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キャットフードの原材料:しいたけ(Shiitake Mushroom)
しいたけとは肉厚なカサと豊富な旨味成分を持つ大型のきのこで、日本や中国を中心に食用や薬用として利用されています。クヌギやナラなどの広葉樹の倒木や原木で育ちますが、現在は人工栽培が主流です。
しいたけにはグアニル酸やレンチナン、エリダデニン、βグルカンなどの高い健康効果を持つ栄養素や成分が豊富に含まれており、猫の健康維持・向上に欠かせないものとなっています。
しいたけが原材料のキャットフード例
乾燥されたしいたけを使用
椎茸 | 乾燥 | 生 | |
---|---|---|---|
エネルギー | 258 | 25 | kcal |
タンパク質 | 21.2 | 3.1 | g |
脂質 | 2.8 | 0.3 | g |
炭水化物 | 62.5 | 6.4 | g |
ナトリウム | 14 | 1 | mg |
カリウム | 2200 | 290 | mg |
カルシウム | 12 | 1 | mg |
ビタミンD | 17.0 | 0.3 | μg |
ナイアシン | 19.0 | 3.4 | mg |
食物繊維 | 46.7 | 4.6 | g |
キャットフードの原材料に使用されるしいたけは、生ではなく乾燥されたものが一般的です。
上記の表のように、しいたけは乾燥することで食物繊維やビタミンDなど多くの栄養素が凝縮されます。とくに旨味成分であるグアニル酸を多く含み、猫の嗜好性を高めます。
また長期保存がしやすいため、キャットフードの加工や保管に適しています。
しいたけが原材料のキャットフード例
しいたけはキャットフード(総合栄養食)の原材料ではほとんどみかけませんが、ウェットフードやおやつ、サプリメントの原材料に使用されています。
原材料欄にはしいたけのほか、しいたけエキス、しいたけ抽出物、干ししいたけ、乾燥しいたけなどと表記されます。
- いなばペットフード かつお・まぐろ 3種のあわせだし
- CUPURERA レティック チキンエクストリーム
- たまのやわらかねこまんま九州産鶏肉
- ベジタブルサポート 顆粒タイプ
- 国産無添加キャットフード「いのちのごはん」
など
しいたけの栄養素と猫における健康効果
- 免疫力の向上
- 骨の健康維持
- コレステロール値の低下
- 血圧の調整
- 腸内環境の改善
- ダイエット効果
- 抗酸化作用
- 抗がん作用
- 疲労回復
しいたけは旨味成分「グアニル酸」が豊富
きのこ類には旨味成分が多く含まれていますが、しいたけはきのこの中でもグアニル酸という旨味成分がとくに多く含まれています。
グアニル酸と同じ旨味成分であるグルタミン酸やイノシン酸は多くの食材に含まれていますが、グアニル酸はきのこ類以外では少ないため、しいたけなどのきのこ類が加わることで、さらに美味しさをUPさせることができる可能性があります。
とくに乾燥しいたけや干ししいたけ、しいたけパウダーは手軽に旨味や栄養素を摂取することができるとして、海外でも人気を集めています。
人と猫では味の感じ方が同じではないので、猫がしいたけの旨味を感じられるかは定かではありませんが、猫はアミノ酸の感受性が強いので人より敏感に旨味成分のアミノ酸(グアニル酸)を感じられるかもしれません。
しいたけのレンチナンは免疫細胞を活性化させる
しいたけの多糖類(βグルカン)に含まれる「レンチナン」には、免疫細胞を活性化させる作用があり、悪性腫瘍治療の抗腫瘍剤として利用されています。
研究では、レンチナンはマクロファージやT細胞などの免疫細胞を活性化させることで、腫瘍細胞の増殖を抑制する作用が報告されています。
免疫細胞の活性化させるので、がんであるかないかに関わらず、しいたけを食べることで病気や侵入してきた細菌への抵抗力を高め、猫の健康維持に役立ちます。
参考:免疫賦活成分β-グルカン(lentinan)含含有機能性食品の研究開発|須賀哲也
エリタデニン
しいたけに含まれるエリタデニンは、血中コレステロール濃度を低下させる作用を持ちます。とくに悪玉(LDL)コレステロールを減少させ、動脈硬化の予防に役立つとされています。また、血圧を下げる働きもあり、生活習慣病の予防に貢献します。
参考:エリタデニン高含有シイタケの開発とその脂質代謝に及ぼす影響
猫にしいたけを与えるおすすめの方法
フードへのトッピングや手作りごはん
しいたけはキャットフード(総合栄養食)の原材料としてあまり使用されていませんが、ウェットフードやサプリメントとして多くの猫用製品に配合されています。
猫にしいたけを与える場合は、普段のキャットフードにトッピングしましょう。
また、高栄養価のエリタデニンはしいたけのカサの裏側に多く含まれており、また加熱しても安定しているため、手作りごはんでしいたけを取り入れるのもおすすめです。
しいたけの注意点。しいたけ皮膚炎とは?
洗って加熱して与える
しいたけをおやつや手作りごはんで与えたい場合は、必ず加熱して与えるようにしてください。生のしいたけをたくさん与えると、分解ができず消化不良になる可能性があります。
しいたけ皮膚炎
しいたけ皮膚炎とは、しいたけの摂取によって痒みや発疹などがあらわれるアレルギー性皮膚炎です。生のしいたけや、加熱が不十分な半生のしいたけの摂取による発症が多く報告されています。
猫の場合、しいたけが原因で皮膚炎を発症する個体がどの程度いるのか予想はできませんが、しいたけにアレルギー反応が出る可能性はゼロではありません。
まとめ
- しいたけには、βグルカン、食物繊維が豊富
- 旨味成分のグアニル酸が豊富
- レンナチンによる免疫細胞の活性化作用