猫の肺炎とは
肺組織で起こる炎症
肺炎とは「肺胞」という組織に細菌やウイルスが感染することで起こる炎症です。
肺胞は、肺の末端組織として外の空気に含まれる酸素を血液中に取り入れ、二酸化炭素を排出する働きを担っています。
肺胞にウイルスが感染することで、酸素を取り入れ二酸化炭素を排出する働きに支障が出るため、様々な症状を引き起こします。
猫の肺炎の原因
猫の肺炎は下記のようなウイルスや細菌などへの感染が原因で発症します。
- 猫風邪
- 猫カリシウイルス感染症
- 鼻気管炎
- 猫伝染性腹膜炎(猫コロナウイルス)
- トキソカラ感染症
- パスツレラ症
また風邪をこじらせて重症化することで、肺炎に発展してしまうことも。ウイルスや細菌以外では、アレルギーの症状の一つとして肺炎が引き起こされることもあります。
肺炎は猫と人でうつるのか
うつるのは人獣共通感染症
肺炎の原因となっている感染症が「人獣共通感染症」だった場合、人から猫、猫から人にうつる可能性はあります。
中国の新型肺炎は猫と人でうつる?
2020年2月現在も世界的に感染が広がり問題となっている新型肺炎(新型コロナウイルス)は、猫に感染したり猫から感染したりするのかと心配される方もいるかもしれませんが、現状、新型コロナウイルスは猫から感染するものではないとのことです。
問4 新型コロナウイルスは動物からうつるのですか?(2月3日更新)
新型コロナウイルスは、ペットから感染するものではありません。なお、動物を媒介する感染症は他にありますので、普段から動物に接触した後は、手洗い等を行うようにしてください。
ただし、新型コロナウイルスについて分かっていることがまだ少ないので、念のため、猫を外に出さない、帰宅したら猫に触れる前に手を洗う、除菌シートを利用するなど、予防や対策は考えた方がいいかもしれません。
猫の肺炎の症状
咳が出る、呼吸が荒くなる
猫の肺炎は、かわいた咳や呼吸の荒さなどの症状があるので比較的分かりやすいかもしれません。発熱したり食欲がなくなる猫もいます。
- 咳
- 呼吸が速い
- 発熱
- 呼吸困難
- 食欲不振
- 元気がない
重症になると呼吸困難など深刻な症状になります。
肺炎の致死率・死亡率
感染症の症状や治療次第なので、肺炎が軽症であったり、きちんと感染症の治療がかなえば、完治も難しくはありません。
ただ肺炎は感染症や病気が重症化した時に現れることが多いため、肺炎が出た時点ですでに重度または末期というケースもあるので、予後についてはその猫や感染症次第とも言えます。
猫の肺炎の検査・治療方法
レントゲン検査
診察で肺炎が疑われると、レントゲン検査を行います。レントゲン写真で肺に白い陰がないか確認し、肺炎かどうかを判断します。
また原因となる細菌やウイルスを調べるために、血液検査や糞便の検査などが行われることもあります。
抗生物質、酸素吸入、点滴など
肺炎の治療では、基本的には感染症の原因となっているウイルスや細菌を殺すために抗生物質が投薬がされます。
場合によっては酸素吸入、蒸気吸入が行われることもあります。
猫の肺炎まとめ
猫の肺炎についてまとめてきました。中国武漢のコロナウイルスが猛威をふるっており、私達人間も脅威を感じているところだと思います。
人と猫の間での感染は確認されていませんが、コロナウイルスに限らず、日常的に猫風邪や感染症から肺炎に発展する可能性はあるので、咳が出ていたり猫の呼吸に異変を感じたら、動物病院で診察や検査を行ってもらいましょう。