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メインクーン(maine coon)の誕生・起源
起源はロマンある説も多く語られる
メインクーンはアメリカ合衆国のメイン州を原産とする猫種で、アメリカ最古の自然発生種とも言われています。はっきりとした起源は解明されていませんが、ヨーロッパから船で渡ってきた長毛の猫と現地の猫が交配して生まれたという説が有力です。
中には「バイキングが連れてきたノルウェージャンフォレストキャットの祖先が混ざっている」「フランス革命で亡命したマリー・アントワネットの猫が起源」など、ロマンある説も多く語られています。
寒冷地に適応するために発達した厚い被毛や、雪の上でも歩ける大きな足、しっぽの長さなどはすべて自然環境に対応する中で育まれたものです。
19世紀後半にはアメリカで人気を集め、キャットショーでも活躍しました。現在ではその堂々とした体格と穏やかな性格から、世界中で愛される猫種となっています。
日本での人気は?
メインクーンは日本でも高い人気を誇る猫種で、とくにその大きな体と穏やかな性格、フサフサの被毛に魅了される飼い主が多いです。
近年の人気ランキングでも常に上位にランクインしており、「大型で甘えん坊な猫を飼いたい」という希望にぴったり合う存在として注目されています。また、見た目のゴージャスさと飼いやすさのバランスも人気の理由のひとつです。
アニコムの人気の品種ランキング(2024年)によると、メインクーンの飼育頭数は6,143頭で、10位に位置しています。
メインクーンの性格

- 温厚で優しい
→攻撃性が低く、家族や他の動物にもよくなじみます。 - 人懐っこいがしつこくない
→飼い主を好みますが、べったりしすぎず程よい距離感を保てます。 - 好奇心旺盛で遊び好き
→成猫になってもおもちゃや追いかけっこを楽しみます。 - 賢くて観察力がある
→名前を覚えたり、簡単なルールを理解する個体も多いです。 - 穏やかで声がやさしい
→鳴き声は小さく、控えめに「お話し」するように鳴く子もいます。
メインクーンは穏やかで愛情深く、非常に飼いやすい性格の猫種として知られています。
見た目はワイルドで大柄ですが、ジェントルジャイアント(穏やかな巨人)と呼ばれるほど落ち着いた優しい性格やフレンドリーさを持っています。
初めて猫を飼う人や、子どもや他のペットがいる家庭にも向いています。
メインクーンの毛色・模様

毛色は100種類以上
メインクーンは非常に多彩な毛色を持つ猫種で、TICAやCFAでは100種類以上の毛色が認められています。
ブラック、ホワイト、ブルー、レッド、クリーム、チョコレートなど、バリエーション豊かです。中でも人気が高いのはレッド系やシルバー系のカラー。とくにレッドタビーは「ライオンのようでかっこいい」と評判です。
また、ふさふさとした長毛が光を受けることで色のニュアンスが美しく変化し、迫力と優雅さが感じられます。
模様の入り方で雰囲気が大きく変わる
メインクーンは模様のパターンも豊富で、タビー(縞模様)が最も一般的かつ人気です。クラシックタビー(渦巻き模様)、マッカレルタビー(縦縞)、スポッテッド(斑点)などがあります。
また、バイカラー(2色)、キャリコ(三毛)、トーティ(サビ猫)なども見られます。
中でもブラウンタビー&ホワイトの組み合わせは王道の人気で、優雅さと可愛らしさを併せ持つ印象に。
模様の入り方で表情や雰囲気が大きく変わるのも魅力のひとつです。
メインクーンの顔・体型

画像引用元:Hopeful research for Maine Coon cat owners worried about feline cardiomyopathy
顔
メインクーンの顔はやや角ばった輪郭と高い頬骨を持つ、堂々とした表情が特徴です。目は大きめでアーモンド型、耳は大きくて立ち、先端に「リンクスティップ」と呼ばれる飾り毛が生えることも多く、野性味のある印象を与えます。鼻筋はまっすぐで長め、マズル(口元)は四角く張り出し、全体的に力強くバランスの取れた顔立ちです。
その一方で、優しい表情や穏やかな目つきが加わり、風格と親しみやすさを兼ね備えている顔立ちです。
体型
メインクーンは、猫の中でも最大級の体格を誇る大型猫種です。骨格がしっかりしていて筋肉質で、胸幅も広く、オスでは6〜8kg、個体によっては10kgを超えることもあります。
体型はロング&サブスタンシャルタイプで、胴体は長く、四肢も太くてがっしりしています。長くふさふさしたしっぽは体と同じくらいの長さがあり、寒冷地に適応した分厚い被毛と相まって、たくましくも優雅な印象を与える猫種です。
メインクーンの飼い方・飼いやすさ

安全でストレスがない生活を送るために、メインクーンの飼い方を把握しましょう。
生活環境
メインクーンは大型で運動量も多いため、広めの生活空間と上下運動ができる環境が理想的です。キャットタワーや高い場所へのアクセスを確保し、しっかり身体を動かせるようにしましょう。
また、厚い被毛により暑さに弱いため、夏場は風通しの良い涼しい環境が必要です。
落ち着いて過ごせる静かなスペースもあると、ストレスの軽減にもつながります。体が大きいため、トイレやベッドもゆったりサイズを選んであげましょう。
ブラッシング
メインクーンの長く密な被毛は比較的絡まりにくく、シルキーな毛触りが特徴ですが、やはり2日に1回程度のブラッシングは欠かせません。
とくに換毛期には抜け毛が増えるため、とくに絡みにくいお腹や脇の下、しっぽの付け根を中心に丁寧にブラッシングをすることで、毛玉や皮膚トラブルの予防になります。
食事管理
メインクーンはゆっくりと時間をかけて成長する猫種で、完全な成猫になるまでに3〜5年かかるため、ライフステージに合わせた食事が重要です。
子猫期には筋肉と骨の発達を支える高たんぱくなキャットフードを、成猫期以降は体重管理を意識した栄養バランスの整った食事を与えましょう。
肥満になると関節や心臓に負担がかかりやすいため、定期的な体重チェックと適切な給餌量の管理が大切です。
遊び
メインクーンは見た目の大きさに反してとても遊び好きで活発な猫です。運動不足にならないよう、毎日10〜15分程度は一緒に遊ぶ時間を確保してあげましょう。ねずみ型やボール型のおもちゃ、追いかけっこができるアイテムがとくに好まれます。
また、高い所に登るのが得意なので、キャットタワーや棚など上下運動ができる場所も用意すると◎。
初心者でも飼いやすい?
メインクーンは性格が穏やかで人懐っこく、知的でしつけもしやすいため、初めて猫を飼う方でも比較的飼いやすい猫種です。ほかの動物や子どもともなじみやすく、初めての猫との暮らしにも向いています。
ただし、大型で運動量が多いため、広めの生活空間と上下運動ができる環境づくりが必要です。また、長毛種のため定期的なブラッシングも欠かせません。基本的なケアや健康管理を継続できる人であれば、長く良好な関係を築けるでしょう。
メインクーンのかかりやすい病気

肥大型心筋症(HCM)
猫種に限らず、猫は猫下部尿路疾患にかかりやすい傾向にありますが、とくにメインクーンは遺伝的に発症率が高いと言われています。
とくに約30%の個体が、肥大型心筋症の原因となるMYBPC3遺伝子の変異を持っていると報告されています。発症を早期に発見するために、定期的な健康診断や遺伝子検査を行うことが推奨されています。
参考:Hopeful research for Maine Coon cat owners worried about feline cardiomyopathy
脊髄性筋萎縮症(SMA)
脊髄性筋萎縮症(SMA)とは、メインクーンでまれに見られる遺伝性の神経筋疾患です。発症すると後ろ足の筋力が弱まり、ふらついた歩き方やジャンプができなくなるといった症状が見られます。
両親ともに遺伝子を持っていると発症の可能性があるため、繁殖時には遺伝子検査が推奨されます。
参考:What are common Maine Coon health problems?
5つの質問でわかるメインクーンとの相性診断

実際に猫と暮らしてみると、お世話の大変さや工夫が必要になることに直面します。可愛い・憧れだけでお迎えすると、あとから「思っていたのと違った…」と感じてしまうことも少なくありません。
そのため、猫をお迎えする前に飼いやすさや生活スタイルとの相性を見極め、「自分とその猫種が合っているのか」を確かめることが、猫との幸せな生活を送るためにとても重要となります。
ここでは、あなたとメインクーンとの相性がわかる「5つの質問」をご用意しました。ぜひ試してみましょう!
メインクーンとの相性診断 | |
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Q1 | 大型猫が家の中を自由に動けるよう、ある程度の広さやスペースを確保できますか? |
のびのび過ごせるよう整えたい(3点) 一部ならスペースを用意できる(1点) 広いスペースは確保できない(0点) |
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Q2 | 毎週数回、長毛の猫をブラッシングして抜け毛や毛玉ケアを続けられますか? |
むしろ日課として楽しみたい(3点) できるだけやりたいと思っている(1点) こまめな手入れは苦手かも(0点) |
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Q3 | 甘えすぎず、でも寄り添ってくるような猫との関係を心地よいと感じますか? |
ほどよい距離感が理想的(3点) どちらでも大丈夫(1点) たくさん甘えてくれる猫がいい(0点) |
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Q4 | 猫のためにキャットタワーや高所に登れる家具を設置することに抵抗はありませんか? |
むしろ用意してあげたい(3点) 必要なら検討する(1点) 家具の配置はあまり変えたくない(0点) |
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Q5 | 毎日少しの時間でも猫と遊んだり、運動させたりする余裕がありますか? |
楽しみながら毎日遊びたい(3点) できれば時間を作りたい(1点) 忙しくて難しいかもしれない(0点) |
※この相性診断は、猫を初めて飼う方にも分かりやすく、メインクーンの一般的な性格傾向をもとに作成しています。実際には猫にもそれぞれ個性があるため、何よりも大切なのは今そばにいる猫ちゃんとの関係性です。
診断結果
・13〜15点|相性◎ とても向いています!
性格・運動・ケアの全てに対応できる、理想的なパートナーです。
・7〜12点|相性○ 基本的には向いています
少しの工夫や慣れで、十分に快適な暮らしができそうです。
・0〜6点|相性△ 少しギャップがあるかも
ケアやスペースに負担を感じる可能性があり、他の猫種の検討もおすすめです。
メインクーンの価格

- ペットショップ:約20万〜35万円前後
- ブリーダー:約25万〜50万円以上
とくに人気カラーのレッド系はその見た目の豪華さから需要が高く、価格もやや高めに設定される傾向があります。毛色や模様の出方で印象が大きく変わるため、見た目の好みも価格に影響します。
メインクーンにおすすめのキャットフード
ロイヤルカナン FBN メインクーン31
ロイヤルカナンはメインクーン用のキャットフードも開発しています。
メインクーン仕様にカスタマイズされたレシピということで、メインクーンという猫にピンポイントでおすすめできるキャットフードかと思います。
ヒルズ サイエンス・ダイエット ヘアボールコントロール
長毛種が多いメインクーンは抜け毛が多く、毛繕いによって毛玉を吐く量や回数も他の猫種より多いため、ヘアボールコントロールを選ぶ方もいるかと思います。
飲み込んだ被毛の排泄を助ける食物繊維が9%と高めに含まれています。
エリザベスキャットフード サーモン


上記2つは毛玉ケアとメインクーン用のキャットフードになりますが、健康な猫で普通のキャットフードでも問題のない猫には、通常の総合栄養食で問題ありません。
エリザベスキャットフード サーモンは、主原料にサーモンとニシンを41%使用した高タンパクなキャットフードです。
グレインフリーで低炭水化物食、また低GI食材のグリーンピースを使用しています。タンパク質36%、脂質16%と、高タンパクながら脂質は抑えているので、肥満が気になる猫にもおすすめです。
まとめ
メインクーンは、その大きな体と優しい性格で「穏やかな巨人」とも呼ばれる魅力的な猫種です。長毛の美しい被毛や活発な性格、人懐っこさも人気の理由です。適度な運動やブラッシング、広めの生活環境を整えることで、ストレスなく健やかに過ごすことができます。
メインクーンの特徴や飼い方をしっかり理解し、お互いに心地よく暮らせる環境を整えることで、より深い信頼関係と楽しい毎日を築くことができるでしょう。