キャットフードのビタミンE(トコフェロール)。抗酸化作用で細胞の老化や組織の機能を守る!

キャットフード ビタミンE

キャットフードの栄養素:ビタミンE(Vitamin E)

ビタミンEについて

ビタミンEは強い抗酸化作用によって、細胞膜の構造や生殖腺・筋肉・神経系機能を維持する猫の必須栄養素です。

ビタミンEは、猫の体内に入ると小腸の粘膜にあるエステラーゼによって加水分解された後、脂肪と一緒に吸収されます。

吸収細胞であるカイロミクロンによって吸収されたビタミンEは、ビタミンAと同様にリンパ管から血管を介して肝臓に貯蔵され、リポタンパク質(VLDL)と複合体を形成し、肝臓から他の器官や組織へ運ばれます。

抗酸化作用によって過酸化脂質の増加を防ぐ

ビタミンEは、活性酸素によって過酸化脂質が増加するのを抑制します。過酸化脂質を防ぐことで、動物の生体膜を守り、細胞の老化を防ぎます。

活性酸素(ROS)とは体内の酸素の一部が、細胞や体内の代謝活動によって通常よりも活性化した物質です。生命活動維持のために必要ですが、活性酸素が増えすぎると細胞の老化や細胞内の障害を引き起こし、また生体膜を構成する脂質を「過酸化脂質」に変化させます。

過酸化脂質は、消化器官や血液の流れに悪影響を及ぼす有害な物質で、活性酸素が連鎖的に細胞の脂肪酸の過酸化を進めると生体膜は崩壊します。

特に魚系のフードはビタミンEを多めに配合

魚油に多く含まれる多価不飽和脂肪酸(オメガ3脂肪酸:DHA・EPA)は、酸化により過酸化脂質へ変化しやすい性質を持っているため、日本猫が好きな魚系フードには多量のビタミンEが配合されます。1kgあたり魚油が1g増加するにつき10IUのビタミンEが必要と考えれています。

ビタミンEの供給源と添加物トコフェロールについて

ビタミンEは植物から合成されるので、ナッツ類、緑黄色野菜(カボチャ、トマトなど)、乾草、糖蜜、米糠、植物油など植物性原料に豊富に含まれます。

ビタミンEの供給源として利用される添加物「トコフェロール」は4つの化合物(α、β、γ、δ)があり、添加物としてキャットフードなどに利用されるのは最も活性が高いα-トコフェロールや酢酸α-トコフェロールが用いられています。

トコフェロール キャットフード ビタミンE

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2019年7月30日

キャットフードに必要なビタミンE量

キャットフード ビタミンE画像引用元:2016 AAFCO Midyear Meeting Committee Reports

ペットフード公正取引協議会が採用するAAFCOの総合栄養食の栄養基準では、ドライタイプのキャットフードのビタミンEの最低基準は、40IU/kg以上と定められています。

最大値(上限値)の設定はありません。

ビタミンCがビタミンEを復活させる

同じ抗酸化物質のビタミンCは、ビタミンEラジカルをビタミンEに戻す働きがあります。

ビタミンEは一度過酸化を抑制すると、ビタミンEは「ビタミンEラジカル」となり抗酸化力を持たなくなりますが、ビタミンEはビタミンCがあることで復活し、再び抗酸化作用を発揮できるようになります。このため、ビタミンEの抗酸化作用の効果を高めるにはビタミンC摂取がおすすめです。

ビタミンEの欠乏/過剰摂取

欠乏症

  • 肝臓壊死
  • 筋萎縮
  • 繁殖障害
  • 黄色脂肪症(イエローファット)
  • 間質性心筋炎
  • 骨格筋炎
  • 肝門脈単核細胞湿潤

ビタミンE欠乏症は動物種により異なりますが、一般的には筋肉、神経、血管や生殖器が影響を受けやすいと言われています。猫は脂肪症や間質性心筋炎、骨格筋炎、肝門脈単核細胞湿潤が認められます。

過剰摂取

ビタミンEの中毒性は低いとされています。過剰摂取による猫や他動物の健康被害は報告されていません。

まとめ

  • 強い抗酸化作用がある
  • 必須栄養素の脂溶性ビタミン
  • トコフェロールとしてフードに添加
  • 過酸化や活性酸素から体を守る
  • 筋肉や神経、生殖腺の機能性を維持する働き
  • 過剰摂取による毒性は低い
キャットフード ビタミン

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一般社団法人ペットフード協会ペットフード販売士、キャットフード勉強会ディレクターとして、キャットフードに関する情報を提供しています。また、日本化粧品検定協会のコスメコンシェルジュ資格を有し、ペットフードだけでなく化粧品にも精通しています。販売時に必要な知識となる薬機法などについてもご紹介ができます。 日本化粧品検定協会会員。