キャットフードの原材料:おから(Soy pulp、Okara)
おから(Soy pulp、Okara)は、豆腐・豆乳をつくる時に付随的に作られる大豆の絞りかすです。
水を加えて柔らかくなった大豆を潰して加熱し、絞って濾した液体部分が豆乳として利用され、残った部分がおからとなります。おからは豆乳や豆腐の製造時の「副産物」と呼ばれますが、副産物という言葉は豆乳や豆腐など何かを製造するために付随的に作られる物という意味に過ぎないので、おから自体が悪い食材というわけではありません。
おからは日本と同じく豆腐がある東アジアでは馴染みのある食品であり、日本では江戸時代から庶民に広く普及していますが、食品としての需要量が供給量に比べて少ない(簡単に言うとたくさん作られるのに食べたくて買う人は少ない)ため、日本ではおからの大部分は産業廃棄物として捨てられています。ただ栄養源としては有用と考えられているため、ペットフードや家畜用飼料の原料などにはおからやおからパウダー(乾燥おから)などが利用されています。また、猫砂の原料としてもおからが使用されています。
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おからの栄養素と猫におけるメリット
タンパク質 | 6.1g | |
脂質 | 3.6g | |
炭水化物 | 13.8g | |
食物繊維 | 11.5g | |
ミネラル | モリブデン | 45μg |
カリウム | 350mg | |
カルシウム | 81mg | |
マグネシウム | 40mg | |
銅 | 0.14mg | |
ビタミン | ビタミンK | 8μg |
ビタミンB1 | 0.11mg | |
エネルギー | 100g | 88kcal |
おからは栄養素が豊富
おからは絞りかすだから栄養素がほとんどないと言われることがありますが、おからは栄養が豊富で、少量で多くのタンパク質、カルシウム、カリウム、食物繊維などの栄養素が摂取できます。
不溶性食物繊維で満腹感が持続、腸内の掃除
おからには不溶性食物繊維が豊富に含まれています。不溶性食物繊維はエネルギーとして吸収されずに消化器官をゆっくり進むため、ヘルシーで満腹感を長時間持続させるメリットがあります。ダイエット食材としても注目されているため、体重管理が必要な猫や食いしん坊で沢山食事をおねだりしてくる猫にはおからのような満腹感が持続しやすい食材はおすすめです。
また、大腸まで届いて大腸内の不要物を掃除しながら便量を増やして腸を刺激する働きがあるので、腸の蠕動運動を活発にし、便通促進・便秘改善などの効果が期待されます。
おからの注意点
大豆アレルギーの猫は注意
おからは大豆のタンパク質を含んでいるので、大豆のタンパク質にアレルギー反応が出てしまう猫はおからも避ける必要があります。
不溶性食物繊維の摂り過ぎ
おからを使用したキャットフードの中には、おから以外にも食物繊維を多く含んだ原材料を高割合で配合している場合があります。
食物繊維が多いキャットフードと相性が良い猫もいますが、猫は本来肉食なのでお肉や魚などの動物性タンパク源が豊富なキャットフードの方が、消化が良くエネルギー源としても効率良く活用できます。穀物が多いフードは満腹感が持続しやすい反面、多すぎる食物繊維は消化しにくく消化器官に負担をかけやすいことから、穀物が多すぎる食事は消化不良や吐き戻しの原因になる場合があります。
おから含め食物繊維が豊富な食材を適度に使用し、メインは肉や魚を使用したキャットフードを選ぶのがおすすめです。
まとめ
- おからは大豆から豆腐や豆乳をつくるときにできる副産物
- おからは実は栄養が豊富でタンパク質やカリウム、ビタミンB1、食物繊維など有用な栄養素が豊富
- 満腹感持続、腸内不要物の掃除、便通促進などの効果が期待
- 猫が大豆アレルギーや食物繊維が多過ぎる食事には注意