目次


そうですね。キャットフードをふやかすことで香りが引き立ち、食欲不振の猫にも効果ができます。
しかし、
「お湯と水、どっちがいい?」
「ふやかす時間はどれくらい?」
「ふやかして与えた方がいいのはどんな猫?」
といった疑問を持つ飼い主さんも多いのではないでしょうか。
今回は、キャットフードをふやかす目的と具体的な方法、注意点を解説します!
愛猫の健康管理や食事サポートの一環として、ぜひ参考にしてください。
キャットフードをふやかした方がいい猫は?
キャットフードをふやかすことで食べやすくなるだけでなく、体への負担を軽減できたり、食いつきの向上にもつなげることができます。
では、どのような猫にとって「ふやかしキャットフード」が適しているのでしょうか。
- 子猫(離乳期〜生後3〜4か月)
- 高齢猫
- 歯周病など口腔トラブルのある猫
- 病気や手術後の猫
- 水分摂取量が少ない猫
なぜこれらの猫はキャットフードをふやかした方がいいのか、次項で解説します。
キャットフードをふやかす目的と効果

キャットフードをふやかすのにはどんな意味と目的があるのでしょうか。
①子猫(離乳期〜生後3〜4か月)
成猫は乾燥したカリカリ(ドライフード)がちょうどいいですが、歯が生え揃っていない子猫、とくに離乳期(生後1〜2か月頃)の子猫はまだ乳歯しか生えておらず、ドライフードをうまく噛めません。また、喉や消化器官も未発達なため、硬いキャットフードは喉や胃腸に負担をかけてしまいます。
固いキャットフードを無理に与え続けていると、十分な栄養を得られず栄養失調や病気の原因になるので、食べやすいように柔らかくふやかしてみましょう。
柔らかくなって飲み込みやすくなり、消化吸収もスムーズになります。成長期に必要な栄養をしっかり摂取できるようサポートしてくれる方法です。
②高齢猫
高齢になると歯のトラブルや噛む力の低下が起こりやすく、ドライフードをそのまま与えると食べづらく感じることがあります。
キャットフードをふやかすことで口当たりが柔らかくなり、食事の負担を減らせます。
また、温めたふやかしフードは香りが立ちやすく、嗅覚が鈍くなったシニア猫の食欲を引き出す効果も期待できます。
③口腔トラブルのある猫
口内炎や歯周病など口の中に炎症や痛みがある猫は、固いキャットフードを噛むと痛みを感じて食事を拒むことがあります。
そのため、キャットフードをふやかすして柔らかくすることで、飲み込むだけでも食べられるようになります。
口腔内への刺激を最小限に抑えながら、必要な栄養を補給できるのがメリットです。
④病気や手術後の猫
病気の療養中や手術後など体力が低下している猫は、食欲が落ちやすくなります。
そんなときは、香りが立ちやすく水分を含んだふやかしキャットフードが効果的です。においに誘われて食べる意欲が出やすく、食べやすさの面でも負担が軽減されます。
消化にも優しいため、回復期のサポート食としても適しています。
⑤水分摂取量が少ない猫
ドライフード中心の食生活では水分摂取量が不足しやすく、また猫は水を積極的に飲まないため、尿路結石や腎臓病などの泌尿器系の病気にもかかりやすくなります。
ふやかしキャットフードなら、食事と同時に自然に水分補給ができるため、こうしたリスクを軽減する手助けになります。水をあまり飲まない猫にも向いており、とくに泌尿器ケアが必要な猫にはおすすめの与え方です。
ウェットフードや猫用スープなどを使って水分を食べ物から取らせることもできますが、自宅に何もなかった場合はドライフードをふやかして与えることで水分を補給させることができます。
キャットフードのふやかし方

では次に、ドライフードのふやかし方について説明します。
用意する物
- 人肌程度のぬるま湯
- ドライキャットフード
- フードボウル(猫用食器)
ドライフードをふやかす時には上記の物をまず用意します。ぬるま湯は人肌くらいで、冷たくも熱くもない温度にします。
水を沸騰させて冷ましたぬるま湯、水道のお湯でぬるま湯を作ってもかまいませんが、沸騰させて冷ます場合は猫に与える前にぬるま湯になっているか確認してから与えましょう。
ぬるま湯の量
ぬるま湯の量はキャットフードの量によりますが、キャットフードが沈むほどジャブジャブとぬるま湯に浸ける必要はありません。
ただキャットフードがふやけていくと水分を吸って徐々にぬるま湯の量が減っていくので、始めはふやけ方の様子を見ながら足していくと良いと思います。
次回からはふやけ具合、キャットフードの水の吸い具合を見て、ぬるま湯の量を調節しましょう。
ふやかす手順・時間
- ドライフードを指定の量、猫用食器に入れる
- フードの上からぬるま湯をかける
- フードが軽く浸るくらい入れて10~20分待つ
待っている間、たまにキャットフードを引っくり返してぬるま湯をまんべんなく吸わせるとふやけやすくなります。
キャットフードをふやかす時の注意点
熱湯でふやかすと栄養が飛ぶ?
キャットフードをふやかす際に、ぬるま湯を作るのは面倒かもしれません。熱湯や水で極端な方が楽だと思いますが、ふやかす時には必ずぬるま湯にしてください。
キャットフードを熱湯でふやかすと、ふやけるのは早いですが猫にとって必要なビタミンなどの栄養素が飛んでしまいます。せっかく総合栄養食で猫の栄養バランスを考えて作られているフードなので、熱湯で栄養素を飛ばさないようにぬるま湯で行いましょう。
また、水はふやけるのに時間がかかります。冷たいより少し温かいくらいの方が猫の食いつきも良いです。
ふやかしたフードは悪くなりやすい
ふやかしたキャットフードは水分を豊富に含んでいるため、早く悪くなります。
食べきれなかった場合は次の食事までとっておかず、その都度処理して食器も洗いましょう。
ふやかすのは生後3~4ヶ月まで
子猫の場合、いつまでもキャットフードをふやかして与えていては、歯周病の原因になりますし、固いドライフードに口を付けなくなってしまいます。
そのため、目安としては生後3~4ヶ月目には徐々にドライフードに移行していきましょう。
キャットフードをふやかしても食べてくれない時は?
鰹節やふりかけ、ウェットフードで風味付け
子猫の場合は問題がないことが多いですが、高齢猫など歳を重ねた猫の場合はふやかしたキャットフードに馴染みがなく、なかなか食べてくれない場合があります。
こうした場合はふやかした後に、風味付けで鰹節をかけたり、猫用のふりかけやウェットフードを混ぜて与えると匂いが強くなり食べてくれやすくなります。
違うフードに切り替えるのも一つの手
ただ何をしても猫がふやけたキャットフードの食感が気に入らず食べてくれないケースもあります。
その場合は、
- ふやかす時間を短くして固さを残す
- ウェットフードの総合栄養食に切り替える
- 子猫用・高齢用のキャットフードを利用する
- 子猫用ミルクを与える(子猫の場合)
などの方法があります。
まとめ
- 食べやすさや食いつき、噛みやすさが向上する
- 子猫や高齢猫、口腔トラブルを持つ猫、病後の猫、水を飲まない猫におすすめ
- 熱湯でふやかすと栄養が失われるため、ぬるま湯でふやかす
- ふやかしたキャットフードはその日のうちに食べきる