キャットフードの原材料:アンコウ(anglerfish)
アンコウはアンコウ目アンコウ科の深海魚です。インパクトな見た目でありながら多くの美食家たちの舌をうならせてきたといわれる高級魚で、とくにアンコウ鍋がよく知られています。
アンコウの栄養素
アンコウ/生 | アンコウ/きも/生 | ||
---|---|---|---|
タンパク質 | 13.0g | 10.0g | |
エネルギー | 54kcal | 401kcal | |
脂質 | 0.2g | 41.9g | |
ビタミンD | 1.0μg | 110.0μg | |
ビタミンE | α-トコフェロール | 0.7mg | 14.0mg |
脂肪酸 | オレイン酸 | - | 5700.0mg |
リノール酸 | 1.0mg | 430.0mg | |
ドコサヘキサエン酸 | 23.0mg | 5100.0mg | |
エイコサペンタエン酸 | 6.1mg | 3000.0mg |
※出典:日本食品標準成分表(八訂)増補2023年
アンコウを原材料に使用するメリット
高タンパク・低カロリー・低脂質
アンコウは他の魚に比べて高タンパク・低カロリー・低脂質です。カロリーや脂質を抑えたいダイエット中の猫や、運動好きな猫のたんぱく源としてもおすすめです。
また白身魚なので、シニア猫や子猫にも胃腸への負担が少なく、取り入れやすい食材です。
コラーゲンが豊富
コラーゲンはタンパク質の一種で、血管や骨、皮膚などを構成しています。とくに皮膚においてはコラーゲンが約70%を占めています。
コラーゲンは体内で産生できる成分ですが、合成のためにはビタミンCを必要とするため、一緒に摂取することで吸収率や効果が上がります。毛ツヤを保ち、皮膚のハリや弾力を作り、関節の動きをスムーズにする働きを持ちます。
オレイン酸とリノール酸
猫の必須脂肪酸である、オレイン酸とリノール酸が豊富に含まれています。
- オレイン酸:悪玉コレステロールを抑制。被毛のツヤが良くなる。
- リノール酸:細胞膜の成分。血中コレステロールを下げる。
ドコサヘキサエン酸とエイコサペンタエン酸
アンコウにはドコサヘキサエン酸(DHA)やエイコサペンタエン酸(EPA)が豊富に含まれています。これらは中性脂肪や血中コレステロールを下げる効果があるため、動脈硬化や血栓、腎臓病の予防に期待できます。
必須脂肪酸は体内で合成することができないため食べ物から摂取しなければなりません。
アンコウの肝の摂取量に注意
日本では、食用として一般的に流通しているのはキアンコウという種類のメスです。食用部としては身、ヒレ、肝臓、エラ、皮、胃袋、卵巣で、「アンコウの7つの道具」ともいわれています。
キャットフードやおやつの原材料として使用されるのは、アンコウのどの部位かは定かではありません。肝は栄養価が高いですが、高プリン体や脂質量の観点から、過剰摂取には注意が必要です。
プリン体が尿酸塩結石の原因に
プリン体含量(mg/100g) | |
---|---|
あんこう 身生 | 40.0 |
あんこう肝(生) | 104.3 |
あんこう肝(酒蒸し) | 399.2 |
牛レバー | 219.8 |
カツオ | 211.4 |
マグロ | 157.4 |
サワラ | 139.3 |
明太子 | 159.3 |
アンコウはプリン体は、とくに肝に多く含まれています。
通常プリン体は肝臓で分解されて尿酸となり、尿や便として排出されます。しかし持続的・長期的な摂取は体内に尿酸が蓄積してしまい、尿酸塩結石を引き起こす恐れがあります。尿酸塩結石は、尿が酸性に傾くと発生しやすくなるため、尿をアルカリ性に傾けるためにタンパク質の制限、低プリン体食の給与がされます。
過剰摂取は肥満の原因に
アンコウの肝は他の部位に比べてビタミンや必須脂肪酸が多く含まれていますが、高カロリー・高脂質です。そのため、持続的・長期的な摂取は肥満の原因となります。
まとめ
- 高たんぱく・低カロリー・低脂質なのでダイエット中や運動好きな猫におすすめ
- コラーゲンや必須脂肪酸が豊富
- 過剰摂取は尿酸塩結石や肥満の原因になる