キャットフードやドッグフードのウェット製品では、「グレービータイプ」「パテタイプ」といった表現を見かけることがあります。
どちらもウェットフードで使われる形状表現の一種ですが、「何が違うのかわかりにくい」と感じる飼い主も少なくありません。
本記事では、グレービーとパテの違い、水分設計や増粘設計、嗜好性との関係について整理して解説します。
グレービータイプとパテタイプとの違い
グレービータイプとは
グレービータイプとは、肉片やほぐし身などの具材に、とろみのあるソース状の液体が絡んだウェットフードを指すことが多い表現です。
ソースが具材に絡むことで、液体感や香りが感じやすく、見た目にも肉汁感やジューシーさが強調されやすい特徴があります。
パテタイプとは
パテタイプとは、原材料を細かくすりつぶし、全体を均一なペースト状やムース状に仕上げたウェットフードです。
グレービータイプのような具材感やソース感よりも、なめらかさや均一な口当たりが重視される傾向があります。
グレービーとパテ、どっちがいいの?
レービータイプとパテタイプは、どちらが優れているというものではなく、猫の好み、食べ方、目的によって向き不向きが変わります。
嗜好性には個体差が大きく、「ソース部分だけ舐める」「具材感がある方を好む」「なめらかな食感しか食べない」など、反応はさまざまです。
重要なのは形状名だけで判断するのではなく、栄養設計や原材料、カロリー、食べ切れるかなどを総合的に確認することです。特に主食として与える場合は、「好んで食べるか」と「必要な栄養量を継続して摂れるか」の両方を確認することが大切です。
グレービータイプ
とろみのあるソースによって香りや水分を感じやすいグレービータイプは液体部分を好む猫では食いつきにつながることがあります。ドライフードにかけたり、食欲が落ちている時のトッピングとして使いやすいかもしれません。
パテタイプ
全体が均一なパテタイプは、具材だけを残しにくく、比較的まとまって食べやすい傾向があります。細かく崩しやすい製品も多く、口当たりのなめらかさを好む猫や、歯に問題がある猫では選ばれやすい形状です。
グレービータイプやパテタイプの質感はどう作られるのか
グレービータイプとパテタイプでは、見た目だけでなく、口当たりや水分感も大きく異なります。
こうした違いは、単純に「水分量の差」だけで決まるものではありません。
実際には、原材料の細かさ、水分設計、加熱加工、乳化、粘度調整などを組み合わせることで、それぞれ異なる質感が作られています。
グレービータイプの質感設計
グレービータイプは、とろみのあるソースと具材感を組み合わせた形状が特徴です。
こうしたソース状の質感を維持するため、液体を分離しにくくしたり、具材に絡みやすくしたりする目的で、粘度調整や安定化設計が行われることがあります。
実際の製品では、キサンタンガムやグァーガム、加工デンプン、カラギーナンなどが使用されることがあります。
これらは単に添加物として使われるだけではなく、グレービー特有のソース状の質感を作ったり、保存中の分離や状態変化を抑えたりする役割もあります。
パテタイプの質感設計
パテタイプでは、原材料を細かく均一化し、全体をまとまりのあるペースト状やムース状に仕上げる設計が特徴です。
グレービータイプのようなソース感や流動性よりも、なめらかで均一な口当たりが重視される傾向があります。また、スプーンなどで崩しやすい質感や、密度感のあるまとまりもパテタイプの特徴の一つです。
パテタイプでも、水分や油分の分離を防いだり、なめらかな状態を維持したりする目的で、グレービータイプと同様の増粘成分が使用されることがあります。
さらに、原材料を細かく均一化したり、加熱によってまとまりを作ったり、水分と脂肪を乳化させたりすることで、全体の質感や状態を安定させています。
水分量が多いのはグレービー?パテ?
グレービータイプとパテタイプでは、一般的にグレービータイプの方が水分感を強く感じやすい傾向があります。
これは、グレービータイプではソース部分が多く、液体の存在が見た目にもわかりやすいためです。
ただし、「グレービー=必ず水分量が多い」「パテ=水分が少ない」とは一概には言えません。
実際の水分量は製品ごとに異なり、保証成分値を確認する必要があります。
グレービータイプは水分感が強い傾向がある
グレービータイプは、とろみのあるソース部分によって、液体感やジューシーさを感じやすい形状です。
そのため、
- 水分を舐めるのが好き
- スープ状を好む
- 香りの広がりを重視する
といった猫では、食いつきにつながることがあります。
特に猫は、香りや温度、水分感の影響を受けやすい動物とされており、ソース状の液体を好む傾向にあります。
一方で、ソース部分だけを舐めて具材を残す場合には、必要量を十分に摂取できない可能性もあります。
パテタイプは水分が均一に分散している
パテタイプは、全体を均一なペースト状に仕上げているため、見た目には液体感が少なく見えることがあります。
ただし、実際には十分な水分を含んでいる製品も多く、単純に「パテ=水分が少ない」とは言えません。
また、パテタイプでは、
- 全体をまとめて食べやすい
- ソースだけを舐め分けにくい
- なめらかな口当たりを好む猫に合いやすい
といった特徴があります。
そのため、ソース部分だけを舐めて具材を残しやすい場合には、全体が均一にまとまったパテタイプの方が食べ切りやすいことがあります。
どちらを選ぶかは水分量だけでなく、「どのように食べるか」「食べ切れるか」といった点も重要になります。
主食として使う場合は“総合栄養食”を確認する
グレービータイプでもパテタイプでも、主食として与える場合は、「総合栄養食」の表示があるかを確認することが重要です。
総合栄養食は、そのフードと水を与えることで必要な栄養素を摂取できるように設計された主食用フードです。
また、ペットフードでは水分量によって、タンパク質や脂質の表示値の見え方も変わります。
そのため、単純な数値比較だけではなく、
- カロリー
- 給与量
- 総合栄養食かどうか
- 乾物ベースでの比較
なども重要になります。
まとめ
グレービータイプとは、とろみのあるソースと具材を組み合わせたウェットフードの形状表現です。
一方、パテタイプは、全体を均一にしたペースト状の質感が特徴です。
どちらも栄養分類ではなく、主に食感や見た目、嗜好性を表す商品表現として使われています。
どちらのタイプのウェットフードも、水分と食感のバランスを考えて作られています。好き嫌いの激しい猫や高齢の猫、歯や口の違和感によって硬いフードを食べにくくなっている猫でも、形状によっては食べやすさにつながることがあります。
重要なのは、「グレービーだから良い」「パテだから安全」と判断するのではなく、実際に食べ切れるか、水分やカロリーを十分に摂取できているかを確認しながら、その猫に合った形状を選ぶことが大切です。
参考:§ 172.695 Xanthan gum.
参考:Additives in Meat and Poultry Products



































































































































































