケ科の中で「~サケ」と呼ばれる魚以外の魚の総称となっているため、種類が多く種類や獲れる地域などでサイズや見た目、栄養素も異なります。
マスの生息地と漁獲量
マスは寒い水域に生息しているので、北半球のでの漁獲が盛んです。世界のマス漁獲ランキングでは、ノルウェーサーモンでも有名なノルウェーが堂々の第1位です。2位、3位のチリやアメリカは北半球ではありませんが、放流などの活動により南半球でも漁獲が増えています。
キャットフードでもマスの漁獲量が多いヨーロッパ産やアメリカ産の商品にはトラウトが使用されていることが多い印象です。
マスとサケの違い
海に下るか、川に残るか
マスはサケ科に属する魚なので見た目や栄養素もサケと似ています。見た目では区別が付かないこともあるようですが、サケとマスの違いを簡単に言うなら、サケは海に下った魚で、マスは川に残った魚です。
マスもサケも川で生まれますが、サケは生まれて数ヶ月すると海に下っていき、海で過ごします。マスはサケのように海へは下らず川で過ごすことから、海でエビやカニなどを食べて得られる赤い色素が少ないため、サーモン特有の赤い鮮やかな色の身にはなりません。
養殖ニジマスはサーモンとして売られている
ちなみにニジマスは淡水でも海水でも生育可能な魚のため、海面で養殖も行われていますが、海面養殖ニジマスは、販売される時には「サーモントラウト」「トラウトサーモン」と呼ばれます。
マスの栄養素
高タンパクでEPA・DHAも豊富
マスは100gあたり20gのタンパク質を含んでいます。また脂質が14g含まれているので他の白身魚に比べるとマスは高脂肪な魚と言えます。
マスの脂質には猫にとっても必要な不飽和脂肪酸、DHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)が豊富に含まれています。
ビタミンB郡、ビタミンDが豊富
マスにはビタミンも豊富に含まれています。特にナイアシンやビタミンB12などのビタミンB郡、そしてカルシウムやリンに関わるビタミンDが豊富に含まれています。
成分(分析値) | タンパク質 | 20.8g |
脂質 | 14.7g | |
炭水化物 | 0g | |
食物繊維 | 0.1g | |
ビタミンA | 67μg | |
ビタミンD | 11μg | |
ビタミンE | 5.8mg | |
ナイアシン | 6.5mg | |
ビタミンB6 | 0.42mg | |
ビタミンB12 | 5.7μg | |
パントテン酸 | 2.36mg | |
カリウム | 370mg | |
リン | 240mg | |
脂肪酸 飽和 | 3.2g | |
脂肪酸 一価不飽和 | 5.21g | |
脂肪酸 多価不飽和 | 3.17g | |
カロリー | 100g | 226kcal |
マスをキャットフードにつかうメリット
血液をさらさらにする
マスに含まれるEPAには、血液をさらさらにして血液の流れをスムーズにしたり血管の健康を維持する作用が確認されています。動脈硬化や生活習慣病の予防にも効果が期待されています。
最近は室内で過ごす運動不足な猫が増えてきており、猫の生活習慣病も問題になっています。予防のためにもEPAは重要な働きをしてくれます。
脳や神経の活動をサポート
DHAには脳や神経の活動をサポートする働きがあり、脳が正常に発達するためにもDHAは大切な成分です。猫の痴呆症や認知症も確認されてきている現代では、食べ物からの脳サポートも考えたいところです。
骨の健康を守る
ビタミンDは骨を形成するカルシウムやリンの代謝に関わっています。ビタミンDの摂取が足りないと骨粗鬆症や骨の疾患に発展することもあるので、必要量を摂取する必要があります。
キャットフードのマスまとめ
今回はキャットフードのマスについて解説しました。簡単に復習してみましょう。
- マスはサーモンと仲間
- タンパク質や脂質が豊富
- ヨーロッパ産・アメリカ産フードに多い
- 生活習慣病予防や脳・神経の活動をサポート