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猫パルボウイルス感染症(猫汎白血球減少症)について
猫パルボウイルス感染症とは
猫パルボウイルス感染症(=猫汎白血球減少症)とは、猫パルボウイルスが原因で引き起こされる病気で、飼い猫や野良猫だけでなく、ネコ科の動物の接触でも感染します。
猫パルボウイルスとは
猫パルボウイルスとはパルボウイルス科のDNAウイルスでネコ科の動物にのみ感染するウイルスです。
体内での潜伏期間は2~10日間でそれを過ぎると通常、ウイルスは便と一緒に排泄されて体外に出ていきます。
猫パルボウイルス感染症の原因
猫パルボウイルスは、媒介となるものがあればそれを通して感染してしまう、非常に感染力の高い感染症です。媒介となるものを例に挙げるなら、
- ウイルスを保持している猫のフン
- ノミやネズミ
- ケージ
- 食器
- キャットフード
- 被毛
など、ウイルスを持っている猫がいた場合、そこからどんどん物や人、動物を通してウイルスが広がってしまいます。
今回の猫カフェの件でも、1匹の猫が猫パルボウイルスに感染したところから、同じ環境にいる子猫にも感染してしまい感染が拡大してしまいました。
猫パルボウイルス感染症(猫汎白血球減少症)の症状
主な症状
猫パルボウイルス感染症の主な症状としては、
- 発熱
- 激しい嘔吐
- 下痢
- 血便
- 白血球減少
などが挙げられます。他の病気でも見られる症状なので、一見症状だけではなんの病気かわかりにくいのが特徴です。
子猫が感染した場合
体力がない子猫が猫パルボウイルスに感染すると症状が悪化しやすく、重篤な脱水症状や細菌の二次感染などで命を落とす確率が非常に高くなります。
そのため例の猫カフェで次々と死亡してしまった猫は、生後たった数ヶ月という小さな子猫が多いです。
妊娠猫が感染した場合
また妊娠中の猫が猫パルボウイルスに感染してしまった場合。お腹の中にいる胎児の小脳形成不全が生じ、生まれてから運動失調や栄養を取り入れられないなどの症状が現れることがあります。
猫パルボウイルス感染症の治療方法
猫パルボウイルスにかかった場合、どのような治療が行われるのでしょうか。
まずは血液検査
猫パルボウイルスなのかどうかを確かめる血液検査などを行います。
血液中の赤血球の数が少ないことを確認することで、猫パルボウイルス感染症という診断を受けることができます。
他の猫に感染しないように離す
猫パルボウイルス感染症だと分かった場合、感染した猫はすみやかに他の猫と離して治療を行います。
問題になった猫カフェでは猫パルボウイルスがそこら中にあるかもしれない状況で営業を続けたため、猫カフェにいる他の猫への感染はもちろん、猫カフェに訪れた人にもウイルスを媒介してしまったなどで非難を浴びています。
特に猫を飼っている人がお客さんとして来ていた場合、自宅にいる飼い猫にもウイルスを媒介してしまった可能性があります。
対症療法を行う
猫パルボウイルス感染症では、対症療法が主な治療になります。
猫の免疫力を高めるためのインターフェロン注射。下痢や嘔吐、発熱などの症状を和らげるための処置などを行い、猫自身の体力や免疫力で治癒するのを待ちます。
猫パルボウイルス感染症の予防
予防接種を受ける
猫パルボウイルスの感染力は非常に高いですが、子猫の頃に予防接種を受けることで防ぐことができます。
猫パルボウイルスは3種混合からすべての予防接種に入っているため、混合の予防接種を受けているならば感染することはありません。
そのため、適切な時期にきちんと猫パルボウイルスの予防接種を受けられていれば、猫カフェで起こったような問題は起こらないはずでした。
正しい接種方法が必要
ですが猫パルボウイルスの予防接種に限らず、予防接種では適切な期間を空け、指定の回数を受けなければなりません。
また注射後は猫が安静にできる場所で休ませる必要があります。そのため知らない人が頻繁に出入りするような店内に猫を出すのは、ワクチン接種の後の対応としては正しいとは言えません。
猫パルボウイルス感染症まとめ
私もこの猫カフェは可愛い内装で、元気な猫が多いという評判を聞いていたので、余計にショックでした。
猫を飼っている人が猫カフェに行くときにも注意が必要だなと感じました。